フィリピン環境天然資源省鉱山地球科学局(MGB:Mines and Geoscience Bureau)は6月1日、ホームページ上で、2026年1-3月期の金属輸出統計を発表した。このうち同国のニッケル鉱石の輸出量は前年同期比59.71%増の458万DMT(ドライ・メトリック・トン=トン)だった。インドネシアがニッケル鉱石の生産を抑える中、フィリピンがインドネシアに原料を供給する動きが拡大している。
■スカンジウム輸出は3.6倍に、重要鉱物に自信
1-3月期の鉱物全体の輸出額は828億ペソと28.6%増えた。同国の主要鉱物は金銀銅などのベースメタルで、これらの貴金属は、輸出量は減少したが価格が上昇して輸出額全体を押し上げた。同国はまた、ニッケルとコバルトの混合水酸化物沈殿物(MHP)、酸化スカンジウム、クロム鉱石なども生産する。1-3月期はMHPの輸出量は8%減ったが、スカンジウムの輸出量は3.6倍に急増し、クロム鉱石も25%増と堅調だった。
MGBは発表資料中で、「フィリピンは重要鉱物の主要な供給国としての地位を強化し、地域の鉱業投資先としての競争力を高めるだろう」と述べた。
フィリピンの2026年1-3月期金属輸出統計

(出所:MGB)
プレスリリース:Higher Metal Prices and Nickel Output Boost Philippine Metallic Mineral Production in Q1 2026
■インドネシア、フィリピン産ニッケルが頼り
フィリピンとインドネシアは鉱業分野での距離を縮める。5月にはインドネシアのプラボウォ大統領の訪比に当たり、両国がニッケル分野での協力強化を進めるとの報道があった。
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ニッケルの生産量はインドネシアが世界首位、フィリピンが2位だ。しかしインドネシアは単純な資源輸出国から製造立国への転換を図り、ニッケルに関しても精錬への注力と鉱石生産の抑制を図る。特に2026年に入ってからは価格維持目的で生産枠を縮小して事実上の減産に踏み切り、国内の精錬需要を賄えなくなっている。このため、年々フィリピン産ニッケル鉱石の輸入に頼る構図となっている。
世界のニッケル生産量

(出所:JOGMEC)
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