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2026年2月アルミ再生塊輸入統計分析 数量83%、価格高騰で金額下支え

2026/04/21 04:43
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2026年2月アルミ再生塊輸入統計分析 数量83%、価格高騰で金額下支え

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為替相場推移 TTS 3か月

 

(概況)
2月は数量が前年同期比88%とやや前年割れで推移する一方、単価は上昇基調を維持し高値圏でスタートした。LMEアルミ相場の高止まりに加え、円安進行も重なり、輸入コストは引き続き高水準にある。前年に続く価格上昇の流れを引き継いでおり、2026年の年平均単価は過去最高水準圏で推移する可能性が高い。

(詳細分析)
■数量動向(2026年2月アップデート)
数量面では、2026年2月単月は7万7,343トンとなり、前月(9万3,373トン)から減少し前月比83%となった。前年同月比も83%で、前年水準を下回る結果となった。1月にみられた回復の勢いは一服し、再び調整色の強い月となった。
主要輸入先では、
中国塊は9,117トンで、前月比82%と減少したものの、前年同月比116%と前年を上回った。数量は縮小したが、主要供給源としての地位は維持している。
ロシア塊は2,694トンで、前月比123%と増加、前年同月比134%と回復した。足元では減少基調に一服感がみられる。
UAE塊は1万7,937トンで、前月比80%、前年同月比65%と大きく減少した。依然として最大供給国ではあるものの、中東ソースの数量調整が全体減少の主因となった。
Tier2グループでは、
オーストラリア品は3,521トンで、前月比113%、前年同月比122%と堅調。
ニュージーランド品は3,722トンで、前月比311%と急増、前年同月比190%と大幅増加した。
カタール品は4,969トンで、前月比99%と横ばい、前年同月比105%。
ナイジェリア品は3,875トンで、前月比67%、前年同月比49%と減少。
マレーシア品は7,923トンで、前月比69%、前年同月比76%と調整色が強い。
インド塊は3,961トンで、前月比60%と減少したものの、前年同月比125%と前年を上回った。
「その他」は1万9,624トンで、前月比80%、前年同月比79%と減少した。
■1-2月累計動向
2026年1-2月累計数量は17万716トンとなり、前年同期比88%と前年割れとなった。主要国別では、中国が2万271トン(前年比118%)、インドが1万528トン(117%)、オーストラリアが6,638トン(109%)と増加。一方、UAEは4万318トン(75%)、ロシア4,882トン(88%)、ナイジェリア9,624トン(74%)と減少しており、中東・旧来供給源の減少を中国・インドなどアジア勢が補う構図となっている。
■総括
2026年2月は、1月の高水準から反動減となり、全体数量は再び8万トン割れとなった。特にUAE、マレーシア、インドの減少が目立ち、全体数量を押し下げた。一方で中国は前年超えを維持し、ニュージーランドやロシアなど一部供給国には回復の動きもみられる。累計では前年割れながら、中国・インド・豪州の増勢が鮮明で、従来の中東偏重から供給先分散が徐々に進む局面といえる。

(表―1、グラフ―1、2)。



 


■数量構成比では、2026年1月→2月で、
中国は 12%→12% と横ばいで推移し、安定した主要供給源の地位を維持した。
ロシアは 2%→3% と上昇し、前月の落ち込みからやや持ち直した。
UAEは 24%→23% とやや低下したものの、引き続き最大シェア圏を維持している。
オーストラリアは 3%→5%、ニュージーランドは 1%→5% とともに上昇し、オセアニア勢の存在感が高まった。
カタールは 5%→6% と小幅上昇。
ナイジェリアは 6%→5% とやや低下した。
マレーシアは 12%→10% と低下し、2025年後半まで続いた高シェア局面からやや後退した。
インドは 7%→5% と低下し、前月の伸長分を一部戻す形となった。
「その他」は 26%→25% とわずかに低下したが、依然として高い構成比を維持している。
総じて、2月はUAEの首位構図に大きな変化はない一方、ロシア・豪州・ニュージーランドなどの比率上昇が目立ち、1月に進んだ“その他・インド偏重”からやや是正された。供給構成は引き続き分散型を保ちつつ、中東依存度はやや低下した状態にある。

(グラフ―3)。
 

 

■金額面では、2026年2月単月は338億54百万円となり、前月(398億30百万円)から減少し、前月比85%となった。数量減少の影響が大きく、1月の高水準から反落した形である。一方、前年同月比では90%と前年水準をやや下回った。
主要仕入先では、
中国塊は38億17百万円で前月比82%と減少したものの、前年同月比126%と引き続き高水準を維持した。数量シェアを保ちながら、金額面でも安定した主力調達先となっている。
ロシア塊は10億50百万円で前月比118%と増加し、前年同月比も142%と回復。前月の落ち込みから持ち直しがみられた。
UAE塊は82億54百万円で前月比80%と減少したものの、引き続き最大の調達先を維持した。ただし前年同月比では69%と前年割れとなり、中東依存度はやや低下している。
Tier2グループでは、
オーストラリア品は18億11百万円で前月比118%、前年同月比135%と増加。
ニュージーランド品は19億44百万円で前月比325%と急増し、前年同月比も209%と大幅伸長した。
カタール品は23億32百万円で前月比99%と横ばい圏、前年同月比112%。
ナイジェリア品は15億33百万円で前月比68%と減少、前年同月比53%と弱含み。
マレーシア品は34億00百万円で前月比72%、前年同月比85%と減少した。
インド塊は15億96百万円で前月比60%と反落したものの、前年同月比136%と高水準を維持している。
「その他」は81億16百万円で前月比83%と減少したが、依然として大きな比重を占める調達ソースとなっている。前年同月比は87%。
■1-2月累計では、総額736億84百万円となり、前年同期比94%とやや前年割れとなった。
中国は84億71百万円(前年比125%)、インドは42億63百万円(同124%)、オーストラリアは33億51百万円(同118%)と伸長。
一方、UAEは185億91百万円(同79%)、ナイジェリアは37億85百万円(同78%)と減少し、全体を押し下げた。
■総じて、2月は全体金額が前月比で調整局面となったが、中国・ロシア・オセアニア勢の回復が目立った。一方でUAE・マレーシア・インドの減少が全体の重石となっており、中東一極集中から多極分散型への調達構造変化が引き続き進行している。
(表―2、グラフ―4)。
 


■CIF動向は2026年1月→2月で、全体平均では427円→438円へ上昇し、8カ月連続の続伸となった。為替は引き続き円安圏で推移しており、ドル建て市況に調整がみられる中でも、円建て輸入コストはなお上昇基調を維持している。
中国塊は417円→419円と小幅上昇し、7カ月連続の上昇。
ロシア塊は408円→390円と反落し、ここ数カ月の上昇基調に一服感が出た。
UAE塊は462円→460円と小幅安ながら、高値圏を維持。
マレーシア塊は408円→429円と大きく上昇し、6カ月連続の上昇となった。
このほか、
オーストラリアは494円→514円、
ニュージーランドは501円→522円、
ナイジェリアは392円→396円と、それぞれ上昇。
一方、
カタールは472円→469円、
インドは406円→403円と小幅に低下した。
他方、LMEアルミ地金は1月の3,148ドル/tから2月は3,065ドル/tへやや反落。
一方、LMEアルミ合金は2,509ドル/tから2,575ドル/tへ上昇し、合金系原料価格は底堅さを維持した。
総じて、2月は地金相場がやや調整したにもかかわらず、円安継続と高値圏調達の影響からCIF価格は全体として続伸した。とりわけマレーシア、豪州、NZなど周辺ソースの上昇が目立ち、輸入コスト上昇圧力は依然として強い局面にある。

(グラフ―5、6、7)。




 


主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

■今後数カ月の展望(アルミスクラップ・二次合金原料)
足元の動きを総合すると、市場は従来の「高水準維持+調達先分散」に加え、中東紛争を起点とした供給不安プレミアム相場へ移行した。国内では国産ADC12が500円台に到達し、原料スクラップ買値も歴史的上げ幅となっており、今後数カ月は数量・価格・需給構造の三面で大きな変化が続く可能性が高い。
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①数量面:高位維持も実需供給は不安定化
輸入数量そのものは年初時点で高水準を維持しているが、今後は「量がある=使いやすい供給」とは言い切れない局面に入る。
とくに、
• UAE・カタールなど中東系地金、合金塊の物流停滞リスク
• 航路混乱による中国ADC・東南アジア材の納期長期化
• 国内メーカーによる代替調達需要の急増
が想定される。
→ 通関数量は維持されても、現場ではスポット不足感が強まりやすい。
→ 数量は「高位横ばい」でも、需給体感は逼迫方向。
________________________________________
②構成:分散化が加速、国内材回帰も進行
これまで進んでいた調達先分散は、今回の中東情勢でさらに加速する可能性が高い。
構成としては、
• UAE:数量は大きいが地政学リスク顕在化
• 中国:供給余力あるが高値売り姿勢強まる
• マレーシア・インド:代替供給源として重要性上昇
• 豪州・NZ:プレミアム材として存在感増
• 国内スクラップ・国産ADC:戦略物資化
→ 「輸入材依存+国内材補完」から、
→ 「国内材軸+輸入材分散補完」へ構造転換が進みうる。
________________________________________
③価格(CIF・国内スクラップ):急騰後も高止まり
価格面では、従来想定の緩やかな上昇局面を超え、すでにショック上昇が発生している。
背景は、
• LMEアルミ急騰(中東供給懸念)
• 日本向けプレミアム急伸
• 円安進行
• スクラップ世界争奪戦(インド需要含む)
このため、
• CIF価格はさらに高値更新余地あり
• 国内上物スクラップは4月以降さらに切り上げ余地
• 国産ADC12は500円台定着~550円視野
→ 相場は「高騰後の高止まり」が基本シナリオ。
________________________________________
④金額:高値圏で一段拡大へ
輸入金額は、
• 数量維持
• 単価急騰
の複合で、当面は前年を大きく上回る可能性が高い。
とくに数量が横ばいでも価格要因だけで輸入額は増える局面。
→ 通関統計上は“数量横ばい・金額急増”が続きやすい。
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⑤国内需給:自動車・ダイカストへの波及が焦点
最大の注目点は国内需要家への転嫁力。
• ダイカストメーカーの原料負担急増
• 国産ADC値上げ浸透の可否
• 自動車部品メーカーの受容限界
• 調達難による減産リスク
→ 価格転嫁に失敗すれば、数量需要そのものが減速する可能性。
________________________________________
⑥リスク要因
• 中東紛争長期化・ホルムズ海峡混乱
• LMEさらなる急騰
• 円安再加速(160円台定着)
• 中国の高値輸出政策
• 国内自動車減産・需要減速
• 東南アジアの輸出規制・環境規制強化
________________________________________
■総括
今後数カ月は、
「数量は見かけ上高水準、実需は逼迫、価格は急騰後の高止まり、調達先分散と国内材回帰が同時進行」
という構図が基本線となる。
とくに今回の中東ショックは、単なる短期価格高騰ではなく、日本アルミ合金業界の“輸入依存モデルの脆弱性”を露呈した局面ともいえる。今後はインド・マレーシア等への分散に加え、国内スクラップ確保競争と国産ADC供給力が市場の核心テーマとなる。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

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