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第一稀元素:26/3期決算を発表、27/3期は増収減益予想

2026/05/14 19:30
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第一稀元素:26/3期決算を発表、27/3期は増収減益予想

5月14日15時半、第一稀元素化学工業は26/3期の決算を発表。4月に発表した上方修正値で着地。続く27/3期は増収ながら減益予想。同社は説明会を開催しないが、資料を作成している。

 

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<25年度実績>

〇実績

・大幅な増収増益: 売上高は357億円(前期比6.3%増)、営業利益は34.7億円(同52.4%増)となった。営業増益の主な要因は、 売上高の増加に加え、前期のベトナム子会社立ち上げに伴う一過性費用の解消、および原料市況による高額在庫の利益圧迫要因の解消が寄与した。

・経常利益の大幅増:ベトナム子会社への外貨建貸付金等により為替差益が発生し、経常利益は32.5億円(同414.8%増)となった。

 

図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇分野別の販売状況と今後の対応

・自動車排ガス浄化触媒分野(売上の約63%): ハイブリッド車の堅調な需要や地政学リスク回避の動きにより、前期比7.7%の増収となった。今後は、内燃機関搭載車市場の縮小が緩やかであることから、需要が成長・維持される市場(インドなど)へのアクセス強化を図る。

・戦略分野(売上の約15%): 成長領域と位置づける分野で、全体で前期比6.1%増収。

 エネルギー: AIデータセンター向けのSOFC(固体酸化物燃料電池)需要の拡大などにより、20.8%の大幅増収となった。課題であった二次電池用途(LFPの台頭による想定のズレ)に対しては、自社の電池性能評価技術を活かし、需要領域と顧客基盤の拡大を図る。

 半導体・エレクトロニクス: 電子部品向けは堅調でしたが、中国製SiCウエハの流入拡大による研磨材需要の減少で、8.1%減収となった。

ヘルスケア:生体材料用途の一部で在庫消化が完了し、需要回復が見られたため、8.4%増収となった。

・基盤分野:ブレーキ用途の原料高に伴う価格転嫁(単価上昇)が牽引し、前期比2.4%増収。

 

〇ベトナム事業の進捗と強み

・強固なサプライチェーン:レアメタル精錬の特定国依存リスクを低減するため、ベトナムにおいて鉱石の調達から製品化までを一気通貫で行う体制を構築した。

・高い参入障壁:環境規制への対応や現地政府との信頼関係構築など、資金力のみでは解決できない本質的な参入障壁を築いており、同社の強力な競争優位性となっている。

・当期は本格稼働による収益面での効果が費用増を吸収し、利益に貢献し始めている。

 

<中期経営計画「DK-One Next」の進捗と成長戦略>

・資本コストを意識した経営:株主資本コストを7〜8%、WACC(加重平均資本コスト)を5〜6%と認識しており、31年度にはROE(自己資本利益率)11%以上、ROIC(投下資本利益率)9%以上を目指す。

・キャッシュ・アロケーション(資金配分):25年度〜31年度の間に創出する営業キャッシュフロー355億円をもとに、戦略分野の増産投資(75億円)、研究開発投資(80億円)など成長投資に重点を置く。

・事業ポートフォリオの転換:自動車触媒事業で創出したキャッシュを戦略分野(半導体・二次電池・新規事業)へ再配分し、収益性・資本効率の高い事業構造への転換を進める。

 

<26年度予想と株主還元>

〇見通し

 売上高370億円(3.5%増)、営業利益30億円(13.8%減)の増収減益を見込む。

 減益の理由は、戦略分野の中長期的な成長を見据えた研究開発費の増加、人的投資(ベースアップ)、設備の保守・修繕費の増加など、未来に向けた先行投資を行うため。

 

図表2、27/3期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇配当金

 25年度の配当金は28円(前期26円)、次期(26年度)は30円の増配を予定しており、持続的な株主還元を実施する。

 

<参考>

図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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