2026年4月第2週の中国のニッケル銑鉄価格は高安まちまちとなっている。需給がともに弱く方向感が出にくい中、銑鉄や精錬品などに調整が出ている。一方で供給不足を警戒して鉱石価格は上昇しており、全体の動きに統一感は乏しい。
■流通不足で価格提示を取りやめ
過去3ヶ月間のニッケル銑鉄価格の推移(NPI content 10-15% China)(RMB/Nickel/MTU)

中国のニッケル銑鉄価格は4月8日に高値RMB1095/MTUを付けた。前日までの$1110からはやや下げた。
過去3か月間のLME($/ton)とSHFE(RMB/ton)のニッケル価格の推移

精錬品も調整方向だ。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格は4月7日に現物$1万6840/tonと、前日($1万6900)から小幅に下げた。中東紛争発生前の2月27日($1万7685)からも下落している。上海先物取引所(SHFE)のニッケル価格は4月7日にRMB13万4050/tonで、やはり2月からは水準を切り下げている。
上海有色網(SMM)は4月7日までのレポートで「流通も最終需要も弱く、取引が止まっている」と指摘した。中東紛争による物流障害が長引く中で流通が停滞し、「一部のトレーダーは価格提示を止めている」(SMM)という。一方で製鉄所側も最終製品の需要が低迷する中で、高値でまでニッケルを入手しようという意欲は乏しいという。
■鉱石価格はフィリピンの雨季で上昇
過去3ヶ月間のニッケル鉱石価格の推移(1.8min CIF China)($/ton)

精錬品と対照的に、横ばいが目立っていた中国のニッケル鉱石価格は3月半ばから動きが出始めた。3月13日に$92/tonと、前日から12%も値上がりした。4月8日には$99まで上げ、$100の大台が迫っている。2022年3月以来ほぼ4年ぶりの高値水準にある。
生産国であるフィリピンが雨季だったことなど供給懸念を誘った。ただその雨季も終わりに近づき、「今後は価格下落の可能性もある」(SMM)という。
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4月8日

住友金属鉱山は4月8日、自社ホームページ上で、「フィリピンのニッケル製錬子会社の一部サーバで、第三者の不正アクセスによるランサムウェア感染被害が発生した」と発表した。生産プラントの制御系に影響はないという。
プレスリリース: フィリピン子会社のITシステムへの不正アクセスに関するお知らせ | ニュース | 住友金属鉱山株式会社
同社は4月1日には、2026年の地金生産計画を発表した。このうち、電気ニッケルを上期と下期に3万2300トンずつの計6万4600トン、フェロニッケルは上期2200トン下期2300トンの計4500トン生産するとした。
2025年の生産計画は電気ニッケルが6万4000トン、フェロニッケルが4900トンだった。
プレスリリース: 2026年度の地金生産計画 | ニュース | 住友金属鉱山株式会社
3月26日
ブルームバーグ通信などの3月26日までの報道によると、インドネシアでは、プルバヤ・ユディ・サデワ財務相が3月25日、「プラボウォ大統領が同日、石炭とニッケルの輸出関税を承認した」と発表した。
しかし、その後にエネルギー・鉱物資源省相が3月26日に発表したプレスリリースでは、同省のバリル・ラハダリア大臣がニッケルと石炭の生産について「(割当枠の)緩和は測定可能だ」と指摘したと記載された。同氏はリリースの中で、「ニッケル鉱物ベンチマーク価格(HPM)を引き上げる」とも述べ、煮付ける政策は飴と鞭の様相になっている。
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(IR Universe Kure)