電気自動車(EV)世界最大手である中国のBYDの電池子会社BYDエナジーストレージ(BYD儲能)は6月15日、「機材を提供するチリの大型蓄電所が始動した」と発表した。同社は6月12日には「ハンガリーの蓄電所が稼働した」と発表したばかり。南米と欧州で足掛かりを得て、世界的な蓄電企業への発展を目指す。
■チリではかねてリチウム鉱山投資も模索
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チリの施設はスペインの電力ソリューション企業であるグレナジー (Grenergy)がチリ北部で運営するエレナ蓄電所。BYDは2025年5月にグレナジーと技術提携し、今回のエレナ蓄電所には蓄電所の核となるバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を624コンテナ相当提供した。
エレナ蓄電所全体の規模は446MW(メガワット)/3.5GWh(ギガワット時)。さらに巨大な「アタカマオアシスプロジェクト」の一部で、南米最大級の蓄電ハブとなる構想を持つ。BYDは2023年にチリ北部アントファガスタ州のリチウム鉱山に投資意欲を見せていた経緯がある。これは結局リチウム価格の急落などを背景に計画がとん挫したが、原料調達から蓄電池・車載電池、EV完成車に至るまでの南米での勢力拡大を模索している。
プレスリリース:Grenergy signs largest battery purchase agreement with BYD - Grenergy - On And On
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■ハンガリー最大規模の蓄電所に設備提供
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一方、ハンガリーではポーランドの再生可能エネルギー企業であるグリーンボルト・グループ傘下のグリーンボルト・パワー(Greenvolt Power)が運営する同国最大規模の蓄電所に、288.6MWh(メガワット時)のバッテリー蓄電池システムを提供した。
BYDは2024年から同社として欧州初のEV工場をハンガリーで建設してきた。ただ、欧州の中国産EVに対する規制などもあり、その後は量産開始を延期している。
■祖業はモトローラの電池下請け
韓国調査会社のSNEリサーチが6月5日に発表した2026年1-4月のEV販売台数では、BYDは85万7000台と全体の14.5%を占めて世界首位だった。
低価格EVで世界を席巻するBYDだが、祖業は携帯電話向け電池。米モトローラや欧州のノキアなど向けの電池下請けを担ってきた。その経験が車載電池から完成車までの垂直生産体制に結びつき、今度は蓄電池分野への進出に繋がろうとしている。
2026年1-4月の世界のEV販売トップ10

(出所:SNEリサーチ)