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2026年4月チタンスクラップ輸出入統計分析 輸出は米国主導で回復、輸入はアジア材中心に低調

2026/06/30 02:21
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2026年4月チタンスクラップ輸出入統計分析  輸出は米国主導で回復、輸入はアジア材中心に低調

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為替相場推移 TTS 3か月

純チタン板スクラップ・合金チタンスクラップ国内相場推移(JPY/KG) 1年

 

(輸出詳細分析)
■数量では、
4月単月は703トンと、前月557トンから増加し前月比126%、前年同月比108%となった。米国向けは360トン(前月比161%)へ大幅増加し、再び最大仕向け先となった。一方、「その他」は343トン(同106%)と底堅く推移し、内訳はインド133トン、タイ88トン、韓国39トン、台湾35トン、ドイツ24トン、エストニア14トン、ポーランド10トンなどアジア・欧州向けを中心に分散した。英国向けはゼロとなった。
1-4月累計は2,272トン(前年比111%)と前年超を維持。米国向け1,094トン(前年比114%)が引き続き主軸となる一方、「その他」も1,163トン(同111%)と堅調で、「米国+アジア・欧州分散」型の輸出構造が定着している。(表―1、グラフ―1)。



 

■数量構成比では、米国向けが40%→51%へ上昇し、数量も223トンから360トンへ大幅増加した。一方、「その他」は58%→49%へ低下したものの、依然として約半数を占める。内訳はインド133トン、タイ88トン、韓国39トン、台湾35トン、ドイツ24トン、エストニア14トン、ポーランド10トンなどアジア・欧州向けを中心に分散した。英国向けは2%からゼロとなった。
結果として4月は、3月の「アジア分散型」から再び米国向け比重が高まる構図へ転換した。ただし、輸出先は引き続き多様化しており、「米国を軸にアジア・欧州向けが補完する」分散型輸出構造が定着している(グラフ―2)。



 

■金額では、4月単月は5億17百万円と、3月の3億47百万円から増加し前月比149%、前年同月比105%となった。米国向けは3億44百万円(前月比191%)へ大幅増加し、全体を牽引した。一方、「その他」は1億74百万円(同105%)と底堅く推移し、インド、韓国、台湾、タイ、ドイツなどアジア・欧州向けの分散需要が下支えした。英国向けはゼロとなった。
1-4月累計は15億64百万円(前年比92%)。数量は前年同期比111%と増加している一方、金額は前年を下回っており、高価格案件の減少や仕向け地構成の変化を背景に、「数量は回復基調ながら、単価面はなお伸び悩む」構図が続いている。(表―2、グラフ―3)。



 

■FOB単価は、全体平均で3月の624円/kgから4月は736円/kgへ上昇し、円安進行を背景に反発した。米国向けも806円→955円/kgへ上昇し、数量構成比も40%→51%へ拡大したことから、全体平均を大きく押し上げた。一方、「その他」も510円→506円/kgと高水準を維持したが、インド(375円/kg)、タイ(287円/kg)、ポーランド(346円/kg)など低単価材を含む一方、韓国(938円/kg)、台湾(999円/kg)など高単価案件も混在し、仕向け地ミックスによる価格差が引き続き大きい。
中東情勢を背景とした物流コスト高や円安が円建て価格を下支えする一方、中国のチタン原料価格も底堅く推移しており、4月のFOB反発は米国向け高単価案件の増加と円安進行が主因とみられる。市況全体が急騰したというより、仕向け地構成の変化が価格上昇に大きく寄与した局面と整理できる。(グラフ―4)。


 

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績


■今後の展望(チタンスクラップ輸出)
数量面では、米国向けが引き続き最大市場となる一方、インド、タイ、韓国、台湾などアジア向けを中心とした分散調達・スポット取引も継続し、月次変動の大きい輸出構造が続く見通しである。日本鉄鋼連盟統計でも特殊鋼需要の回復は緩やかであり、輸出は国内需要を補完する役割が続くとみられる。
価格面では、チタンスクラップ市況は6月時点でも横ばい圏を維持している。一方で、チタン原料市場では塗料向け需要低迷を背景にチタン鉱石や二酸化チタンが軟調で、フェロチタンも調整局面に入った半面、合金向けスポンジチタンは約1年ぶりの高値圏まで上昇しており、用途による温度差が鮮明となっている。スクラップについては航空機向けや高級合金向け需要が下支えし、急激な価格下落にはつながりにくい環境が続こう。
加えて、春以降の円安進行は円建てFOB価格を支える要因となっており、米国向け高単価案件の増減が輸出価格を左右しやすい状況に変化はない。総じて、「数量は底堅く推移し、価格は円安と高級合金向け需要に支えられて高値圏でもみ合う」展開が当面の基本シナリオとなりそうだ。

(輸入詳細分析)
■数量では、4月単月は162トンと、3月の190トンから減少し前月比85%、前年同月比81%となった。3月に急増した韓国品は85トンから23トン(前月比27%)へ減少した一方、中国品は56トンへ増加し再び最大供給源となった。台湾品も65トン(同500%)と大幅に増加し、中国・台湾で全体の約75%を占めた。米国品は10トン(同42%)へ減少し、「その他」はインド6トン、シンガポール2トンにとどまり、供給先は再びアジア中心へ収れんした。
1-4月累計は651トン(前年同期比85%)と前年割れが続く。中国品は287トン(前年比155%)と増加基調を維持する一方、韓国、台湾、米国はいずれも前年を下回っており、総じて4月は3月にみられた供給先の多極化が後退し、中国・台湾を中心とするアジア依存型へ再びシフトした。数量水準もなお低く、輸入回復には力強さを欠く展開が続いている。(表―3、グラフ―5)。



 

■金額では、4月単月は1億47百万円と、3月の2億02百万円から前月比73%へ減少し、前年同月比も72%と前年割れとなった。中国品57百万円、台湾品56百万円が中心となる一方、韓国品は14百万円(前月比17%)、米国品も13百万円(同30%)へ減少し、3月の分散調達は一服した。
1-4月累計は6億31百万円(前年同期比74%)と前年割れが続く。中国品は2億62百万円(前年比129%)と増加したものの、韓国・台湾・米国の減少を補い切れず、総じて4月はアジア中心の輸入構造へ回帰し、金額面でも回復力の弱い展開となった。(表―4、グラフ―6)。
 


■輸入CIF単価は、全体平均で3月の1,061円/kgから4月は910円/kgへ低下(前月比86%)した。3月以降も円安基調は続き、本来は円建て価格の押し上げ要因となったものの、韓国品が951円→602円/kgへ大幅に低下したことに加え、米国品も1,842円→1,333円/kgへ下落し、高単価材の価格調整が全体を押し下げた。一方、中国品は917円→1,025円/kg、台湾品も768円→860円/kgへ上昇し、アジア材は底堅く推移した。
総じて4月は、円安による下支え効果を主要仕入先の価格調整が上回り、平均CIF単価は反落した。ただ、中国・台湾品は堅調を維持しており、市況全体が弱含みに転じたというより、仕入れ先構成と個別案件の単価変動による影響が大きかったとみられる(グラフ-7)。


 

主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別・税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績(  )内は前月実績


■今後の展望(輸入)
輸入面では、中国・台湾を中心とするアジア材が当面の主力となる見通しだ。4月は韓国品が大きく減少する一方、中国品と台湾品が増加し、調達先は月ごとに入れ替わるなどスポット案件の影響を受けやすい構造が続いている。中国依存はなお高いものの、単一国への集中ではなく、アジア域内で供給源を柔軟に組み替える調達が定着しつつある。
価格面では、円安基調が円建てCIF価格を下支えする一方、国際市場ではチタン鉱石や二酸化チタンが供給過剰を背景に弱含みで推移し、フェロチタンも高値圏ながら調整色がみられる。スポンジチタンは航空・特殊用途向け需要を背景に底堅いものの、市場全体としては上値を追う材料は限られる。
総じて、輸入市場は「数量はスポット調達で変動しやすく、価格は円安が支える一方で国際市況の軟化が上値を抑える」という展開が当面続く公算が大きい。今後も為替動向と調達先構成の変化が、輸入価格形成の最大のポイントとなろう。

 

(IRUNIVERSE S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。

 

青山 雫

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