ニッケル価格が上昇している。ロンドン金属取引所(LME)の3か月先物価格は4月27日に一時$1万9350/tonと、2024年6月下旬以来約1年11か月ぶりの高値を付けた。生産国であるインドネシアが基準価格の見直しや生産割当で減産方針を強める。加えて精錬に使う硫黄の流通がホルムズ海峡の実質閉鎖の長期化で不安定化し、供給不安が強まっている。
■基準価格の算出方法を変更、生産割当も縮小
過去3年間のLMEニッケル価格の推移($/ton)

インドネシア当局は4月、ニッケルをはじめ複数の金属の基準価格を改定した。算出方法の変更で、ニッケル価格が上昇するとの見方が強い。
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インドネシアはまた、ニッケル鉱石の生産は割当枠(RKAB)を設け管理する。2026年のRKABは2億6000万-2億,000万トンで、2025年に目標とした3億7900万トンを大きく下回る。過去の増産でニッケル価格が低迷したため価格の下支えを目指した措置だ。
インドネシアはニッケル鉱石の輸出は2020年から禁止しており、国内生産分を加工企業の原材料に回して加工業の振興を促進する思惑もある。
■硫黄価格、侵攻後に6割値上がり
一方、イラン紛争の勃発と長期化はインドネシア当局にとっても想定外の出来事だった。Ferroalloy.netの4月27日報道によると、インドネシアニッケル産業フォーラム(FINI)の議長アリフ・ペルダナ・クスマ氏は、「2025年のインドネシアの硫黄輸入需要の約75〜80%が中東から来る」と明らかにした。硫黄不足から、インドネシアのニッケル精錬企業の一部は生産を脅かされ始めているという。
硫黄価格は高止まりが続く。4月27日にはRMB6116/tonを付け、米国とイスラエルによるイラン侵攻前の2月27日(RMB3843)から6割程度高い水準にある。4月上旬にはRMB6800まで上げていた。
過去3か月間の硫黄価格の推移(RMB/ton)

■中国の銑鉄価格も上昇、鉱石価格は100ドル超え
国際市場でのニッケル供給が細るとの懸念が高まる中、ニッケル消費の多い中国の銑鉄価格や鉱石価格も上昇している。ニッケル銑鉄価格は4月24日に仲値RMB1150/MTUを付けた。フィリピン産などが多い中国のニッケル鉱石価格も4月8日に仲値$99/tonを付け、高値では心理的節目の$100を超えた。いずれも2023年以来の高値水準にある。
過去3ヶ月間の中国のニッケル銑鉄と鉱石価格の推移(RMB/Nickel/MTU) ($/ton)
