米ブルームバーグ通信は6月9日、「シンガポールの仏系商社トラフィグラ・グループが中国の精錬所に向け、キューバ産亜鉛の出荷を中止したと伝達した」と伝えた。トランプ米政権がキューバへの締め付けを強める中、流通封鎖などに備えた措置を採ったとみられる。

報道によると、トラフィグラはキューバ西部のカステジャノス鉱山からの亜鉛の出荷を取りやめた。同社は「複数の調達先から商品を仕入れて顧客に提供している」としており、亜鉛自体の取引に支障はきたさない構えだ。
トラフィグラは2016年にキューバ政府と合弁会社を設立してこの鉱山の権益の49%を保有するが、運営には関わっていないという。鉱山の年産量は亜鉛精鉱が10万トン、鉛精鉱が5万トンで、すべて中国向けに輸出されていた。
米財務省が6月4日にキューバのディアスカネル大統領ら5人と5団体を制裁対象に指定したと発表するなど、米国はキューバへの制裁を強める。ブルームバーグは「キューバ産亜鉛の出荷停止は世界の亜鉛市況に対する影響は軽微だが、中国はすでにロシア産やイラン産の亜鉛の入手が困難になっているため、追い打ちになるかもしれない」との見方を報じた。対キューバ制裁は対中けん制の意味も持ちそうだ。
亜鉛価格は中国内外でほぼ同調した値動きが続く。中国価格がやや振幅の大きな展開となっている。
過去6か月間のLMEとSHFE亜鉛価格の推移($/ton)(RMB/ton)
