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為替相場推移 TTS 3か月
タングステンAPT(EU Freemarket) 1年
純タングステンススクラップ(USD/Kg cif Japan) 1年
(輸出分析)
■数量では、
4月単月は103トンと前月48トンから倍増し、前月比215%と急回復した。ただし前年同月比では69%にとどまり、依然として前年水準は下回る。
内訳では、台湾40トン(前月比190%)が最大仕向け先となり、ドイツ向けも35トンと前月ゼロから再開。韓国向けは22トン、米国向けは5トンと小幅ながら出荷が継続した。一方、3月に23トンあった中国向けは再びゼロとなった。
1~4月累計は450トンで前年比91%。台湾191トンが引き続き主力だが、ドイツは前年比246%と大幅増となる一方、中国は同48%と低迷が続く。
総じて4月はドイツ・台湾向けの回復で数量が持ち直したものの、仕向け先の入れ替わりは依然激しい。APT価格高騰によるスクラップ需要の強さは続くが、輸出はスポット案件主導の不安定な構造が継続している。
(表―1、グラフ―1)。


■金額では、
4月単月は9億96百万円と前月5億72百万円から大幅増加し、前月比174%と急回復した。前年同月比でも163%と高水準で推移している。
内訳では、韓国向けが4億92百万円で最大となり、前月ゼロから急増。台湾向けも2億50百万円(前月比361%)、ドイツ向けも2億06百万円と再開し、全体を押し上げた。一方、3月に4億24百万円あった中国向けは再びゼロとなり、仕向け先の入れ替わりの激しさが続いている。
1~4月累計は29億90百万円で前年比177%。台湾8億76百万円、韓国8億69百万円、中国4億29百万円が主力となり、累計では大幅増を維持した。
総じて4月は韓国・台湾・ドイツ向けの大型案件が金額を牽引した。APT高騰を背景に市況は高値圏にあるものの、輸出金額は依然として案件ベースの変動が大きく、スポット色の強い市場構造が続いている。
(表―2、グラフ―2)。


■平均FOB単価は、4月に9,671円/kgとなり、3月の11,923円/kgから低下したものの、依然として歴史的な高水準を維持した。為替は159.68円から160.33円へ円安が進行し、円建て価格を下支えした。
内訳では、韓国向けが22,353円/kgと突出した高値を記録し、ドイツ向けも5,888円/kg、台湾向け6,260円/kgと堅調だった。一方、中国向けは当月実績がなく、3月の18,443円/kgによる押し上げ効果は剥落した。
APT価格高騰や中国の供給制約を背景にタングステン市況は引き続き強含みで推移しているが、FOB価格は依然として高単価案件の有無や仕向け地構成に大きく左右される。4月は3月のスパイク的上昇から正常化したものの、需給逼迫を背景とした高値圏相場が継続していると整理できる。
(グラフ―3)。

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望(輸出・タングステン系)
タングステン市場は3~4月の急騰局面を経て、5月は過熱修正局面に入りつつある。中国APTや鉱石価格はピークアウトし、カーバイドやフェロタングステン、スクラップ価格も下落に転じたが、国際APTはなお高値圏を維持している。
輸出統計でも、数量は月ごとの変動が大きい一方、金額・単価は高水準を維持しており、案件主導の市場構造が続く。4月は数量・金額とも回復したが、中国向けが消失し韓国・台湾向けが主役となるなど、仕向け地の入れ替わりも激しい。
当面は中国市況の調整が重石となるものの、供給制約そのものが解消されたわけではなく、価格は高値圏で推移する公算が大きい。輸出は数量の安定拡大よりも、高単価案件の有無によって金額が大きく振れる展開が続き、「高値維持・高変動」の市場環境が当面の基本シナリオとなろう。
(輸入分析)
■数量では、
4月単月は170トンと前月並み(前月比100%)を維持し、前年同月比では143%と大幅増となった。高水準の輸入が継続している。
内訳では、シンガポールが55トン(前月比550%)と急増し最大供給源に浮上。ドイツは19トン(同51%)へ減少した一方、台湾は10トン(同250%)へ増加した。中国は2カ月連続でゼロとなり、輸出規制の影響が引き続き見られる。「その他」は82トンと高水準を維持し、分散調達構造が継続した。「その他」82トンの内訳では、シンガポール55トンが中心で、トルコ14トン、オーストリア3トンが続いた。
1~4月累計は624トンで前年比171%。シンガポール138トン(前年比1,380%)、ドイツ119トン(同107%)、「その他」296トン(同510%)が全体を押し上げる一方、中国は35トン(同22%)に低迷した。
総じて4月は、中国依存の低下とシンガポール・欧州・その他地域への調達分散が一段と進展した。APT価格は高値圏から調整局面に入ったものの、供給確保を優先する輸入姿勢は続いており、多元調達型の構造が定着しつつある。
(表―1、グラフ―1)。


■金額では、
4月単月は40億78百万円と前月21億31百万円から急増し、前月比191%、前年同月比697%となった。APT高値圏の影響を受け、価格水準は引き続き高い。
内訳では、シンガポールが12億20百万円(前月比1,214%)へ急拡大し、「その他」も22億28百万円と過去最高水準を更新した。ドイツは3億02百万円、台湾は2億54百万円と堅調だった一方、中国は2カ月連続で実績ゼロとなった。
1~4月累計は92億31百万円で前年比528%。シンガポール20億16百万円、「その他」47億98百万円が全体を牽引している。
総じて4月は、APT高値の価格転嫁と高額案件の集中により金額が急膨張した。数量以上に金額の伸びが顕著であり、中国依存低下と供給源分散が進む中でも、市況高騰の影響が輸入額に強く表れた月といえる。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF単価は、
全体平均で3月の12,535円/kgから4月は23,987円/kgへ急騰し、過去最高水準を更新した。APT高値の価格転嫁に加え、為替が159.68円から160.33円へ円安方向に進んだことも円建て単価を押し上げた。
国別では、台湾が25,374円/kg、シンガポールが22,173円/kg、英国が19,084円/kgと高水準を維持。ドイツも15,904円/kgへ上昇した。一方、中国は実績がなく、市場は中国外ソース中心の調達構造が続いている。
総じて4月は、APT高値と円安に加え、高単価案件の増加が重なり単価が大幅上昇した。輸入価格は引き続き市況・為替・調達先ミックスに左右される高ボラティリティ局面にある。
(グラフ―3)。

主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望(輸入)
APT価格は依然として高水準ながら、中国市場では3月をピークに調整色が強まり、カーバイドやフェロタングステン、スクラップ価格も下落に転じている。このため輸入市場も、これまでの一本調子の上昇局面から高値圏でのもみ合い局面へ移行しつつある。
数量面では、中国依存低下とシンガポール・欧州経由の調達拡大が続く見通しで、供給源の多極化が進む一方、スポット案件主体の不安定な調達構造は継続しそうだ。価格面ではAPT高値と円安が下支え要因となるものの、中国市況の調整や需要家の買い控えが上値を抑える。
総じて当面は「数量は確保優先で高水準、価格は高止まりしつつ変動幅拡大」という展開が想定され、調達先ミックスによる単価変動への注意が一段と重要になりそうだ。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)