インドネシアは4月29日、第2フェーズとなる国家下流プロジェクトの起工式を実施した。鉱業関連を含む13の下流化プロジェクトが対象となった。同国は単純な資源輸出国から製造立国への転換を目指し、鉱業分野では加工業への注力を推進する。(写真はインドネシア大統領府ホームページから、演説するプラボウォ大統領)
■鉱業5件を含む13プロジェクトに1兆円超を投資
インドネシア大統領府の発表によると、起工式は中ジャワ州チラチャップで行われ、インドネシアのプラボウォ大統領や国営資金であるダナンタラのトップをはじめ、多くの要人が出席した。
対象となるプロジェクトはエネルギー5件、鉱物資源・金属が5件、農産物加工が3件で、総額116兆ルピア(約1兆740億円)を投じる。鉱業分野の5件には、中国の青山集団などが事業展開するスラウェシ州モロワリのステンレス鋼事業などが含まれる。プラボウォ大統領は演説で、「2026年はさらに6件、あるいはさらに6件を追加予定だ。追加はその後も続ける予定で、第4、第5、第6フェーズの可能性もある」と述べた。
■国内反映目指すも実態は中国勢の影響濃く
インドネシアはジョコ・ウィドド前大統領の時代から、資源輸出国から製造立国への転換を目指してきた。プラボウォ大統領は演説で、「あまりにも長い間、我が国の経済資源や天然資源は、ナショナリズムを軽視する商人たちによって支配されてきた」とし、「以前は富の流れを海外に流出させてきた。今はそれを逆転させ、国民に注ぎ込むべきだ」と話した。その上で、インドネシアには加工能力があり、既に「ニッケル、ボーキサイト、石炭、農産物まですべて加工している」と指摘し、研究や技術開発を奨励した。
ただ、現実にはインドネシアの産業の多くには中国勢が食い込む。例えば同国が世界最大の生産国であるニッケル産業は、青山集団をはじめとする中国勢が精錬の7割超を支配していると指摘されている。