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PILLARの26/3期は2.6%増収6.8%営利増、受注15.3%増で売上、受注が最高額更新

2026/05/21 10:11
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PILLARの26/3期は2.6%増収6.8%営利増、受注15.3%増で売上、受注が最高額更新

PILLARの26年3月期は、半導体関連の回復により売上高と受注額が過去最高を更新。27年3月期は、生成AI向けなどの半導体需要の本格的な拡大、中国新工場の稼働を背景に、17.7%増収、28.0%営業増益と最高益更新を見込む。さらに新中期経営計画は、31/3期に売上高1000億円、営業利益250億円の達成を目標とした。

 

PILLAR(6490) 26/3期決算説明会メモ  ややポジティブ継続

 

26/3期2.6%増収6.8%営利増、27/3期半導体向け増で17.7%増収28%営利増と最高益へ

 

株価8820円(5/20) 時価総額 2208億円   発行済株25042千株 

PER(27/3DO予:18.0X)PBR(2.54X) 配当(27/3DO予)195円 配当利回り2.2%

 

要約

26/3期2.6%増収6.8%営利増で2/9増額修正予想比増額着地、売上高は過去最高額

流体制御関連の総合シールメーカー。半導体製造装置向けフッ素樹脂製品に強味を保ち、特にフィッティング等で90%シェア。5/14に26/3期決算が開示され、同日WEB決算説明会がなされた。26/3期は売上高594.79億円(2/9増額修正予想比14.79億円上振れ、2.6%増)、営業利益121.07億円(同1.07億円上振れ、6.8%増)、経常利益129.46億円(同4.46億円上振れ、12.8%増)、税引利益89.41億円(同4.41億円上振れ、7.7%増)となった。また受注額は636.47億円(15.3%増)、受注残高165.20億円(34.1%増)と半導体関連の回復で、売上高、受注額とも過去最高額更新となった。また受注残高は26/3Q4の増加で残高が膨らみ大幅な伸びとなり、残高も最高額更新となった。

セグメント別ではフッ素樹脂製品を中心とする電子機器関連が売上高393.58億円(同9.58億円増額、0.8%増)、営利90.64億円(同2.36億円未達、2.9%増)、受注435.25億円(22.6%増)、受注残高116.02億円(48.1%増)に。売上では半導体向けが生成AI向け先端半導体向け、中国向けが好調を維持した一方、スマホやPC及び車載向け半導体の需要回復が遅れ、緩やかな成長にとどまった。また免振事業が25/3期の大型受注の反動で減少した、電子機器全体では免振装置の減少を新規の半導体向け急回復な受注増で埋めて、売上が上振れしたものの、24/3期の404.75億円までは届かなかった。利益面では免振装置の減少、半導体向けの下期からの本格回復などで稼働率の上昇が遅れ利益は未達成に。ただし中国向けは市場全体が好調に推移、全体ではQ4の駆け込みなどもあり売上増額着地に。ちなみに最大手ユーザーであるスクリーン向けは77.57億円(19.6%減)と、スクリーンの収益伸び悩み影響もあったとみられる。なお受注は23/3期以来の400億円超えとなり、23/3期の419.95億円を抜いて過去最高の受注高となった。また受注残高はピーク時23/3期の183.80億円の2/3でしかないが、これは生産能力増、生産効率向上で受注残の消化が順調に行われたためとみられる。

シール事業を中心とする産業機器関連は売上高200.85億円(同4.85億円上振れ、6.2%増)と、5期連続増収で4期連続最高売上高更新となった。受注についても201.21億円(2.2%増)と5期連続増で、初めて200億円を超えた。営業利益も30.21億円(同3.21億円上振れ、20.8%増)となり、24/3期の29.28億円を抜いて過去最高額、初めて30億円を突破した。売上面では海外の大口補修案件の石油プラント向けが拡大、原子力再稼働に伴う定期修理案件なども増加した。さらに半導体製造装置向けでは荏原向けなどのCMP向けロータリージョイントも売上拡大に。また船舶向けも活発な市場動向で売上拡大に。さらに子会社のタンケンシールセーコウも3期連続最高売上更新を記録した。利益面では増収効果、メカニカルシールが売上高154.55億円(8.3%増)、グランドパッキンが46.29億円(0.5%減)となったことなどからMIX良化でも収益性が向上した。 

仕向先別では国内388.40億円(4.7%減)となった。主力相手先のスクリーンが77.57億円(18.9億円減)、免振装置など建設・土木向けが8.70億円(9.48億円減)を除くと推定302億円(3.0%増)と増収となり、タンケンシールセーコウが増収、荏原製作所向けロータリージョイントも増収ということで、表面的な数字ほど、悪くはない状況とみられる。海外はアジア向けが142.46億円(31.1%増)と伸長した。出遅れていた中国向けが拡大していること(開示がないも輸出の20%程度とみられる)以外に、欧米の主力ユーザーがアジア地区で組立工場を建設、シンガポールやマレーシア向けに伸長しているとのこと。

市場別売上(単独ベース)では、半導体・液晶向けが349.40億円(1.8%増)とスクリーンが減少、中国向けやその他アジア向けが伸長して好調に推移した。またCMP向けのロータリージョイントは荏原向けなどが増加、全体では26/3Q4で104.20億円と100億円の大台に乗せたものの、回復遅れで小さな伸びに。土木・建設は免振装置の大型案件の反動減で8.70億円(52.1%減)と半減した。電力・エネルギーは原発の補修関連好調で18.58億円(9.2%増)に。

営業利益の増減では値上げ効果を含める増収効果で13.8億円、材料費・外注製品構成変化で10億円の増益効果に対し、人件費増、減価償却費、研究開発費などのコスト増影響があり、全体として7.72億円増にとどまった。

 四半期の収益状況では、26/3Q3から本格的な半導体向けの拡大が始まり、26/3Q4では売上高165.92億円(同期比4.8%増、Q3比12.7%増)、25/3Q4の158.37億円を超え、四半期最高額となり、初めて160億円を超えてきた。受注は26/3Q4に217.10億円(同46.6%増、同48.3%増)を記録、23/3Q1の154.32億円を大幅に上回り、四半期で初めて受注額200億円超えとなった。営業利益は34.51億円(同15.1%増、同13.1%増)と、増収効果、MIX良化で2桁増益に。

 四半期事業別では産業機器関連事業が、26/3Q4売上高57.18億円(同期比5.1%増、Q3比11.1%減)、営業利益9.72億円(同10.2%増、同52.4%増)とQ4でQ3比減収も、半導体向けの回復で利益改善が進んだ。また受注は56.83億円(7.4%増、16.8%増)と、25/3Q4の52.93億円を抜いて四半期最高受注となった。

 電子機器関連事業は26/3Q4売上高108.66億円(同期比4.8%増、26/3Q3比8.0%増)、受注高が160.27億円(同72.9%増、同63.9%増)となった。受注の回復が遅れていたが、Q4で急増、23/3Q1の121.32億円以来の受注額となり、一気に四半期最高受注額大幅更新となった。この背景には最大ユーザーのスクリーンが26/3Q4のSPE新規装置売上が1413億円(同期比8.7%増、26/3Q3比22.8%増)と四半期で過去最高売上更新となったこと、東京エレクトロン向けにも先端洗浄向けに売上拡大が続いているなど半導体製造装置受注の急増、加えて同社の中国徐州新工場の本格稼働で中国での受注が大きく寄与したとみられる。ただし受注急増で受注残として27/3期に納入されるため、26/3Q4収益はまだ緩やかな収益拡大にとどまっている。

 

27/3期半導体の需要回復本格化で17.7%増収、28.0%営利増予想で最高収益更新予想

 27/3期は売上高700億円(17.7%増)、営業利益155億円(28.0%増)、経常利益155億円(19.7%増)、税引利益107億円(19.7%増)予想と、半導体市場の本格拡大から、設備投資増による償却負担増、R&D増などの負担増の中で最高収益更新予想とした。セグメント別では電子機器関連が売上高489億円(前期比24.2%増)、営利123億円(35.7%増)、産業機器関連が売上高211億円(5.1%増)、営利32億円(5.9%増)予想とした。

まず電子機器関連では半導体市場の急激な拡大を背景に足元の受注が大幅拡大、中国新工場の本格稼働が寄与する見通し。同社はフッ素樹脂フィッティングでは世界シェア割を占めているが、国内では最大手ユーザーのスクリーンの27/3期半導体製造装置(SPE)売上高予想が6000億円(前期比25.5%増)と25/3期の5195億円を抜いて過去最高額更新となる予想。また東京エレクトロンもEUV対応ではパーティクルゼロなどが要求されており、ピラーに加え併用している米国EntegrisやParkerなどで対応できない分野で同社製の需要が高まるとみられる。中国向けも中国半導体製造装置メーカーが微細化に対し、クリーン度、シール性能の向上が求められており、中国工場での受注が大幅拡大するとみられる。

産業機器事業はロータリージョイントの拡大がCMP装置メーカーの売上拡大に伴い増加しよう。CMP向けロータリージョイントは、主力の荏原製作所が26/3期換算のCMP・他売上高2332億円(25/3期換算比45%増)に対し27/3期換算売上高2900億円(24%増)を計画、受注では2950億円(16%増)を想定、売上、受注ともに過去最高額更新予想としている。同製品は米国デュブリンが最大手でアプライドマテリアルズのCMPにメインで採用されている。現在、同社は中国新工場でも同製品を製造するほか、マレーシアでも欧米半導体製造装置メーカーの組立工場進出などに対応し、ロータリージョイントでも世界シェアNo1を目指すとしている。このほか、3年前にしたタンケンシールセーコウも増収増益を続ける見通し。このほか、原子力補修関連も継続的な需要が見込まれる。このため、同事業についてもメカニカルシール製品の拡大で若干会社計画を上回る収益が期待される。

 

中期経営計画で31/3期に売上高1000億円、海外50%以上、営業利益250億円目標

 今回、新中期経営計画を策定、31/3期に売上高1000億円、このうち海外売上高50%以上、営業利益250億円を目標として掲げた。事業別では電子機器関連で売上高685億円、営業利益率27.0%(184.95億円)、産業機器関連で売上高315億円、営業利益率21.0%(66.15億円)予想とした。

電子機器事業においては半導体向け樹脂事業ピラフロン製品のさらなる拡大を目指す。中心となるフッ素樹脂フィッティング(継ぎ手)は耐薬品・耐熱・低摩擦・絶縁性など多くの特性を高次元で備え、構造は本体・スリーブ・ナット・ゲージリングの4点で構成され、スリーブ先端が本体溝に食い込み、ナット締め付けについてゲージリング突起の「音と感触」で完了判定できる独自のシール構造が盛り込まれている。金属溶出がppbレベルで歩留まりに効くため、装置メーカーは「実績のある継手」から変更することが難しく、世界的に90%シェアという独占的地位を築いている。26/3期はスクリーン向けなどが減少したが、26/3Q4には急回復し、27/3期は大幅拡大が見込まれている。この要因は、半導体の微細化とともに洗浄工程の頻度増大で市場平均を上回る需要が見込まれるため。これはFinFET/GAAトランジスタや3D NAND、集積化・ヘテロインテグレーション(ファンアウト、チップレット実装など)といった高度化に伴い、従来の単純な液浸洗浄では除去困難な汚染が増加するなどで、より高度の洗浄、洗浄回数の増大が見込まれているため。

さらに現在、EUV世代の洗浄は「パーティクルゼロ」が必須となっているが、東京エレクトロンは2025年12月に、新たな300mmウェーハ塗布・現像装置 CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro DICE™ を発表した。この装置は、革新的な欠陥制御技術を備え、従来比で50%以上のレジスト塗布起因の欠陥低減とコスト低減を可能とした装置。EUV(極端紫外線)露光による極微細パターニングの実現と、DUV(深紫外線)装置の高生産性に貢献するとみられるが、この分野では「パーティクルゼロ」が必須となっており、同社製品がほぼ独占的に使用されているとみられる。このようにスクリーンに加え、東京エレクトロン向けでも納入拡大が期待できる。加えて中国市場でも半導体の微細化に伴い、同社への需要が高まるとみられる。同社の中国展開は先端品向けということで拡大してきたといっても全体の20%程度とのこと。今回、徐州工場の新設で本格的に現地でも供給が可能となるため、急速に中国市場での売上拡大が見込める。その他、免振装置も半導体工場の新設、増設の実行で、改めて売上拡大が見込める他、フッ素樹脂基板事業について新たな成長分野、メディカル分野など新領域の拡大も期待され、中計予想の前倒し達成が期待される。利益面では高付加価値製品の比率拡大などで売上拡大に伴う収益率向上も期待される。

産業機器においては半導体の微細化でCMP装置向けロータリージョイントの拡大が見込まれる。CMP装置では、ウェーハを保持するトップリングや定盤が1分間に数十〜百回転するが、固定側の配管から回転側へ、研磨スラリー・純水・薬液・N2パージ・真空などを「混ざらず、漏らさず」送る役目をするのがロータリージョイントである。ポイントは「流体の性状や流体通路内の圧力モードにかかわらず、相対回転する2部材間での流体流動を長期に円滑かつ良好に行うこと」にある。機構としては回転軸と固定側の間で流体を安定供給・回収する仕組みの装置で、内部に高性能メカニカルシールが組み込まれ、回転中でも漏れを防いでいる。

現在、配線・トランジスタ構造の複雑化、積層化による平坦度の要求がさらに高まりCMPが多用されるが、多流路化が進み、3流路ならスラリー・リンス・エアを同時供給できる構造が標準。流路ごとにメカニカルシールで分離し、高温・高圧・高速回転でも異種流体が混じらないロータリージョイント設計が求められる。今後3Dデバイスの拡大で、TSV平坦化・再配線層・マイクロバンプ研磨が増え、1枚あたりCMPステップが5〜7回から10回超へ増加する。装置台数が同じでも、ロータリージョイントの使用本数と交換頻度の高まり、さらには多流路化が加速、単価の上昇もあり、収益性も高まる方向にある。現在、同社は中国新工場でも同製品を製造、マレーシアでも欧米半導体製造装置メーカーの組立工場進出などに対応している。ロータリージョイントは消耗品でもあり、CMP工程の多くがアジアで実行されるだけに、早晩、米国デュブリンを抜いて世界シェアNo1の獲得が実現されよう。さらに半導体製造の方向性としてガラス基板の投入が予定されており、ガラス基板では表裏CMP加工、大型基板対応となるため、さらに需要が高まる可能性がある。このため、産業機器において、ロータリージョイントの拡大でMIX良化もあり収益性が高まろう。さらに産業機器分野では、次世代電池、水素シーリング向けなどに新製品の拡大も期待される。また世界で唯一カーボンを自社生産するタンケンシールセーコウ(TSS)が画期的なポーラスカーボンパッドを開発。均一な細孔径分布と高い比表面積を実現したパッドで、吸着・触媒反応・イオン伝導の効率を向上でき、エネルギー貯蔵(リチウムイオン電池の電極)や水処理での分離性能向上に役立ち、さらに耐薬品性・耐熱性に優れ、過酷な工業環境での応用が可能。今後、半導体搬送用や2次電池電極など応用製品の投入が期待され、これらも産業機器の成長製品に育つ可能性がある。

 このように、同社は主力2分野で先端半導体生産の拡大に向けた製品群の拡大加速、新製品群の拡大により、中期経営計画の前通し達成も視野に入ってこよう。

株価は8/6の26/3Q1発表で社内目標に対し多少上振れたこと、受注が拡大したことなどで反応、4000円大台の回復となり、その後も順調に上昇、2/9の増額で一段高が続き、5/14の本決算発表、27/3期最高益予想を受けて5/15には年初来高値10960円と大台突破となり、その後調整している。現在27/3期会社予想EPS468.04円に対しPER18.8倍はプライム市場機械平均PER22.1倍に対し、若干割安の水準にある。なお類似事業を行うニチアス19.3倍、バルカー18.0倍と似た水準、半導体向けで利益の少ないイーグル工業13.2倍に対し割高の水準にある。同業界の代表企業であり、主力ユーザーにスクリーン、またこれからAI半導体向けで急拡大が見込めるCMPの荏原などがあり、受注拡大から27/3期収益の増額が期待されるものの、1万円大台達成の達成感もあり、ややポジティブ継続で評価したい。

 

 

 

 

                             (図表、カタログは会社説明会資料、個人説明会動画、HPから添付、チャートはヤフーから添付)

 

H.Okamoto

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