タングステン市況の変調が鮮明化しつつある。原材料である鉱石価格は中国価格の下落が続く。中国価格に追随するとされる国際価格は横ばい。チャート上に大きく開いた「ワニの口」が出現し、中国鉱石側の「下あご」だけが開いていく図となっている。原材料の価格偏重を受け、これまで天井知らずの上昇が続いてきたAPT価格も動きが止まっている。
■タングステン鉱石、中国国内で在庫発生?
過去3か月間の中国と国際市場の鉱石価格の推移(WO3 65%) (RMB/mt) ($/MTU) )

中国のタングステン鉱石価格は5月8日に仲値RMB67万2500/mtと2月5日以来ほぼ3か月ぶりの安値を付けた。3月26日-4月2日のRMB102万2500をピークに、毎週のように値下がりしている。一方で国際鉱石価格は4月9日の$1842.5//MTUから横ばいが続く。
中国の投資家向けプラットフォームである雪球は5月1日のコラムで、「輸出停止の一方で鉱石採掘は通常通り行われ、輸入も増えたことで、一部のタングステン採掘会社は在庫を抱え始めている」と伝えた。このコラムの執筆者は「2026年のタングステン鉱石の生産量は前年から8%程度減少すると見込まれるが、2026年は営業日も少ないため、タングステンの需要量は供給量を下回る可能性が出てきた」とも記していた。
■APTも高値が小幅安、変調か
過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)

ベンチマークであるAPTの国際価格価格も、4月下旬から動きがない。仲値は4月22日に小幅に値上がりしたものの、4月24日に高値が小幅に下落し、変調が注目されていた。
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