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2026年2月フェロクロム輸入統計分析 高炭素品、数量減でも底堅さ維持、南ア回復で価格は調整局面へ

2026/04/28 14:19
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2026年2月フェロクロム輸入統計分析 高炭素品、数量減でも底堅さ維持、南ア回復で価格は調整局面へ

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【貿易統計/日本】 2026年2月のフェロクロム輸出入推移統計


為替相場推移 TTS 3か月

 

(低炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
2月単月は1,727トンと、前月1,548トンから増加し、前月比112%と持ち直した。前年同月比では373%と大幅増となり、前年の低水準から急回復した。
1-2月累計では3,275トンとなり、前年同期比142%と大きく上回った。年初2か月としては堅調なスタートとなっている。
主要輸入元別では、
・カザフスタンは940トンと前月660トンから増加(前月比142%)。累計1,600トン、前年同期比571%と急伸し、最大供給源として存在感を大きく高めた。
・ロシアは2月実績ゼロ(前月10トン)。累計10トン、前年同期比14%にとどまり、供給縮小・不安定化が続いている。
・トルコは40トンと前月80トンから半減(前月比50%)。累計120トン、前年同期比18%と低調で、前月のスポット供給は一巡した格好。
・中国は61トンと前月30トンから倍増超(前月比203%)、前年同月比218%と回復。ただし累計91トンと絶対量はなお小さい。
・ドイツは90トンで前月横ばい(前月比100%)。累計180トン、前年同期比82%で、安定供給ながらやや前年割れ。
・「その他」は596トンと前月678トンから減少(前月比88%)したが、前年同月比254%と高水準。累計1,274トン、前年同期比125%で、多国籍ソースによる補完供給が続く。
■総じてみれば、
2月はカザフスタンの増加が全体数量を牽引し、前年同月比で大幅増となった。ロシアやトルコの縮小を、中国および「その他」地域の回復が補う構図である。
結果として、「カザフスタン主軸+その他補完+ロシア後退」という新たな供給体制が鮮明となっており、従来のロシア依存型から、より分散的な調達構造へ移行しつつあるとみられる。


(表―1、グラフ―1)



■国別数量構成比では、1月→2月で、
カザフスタンは43%→54%へ大きく上昇し、過半に迫るシェアを占める圧倒的主力供給国となった。年初以降の回復基調が一段と鮮明化している。
ロシアは1%→0%となり、実績消失。供給不安定化が継続し、市場内での存在感はほぼ消滅した。
トルコは5%→2%へ低下し、前月比でも縮小。2025年末にみられたスポット的増勢は完全に後退した。
中国は2%→4%へ上昇し、小幅ながら比重を拡大。ただし依然として補完的ポジションにとどまる。
ドイツは6%→5%へやや低下し、安定的ながら限定的な供給シェアを維持。
「その他」は44%→35%へ低下したものの、依然として3分の1超を占める大きな供給源であり、多国籍・スポット玉による補完機能は継続している。
総じて2月は、1月の「カザフスタン+その他」二極構成から、カザフスタンへの再集中が進んだ月といえる。その他地域の比重低下をカザフスタン増加が吸収し、供給構造は分散型から再び主力国集中型へシフトした。一方でロシア不在、トルコ低迷は続いており、伝統的供給源の弱体化をカザフスタンが単独で補う構図が鮮明となっている。
(グラフ―2)。


 

■金額では、2月単月は9億22百万円と、前月8億64百万円から増加し、前月比107%と続伸した。数量も864トン→922トンへ増えており、数量増が金額押し上げの主因となった。前年同月比では305%と大幅増となり、前年の低水準から急回復している。
1-2月累計金額は17億86百万円となり、前年同期比139%と前年を大きく上回った。数量累計も増加しており、年初の輸入回復基調が金額面にも表れている。
国別にみると、
カザフスタンは4億40百万円と前月3億48百万円から増加(前月比126%)。数量も348トン→440トンへ増えており、数量拡大による寄与が中心。累計7億88百万円、前年同期比513%と急伸し、最大供給源としての地位を一段と固めた。
ロシアは2月実績ゼロ(前月7百万円)。累計7百万円、前年同期比22%にとどまり、供給縮小が継続。
トルコは23百万円と前月43百万円から減少(前月比53%)。数量も43トン→23トンへ減っており、前月のスポット供給の反動減が続く。累計66百万円、前年同期比18%。
中国は23百万円と前月16百万円から増加(前月比147%)。数量増(16トン→23トン)によるもので、規模はなお限定的。累計39百万円、前年同期比116%。
ドイツは66百万円と前月60百万円から増加(前月比110%)。数量も60トン→66トンへ増加し、安定した小口供給を継続。累計1億25百万円、前年同期比90%。
「その他」は3億70百万円と前月3億90百万円から減少(前月比95%)。数量も390トン→370トンへ減少しており、補完供給はなお大きいもののやや後退。累計7億60百万円、前年同期比135%。
総じて2月は、カザフスタンの数量増加が全体金額を牽引し、前年同月比で大幅増となった月といえる。一方でロシア消失、トルコ縮小、「その他」微減など周辺供給はまちまちで、依然として主力国依存度の高い構造に変化はない。
結果として、金額面でも 「カザフスタン主導+その他補完」 の体制が鮮明となり、数量変動がそのまま輸入額を左右する市場局面が続いている。

(表―2、グラフ―3)
 


 

■輸入CIF単価(キロ当たり)は、
全体平均で1月558円から2月534円へ低下し、高止まり圏ながらやや調整した。2月は為替がやや円高方向へ振れたこともあり、円建て単価には下押し圧力がかかったとみられる。
国別にみると、
・カザフスタン:528円→468円へ低下。数量シェアが43%→54%へ上昇したため、同国単価の低下が全体平均を押し下げた。
・ロシア:2月は実績なし。1月の高単価672円は全体から消失。
・トルコ:541円→579円へ上昇。ただし数量シェアは5%→2%へ低下し、全体への影響は限定的。
・中国:530円→383円へ大幅低下。数量は小さいものの、低単価化が平均単価の下押し要因となった。
・ドイツ:663円→731円へ上昇し、主要国中では最も高い水準。ただし数量シェアは5%程度にとどまる。
・その他:概算では高水準を維持し、全体を一定程度下支えしたとみられる。
総じて2月は、ドイツやトルコなど高単価品の上昇はあったものの、最大供給源となったカザフスタンの単価低下と、ロシア高単価品の消失、さらに円高方向への為替移行が重なり、全体平均は下落した。
したがって、2月の単価低下は市況の全面的な軟化というより、カザフスタン比率上昇と為替要因によるミックス主導の調整と整理できる。高単価国はなお残っており、価格水準そのものは依然として高止まり圏にある。

(グラフ―4)。

 

低炭素フェロクロム(C0.06% Cr65% USD/LB)1年

 


主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

 

(高炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
2月単月は2万4,020トンと、前月1月の2万7,676トンから減少し、前月比87%となった。前年同月比では57%にとどまり、前年水準を大きく下回った。1月に続き、年初の輸入数量は弱含みで推移している。
主要輸入元別では、
・カザフスタン:1万1,168トン。前月比61%と減少したが、引き続き最大供給源を維持。前年同月比では88%と、主要国の中では比較的底堅い。
・南アフリカ:1万291トン。前月比169%と大幅増。1月の落ち込みから反発し、カザフスタンに迫る規模まで回復した。ただし前年同月比では49%にとどまり、前年水準にはなお遠い。
・インド:1,438トン。前月比56%、前年同月比36%と減少し、低調。主力供給国としての存在感は後退している。
・その他:1,123トン。前月比156%と増加したが、前年同月比では24%と低水準。
1-2月累計では5万1,696トンとなり、前年同期比66%にとどまった。内訳では、カザフスタンが2万9,473トン(前年比89%)と相対的に底堅い一方、南アは1万6,386トン(同57%)、インドは3,993トン(同48%)と低迷している。
総じて、2月は南アの反発が全体を下支えしたものの、カザフスタンの減少とインドの低迷により、総量は前月を下回った。年初累計でも前年の3分の2程度にとどまり、高炭素フェロクロム輸入は数量面で明確な弱含みが続いている。供給構造としては、カザフスタン主軸を維持しつつ、南アの月次変動が全体を大きく左右する展開となっている。
(表―1、グラフ―1)



 

■国別数量構成比では、1月→2月で再び構成が大きく変化した。
カザフスタンは66%→46%へ大幅低下した。なお最大供給国ではあるが、1月の突出した集中は後退した。
一方、南アは22%→43%へ急上昇し、カザフスタンに迫る第2主力へ回復した。
インドは9%→6%へ低下し、構成上の存在感はさらに限定的となった。
「その他」は3%→5%へ小幅上昇したが、補完的役割にとどまる。
結果として、主要2国(カザフスタン+南ア)の合計シェアは88%→89%と高水準を維持。ただし内訳は、1月のカザフスタン一極型から、2月はカザフスタン・南ア二極型へ戻った。供給構造は依然として上位2国に強く集中しているが、月ごとの主導国交代が大きい不安定な構図が続いている。

(グラフ―2)。


 

■金額では、2月単月は64億50百万円と、前月79億14百万円から減少し、前月比81%となった。前年同月比でも69%にとどまり、数量同様に前年水準を大きく下回った。
国別にみると、
カザフスタンは37億60百万円と前月59億06百万円から減少(前月比64%)したが、引き続き最大の供給源を維持。前年同月比では113%と前年を上回り、主要国の中では最も底堅い。
南アは20億98百万円と前月12億22百万円から増加(前月比172%)。数量増加と連動して金額も反発したが、前年同月比では55%にとどまり、前年水準にはなお届かない。
インドは3億36百万円で前月比54%、前年同月比37%と低調。数量・金額ともに存在感は後退した。
その他は2億55百万円で前月比156%と増加したものの、前年同月比では20%と低水準にとどまる。
1-2月累計金額は143億64百万円で、前年同期比76%。カザフスタンは96億66百万円(前年比102%)と前年並みを維持した一方、南ア33億20百万円(同62%)、インド9億58百万円(同50%)、その他4億19百万円(同20%)はいずれも前年割れとなった。
総じて2月は、南アの反発が下支えしたものの、カザフスタンの減少とインドの低迷が響き、全体金額は続落した。累計でも前年の4分の3程度にとどまり、カザフスタンは底堅いが、南ア・インドの弱さが全体回復を抑える構図が続いている。

(表―2、グラフ―3)
 


■輸入CIF単価は、全体平均で1月キロ286円から2月269円へ低下し、前月の急伸から反落した。依然として高水準ではあるものの、2月はやや円高方向への推移もみられ、円建て価格には調整圧力がかかった。
国別単価を見ると、
インドは244円→234円へ低下、
カザフスタンは323円→337円と一段高となり、主要供給国の中で最高水準を更新。
南アは200円→204円へ小幅上昇した。
すなわち、主要3国のうちカザフスタン・南アは強含み、インドは軟化というまだら模様で、国別価格トレンドには差がみられる。
一方で数量構成比は、1月の
インド9%・カザフスタン66%・南ア22%から、
2月は
インド6%・カザフスタン46%・南ア43%へ変化。
高単価のカザフスタン比率が66%から46%へ大きく低下し、相対的に単価の低い南アが22%から43%へ急上昇した。この調達先シフトが、全体平均単価を押し下げた最大要因といえる。
したがって2月は、カザフスタンの単価自体は上昇したものの、数量構成が南ア側へ戻ったことによる“ミックス悪化”に加え、円高傾向も重なり、全体平均では反落した月と整理できる。価格水準そのものは依然高止まり圏だが、今後もしばらくは市況そのもの以上に、調達先配分の変化が月次単価を左右しやすい局面が続きそうだ。

(グラフ―4)。


高炭素フェロクロム(C6~8% Cr60~63% Si3% max $/LB)1年


国内ステンレス304系冷延薄板(2B/2mm)1年

 

主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

 

■今後の展望(高炭素フェロクロム輸入)
短期的には、横ばい圏ながらやや強含みの見方を維持したい。4月の国内ステンレス鋼材市場では、JFEスチールがクロム系ステンレス鋼板を15円/kg値上げし、日本製鉄との価格差是正に動いた。背景には、第2四半期(4〜6月)のフェロクロム長期契約価格が日欧ともに前期比6セント/ポンド上昇したことがあり、原料コスト高が国内価格へ波及し始めている。これはフェロクロム輸入価格の下支え材料となる。
一方で、輸入数量面では日本の高炭素フェロクロム調達はなお慎重で、2026年2月輸入量は2万4,020トンと前年同月比57%にとどまった。国内実需の戻りは限定的で、買い急ぎの局面には至っていない。加えて、南アフリカ産の数量回復(2月は前月比169%)がみられ、相対的に低価格帯の南ア材比率上昇が平均輸入単価を押し下げた。供給面では南アの出荷正常化、中国系ステンレス減産一巡後の原料供給余力などが上値抑制要因となる。
したがって、当面の基本シナリオはレンジ内推移となろう。原料契約価格の上昇と国内メーカーの値上げ姿勢が下値を固める一方、需要回復の鈍さと供給余力が急騰を抑える構図である。月次では、調達先構成(カザフスタン比率上昇か、南ア比率上昇か)によって平均輸入価格が大きく振れやすく、単純な市況高低だけでは読み切れない局面が続く。
中期的には、国内外のステンレス需要は緩やかな回復基調が想定される。建築・設備投資・産業機械向け需要の持ち直しが進めば、フェロクロム需要も底上げされやすい。ただし供給側では、南アの電力制約、物流混乱、カザフスタンなど資源国の政策変更、為替変動リスクがなお残る。
総じて、2026年の高炭素フェロクロム市場は、需要回復期待による底堅さと、供給多極化による上値抑制が併存する過渡局面にある。価格そのもの以上に、どの国からどの比率で調達されるかという“調達ポートフォリオ”が市場を左右する一年となりそうだ。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。

 

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