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LME Weekly 2026年6月8日-12日 銅反発も14,000ドル持ち越し アルミ下げ止まり、ニッケル急落

2026/06/15 11:43
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【概況】
6月8~12日のLME非鉄相場は、週前半の調整から週後半に持ち直す展開となった。銅は米CPI・PPI発表やドル高を背景に一時13,395ドルまで下落したものの、その後は買い戻しが優勢となり週末には13,700ドル近辺まで反発した。アルミは中東供給不安の後退や現先バックワーデーション縮小を受けて3,461ドルまで急落した後、3,500ドル台を回復。ニッケルも中国需要低迷や在庫高止まりを背景に17,500ドルまで下落し4月以来の安値を付けたが、週末にかけて下げ止まった。亜鉛と錫は後半に急反発し、それぞれ3,584ドル、53,752ドルまで上昇した。ドル円は160円台前半で高止まりし、国内建値の下支え要因となった一方、LME市場では米金利動向と中東情勢を巡る思惑から神経質な値動きが続いた。

(為替概況)160円台前半で高止まり 米金利動向に振られる展開(NY外為)
6月8~12日のドル円は、160円台前半を中心に推移した。週前半は米CPI・PPIの発表を控え様子見ムードが強かったものの、堅調なJOLTS求人件数を背景に米労働市場の底堅さが意識され、一時160円台後半まで上昇した。その後は米CPI・PPIがインフレ再加速を示す内容とならなかったことから米長期金利が低下し、ドル買いは一服。ドル円も160円台前半へ押し戻された。
もっとも、FRBの早期利下げ観測は依然限定的であり、ドル円は160円を明確に割り込むことなく推移。総じてみると、ドル高・円安基調は維持されたものの、前週のような一方向の上昇ではなく、米金利動向やインフレ指標に左右される神経質な展開となった。円安水準そのものは引き続き非鉄金属の国内建値を下支えする要因となった。

    
東京外為市場
6月5日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=161.04円

前週末
5月29日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=160.39円に対して65銭のドル高円安に。

 

【LME概況】
(カッパー)週後半に急反発 1万4,000ドル回復はなお持ち越し
6月12日、3Mは13,698.0ドルが終値。前週末(6月5日)終値13,519.5ドルに対して178.5ドル高と反発した。週前半は米CPI・PPI発表や中東情勢を巡る不透明感、ハイテク株安を背景に売りが優勢となり、10日には一時13,395.0ドルまで下落し5月20日以来の安値を付けた。しかしその後は米・イラン停戦合意期待や株式市場の反発を受けて買い戻しが強まり、12日には一時13,743.5ドルまで上昇。週末にかけて大幅反発したものの、1万4,000ドル台回復には至らなかった。 
COMEX銅先物は高値圏維持 NYプレミアム乱高下
6月8~12日のCOMEX銅先物は、週前半に13,600ドル台後半まで急落した後、週末には再び14,300ドル近辺まで反発する乱高下となった。NYプレミアムは週初の400ドル前後から10日に150ドル近辺まで急縮小したものの、11~12日には再び600ドル前後へ急拡大。COMEX在庫は64万4,546トンから65万412トンへ増加した一方、LME在庫は37万6,775トンから36万4,100トンへ減少しており、米国向け現物流入とLME在庫流出の対照的な構図が続いた。高水準のNYプレミアムを背景とした米国市場の逼迫観測は依然として相場の支援材料となっている。 
 

LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)1カ月


キャンセルワラント比率は前週31%から38-39%へさらに上昇し、5週連続で需給引き締まり観測が強まった。


 

国内銅建値は、5月末の2,250円から6月1日のスタート建値で10円引き上げの2,260円となった。その後、LME銅が6月2日に一時14,000ドル台を回復し、COMEXプレミアム拡大やAI・データセンター向け電力インフラ需要期待を背景に上昇したことから、3日には70円引き上げの2,330円へ改定され、過去最高値を更新した。しかしその後は、LME銅が14,000ドル台定着に失敗して反落し、10日には一時13,395ドルまで下落。これを受けて国内建値も8日に70円引き下げの2,260円、10日にさらに10円引き下げの2,250円へ改定された。ドル円は160円台の円安圏を維持したものの、LME銅の調整色が強く、国内建値も急騰後の利益確定局面へ移行する展開となった。


LMEカッパーVS国内建値推移 1カ月

 

(アルミ)急落後に持ち直し 逆ザヤは急縮小し需給逼迫感後退
12日3Mは3,535.0ドルが終値。前週末(6月5日)終値3,592.0ドルに対して57.0ドル安と続落した。週前半は中東情勢の緊迫化後退やAI関連株安、米金利上昇を背景に売りが優勢となり、10日には一時3,461.0ドルまで下落して4月30日以来の安値を記録した。その後は米・イラン停戦合意期待や株式市場の反発を受けて買い戻しが入り、11~12日は続伸したものの、週末時点では前週末水準を回復できなかった。 
一方、LME在庫は33万950トンから31万9,925トンへ減少し、取り崩し基調が19週継続した。しかし現先バックワーデーションは週初の48ドルから急速に縮小し、10日にはほぼ解消。11日に一時6ドル程度まで回復したものの、12日には再び解消され、これまで相場を支えてきた現物需給逼迫感は大きく後退した。中東供給不安が残る一方、足元では需給主導からマクロ要因主導へと市場の関心が移りつつある。

LMEアルミ(CASH/3M  USD/T)1カ月

 


キャンセルワラント比率は前週25%から22-23%へやや低下、需給引き締まり観測も小幅後退。

 

NSPは前週末723円から、8日に715円へ下落してスタート。その後もLMEアルミが9日に3,512ドル、10日に3,461ドルまで下落し、現先バックワーデーションも48ドルからほぼ解消水準まで急縮小したことを受けて軟調に推移。9日711円、10日694円、1日686円まで続落した。12日にはLME反発から692円に戻した。LME在庫は減少基調を維持したものの、中東供給不安の後退や米金利上昇を背景とした非鉄全般の調整が重石となった。ドル円は160円台前半の円安圏を維持したが下支え効果は限定的で、国内価格は6月初旬の746円高値から急速な水準訂正を迫られる展開となった。


LMEアルミVS NSP推移 1カ月

 

(ニッケル)7日続落で急落 中国需要低迷で17,500ドル台まで下押し
12日3Mは17,830ドルが終値。前週末(6月5日)終値18,581ドルに対して751ドル安と大幅続落した。週前半は売りが加速し、8日から10日にかけて7日続落。10日には一時17,500ドルまで下落し、4月13日以来の安値を付けた。その後は買い戻しから11日、12日と反発したものの、戻りは限定的だった。
背景には、中国でのニッケル塩取引の低迷やLME在庫の高止まりがあり、短期的な需要減速懸念が相場を圧迫した。一方で、インドネシアでは大手生産者Weda Bay Nickelが2026年採掘枠の消化に伴い鉱石生産を停止し、追加採掘枠を申請中と報じられている。当初割当量は1,200万湿トンと前年実績4,200万湿トンを大幅に下回っており、鉱石供給の先行き不透明感は依然強い。さらにインドネシア政府による採掘規制強化や鉱業課税見直しも供給制約要因として意識されており、相場の下値を支えた。
LME在庫は週を通じて27万4千トン前後で推移し高水準を維持。需給緩和を映して相場は調整局面入りしたものの、インドネシア要因を背景に下値も限定される展開となった。

LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)1カ月

 

キャンセルワラント比率は前週5%から4%へ低下し、2週連続で現物需給の逼迫感は後退した。


(鉛・亜鉛・錫)鉛は2,000ドル割れ 亜鉛・錫は週末に急反発
―鉛3M は前週末(6月5日)終値 2,005.0ドル に対し、6月12日終値は 1,966.0ドル と 39.0ドル安。週前半は売りが優勢となり、8日から11日まで7日続落。11日には一時1,940ドル台まで下落し、心理的節目の2,000ドルを割り込んだ。12日は反発したものの、終値ではなお2,000ドルを回復できず、軟調な地合いが続いた。

LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 1カ月

 

在庫は前週31万3,950トンから30万9250トンへ減少、3週ぶりのネット流出となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週3%から8%へ上昇、現物需給の逼迫感は再び強まった。 


 

国内鉛建値は、5月末の384円から6月1日のスタート建値で3円引き上げの387円となった。その後、LME鉛は2,000ドル台を維持できず、8日以降は7日続落となり、11日には3カ月物が一時1,944.5ドルまで下落した。しかし国内建値は8日に3円引き上げの390円へ改定された。ドル円が160円台前半の円安圏を維持したことに加え、月初時点のLME鉛高や国内採算改善が反映されたためとみられる。もっとも、その後はLME鉛が軟調に推移しており、国内建値は高値圏を維持しながらも調整圧力が意識される局面となった。

LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月

 


―亜鉛3M は前週末(6月5日)終値 3,530.0ドル に対し、6月12日終値は 3,584.0ドル と 54.0ドル高。週前半は3,500ドル近辺でもみ合ったが、後半に買い戻しが強まり、12日には前日比88ドル高と大幅続伸。一時3,600ドルに迫る場面もあり、需給引き締まり観測を背景に高値圏を維持した。


LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 1カ月

在庫は前週11万3,300トンから11万0650トンへ減少し、前週の3週ぶりの大幅流入から調整局面となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週14%から8%へ2週連続で大幅低下し、需給引き締まり観測ははっきり後退した。

 

国内亜鉛建値は、5月末の631円から6月1日のスタート建値で3円引き下げの628円となった。その後、LME亜鉛が6月2日に一時3,641.5ドルまで上昇し、非鉄市場への資金流入や需給引き締まり観測を背景に高値圏を維持したことから、4日には15円引き上げの643円へ改定された。しかしその後は、LME亜鉛が高値達成後に反落し、非鉄全般の調整色が強まったことを受け、9日には12円引き下げの631円へ改定された。もっとも、LME亜鉛は3,500ドル台を維持しており、ドル円も160円台前半の円安圏で推移したことから、国内建値は5月下旬の高値圏を維持する展開となった。

LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月

 

―錫3M は前週末(6月5日)終値 52,935ドル に対し、6月12日終値は 53,752ドル と 817ドル高。週初は続落し一時5万2,000ドル台前半まで下落したものの、その後は買い戻しが優勢となり、11日、12日と大幅続伸。AI・電子材料向け需要期待や東南アジアの供給不透明感を背景に、5万3,000ドル台後半まで水準を切り上げた。

LME錫価格推移(セツル,USD/T) 1カ月

 

在庫は前週8,850トンから9,020トンへ増加し、3週連続の流入となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週5%から8%で上昇、現物需給の逼迫感が復活してきた。

 

 (マクロ経済・重要イベント)
6月9日(火)
JOLTS求人件数(4月)
→ 求人数は市場予想を大幅に上回り、米労働市場の底堅さが改めて確認された。FRBの早期利下げ観測が後退し、米長期金利は上昇。ドル円は一時160円近辺まで上昇した一方、LME非鉄にはドル高が重石となった。 
6月10日(水)
米消費者物価指数(CPI、5月)
→ CPIは市場の注目を集めたが、インフレ圧力の一段の加速は確認されず、米金利上昇は一服。もっとも、非鉄市場では利益確定売りが優勢となり、LME銅やアルミ、ニッケルは週安値を付ける展開となった。
6月11日(木)
米生産者物価指数(PPI、5月)
新規失業保険申請件数
→ PPIや雇用関連指標を受けて景気の底堅さが意識されたものの、市場の反応は限定的。ドル円は160円台前半で推移し、非鉄市場では売り一巡後の買い戻しが優勢となった。アルミやニッケルは反発に転じ、銅も下げ止まりの動きを見せた。
6月12日(金)
ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報値)
→ 米個人消費の底堅さが引き続き意識される一方、インフレ期待の動向にも市場の関心が集まった。ドル円は160円台前半で高止まりしたが、非鉄市場では買い戻しが強まり、LME銅は13,700ドル近辺、アルミは3,500ドル台、亜鉛は3,580ドル台まで反発した。
 【中国】   
6月10日(水)
•  CPIは前年比1.2%上昇で横ばい 
•    5月の中国CPIは前年同月比1.2%上昇。 
•    上昇率は4月と同水準で推移した。 
•  原油高で燃料価格が大幅上昇 
•    中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が高止まり。 
•    交通燃料価格は前年比21.1%上昇(4月17.4%)。 
•    ガソリン価格は23.5%上昇した。 
•  自動車価格は下落 
•    内需低迷や販売不振を背景に自動車メーカー間の価格競争が継続。 
•    車両価格は下落し、物価全体の上昇を抑制した。 
•  内需の弱さが依然鮮明 
•    エネルギー関連は上昇する一方、耐久消費財は値下がりが続く。 
•    物価上昇の主因は原油高であり、消費需要主導のインフレではない。 
•  総合評価 
•    「資源高によるコストプッシュ型インフレ」と「内需不振によるデフレ圧力」が併存する状況。 
•    中国経済は依然として外部要因に支えられる一方、個人消費の回復は力強さを欠いている。
                             
-今週の重要イベント
【中国】
6月16日(火曜日)
•    住宅価格指数(5月、国家統計局)
•    小売売上高(5月、国家統計局)
•    鉱工業生産(5月、国家統計局)
→ 中国では5月の小売売上高、鉱工業生産、住宅価格指数(16日)が最大の注目材料。前週発表の貿易統計では輸出が堅調だった一方、CPIは前年比1.2%上昇にとどまり、内需の弱さが改めて確認された。小売売上高が改善すれば銅・アルミ・亜鉛など非鉄金属需要の回復期待につながるが、低迷が続けば中国需要減速懸念が再燃する可能性がある。不動産価格動向も引き続き重要で、不動産不況の長期化が確認されれば非鉄需要見通しへの重石となりやすい。

【米国】
6月16日(火曜日)
•    住宅着工・許可件数(5月、商務省)
•    輸出入物価指数(5月、労働省)
•    FOMC(17日まで)
6月17日(水曜日)
•    小売売上高(5月、商務省)
•    住宅ローン申請指数(MBA)
•    FOMC声明文公表
6月18日(木曜日)
•    新規失業保険申請件数
•    フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6月)
•    景気先行指数(5月、カンファレンスボード)
→ 米国ではFOMC(16~17日)と5月小売売上高(17日)が最大の焦点。市場では政策金利据え置きがほぼ織り込まれているが、声明文や記者会見で年後半の利下げ見通しにどのような示唆が示されるかが注目される。
前週はCPI・PPIともインフレ再加速を示さず、ドル高圧力はやや後退した。今回のFOMCで利下げに前向きな姿勢が示されればドル安を通じてLME銅やニッケルの支援材料となる可能性がある。一方、高金利維持姿勢が強調されればドル高・金利高が再び非鉄相場の重石となりやすい。
また、小売売上高や住宅関連指標は米国の実需の強さを測る重要材料であり、AI・データセンター投資に加えて実体経済の底堅さが確認されれば、銅やアルミの需要期待を支える要因となりそうだ。全体として今週は、
「FRBの政策スタンス」と「中国の内需回復の有無」
がLME非鉄相場の方向性を左右する週となる可能性が高い。

 


(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)

本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。

 

青山 雫

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