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2026年5月 鉄スクラップ輸出統計分析 ヘビー屑は南アジア依存継続、その他鉄スクラップは多極化進む

2026/07/11 04:48
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2026年5月 鉄スクラップ輸出統計分析 ヘビー屑は南アジア依存継続、その他鉄スクラップは多極化進む

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為替相場推移 TTS 3か月


 


(その他鉄スクラップ分析)
■数量面では
2026年5月単月は5万4,855トンと、前月比67%、前年同月比86%で減少。1-5月累計は33万3,016トンとなり、前年同期比120%と前年を上回るものの、伸び率はやや鈍化した。
■主な仕向け先
•    タイ向け:2万1,327トン(前月比103%)、累計8万6,896トン(前年比270%)
•    韓国向け:1万4,804トン(同114%)、累計7万6,903トン(同138%)
•    その他向け:1万1,689トン(同92%)、累計4万2,282トン(同418%)
•    中国向け:2,333トン(同42%)、累計2万671トン(同172%)
•    ベトナム向け:224トン(同2%)、累計4万975トン(同57%)
■総括
5月はタイ向けが引き続き最大の仕向け先となり、韓国向けも増加した一方、中国、ベトナム、インドネシア向けは大きく減少した。累計ではタイを中心とした多極化の流れは維持されるものの、ベトナム向けの急減により全体数量は前月から縮小し、市場は仕向け先ごとのばらつきが一段と大きくなっている。(表―1、グラフ―1)。


 

■数量構成の動き(4月→5月)
4月から5月にかけての構成比変化は、
•    韓国:16% → 27%(大幅上昇) 
•    中国:7% → 4%(低下) 
•    台湾:9% → 0%(大幅低下) 
•    ベトナム:11% → 0%(大幅低下) 
•    マレーシア:3% → 4%(やや上昇) 
•    タイ:26% → 39%(大幅上昇) 
•    インドネシア:10% → 1%(大幅低下) 
•    インド:4% → 3%(やや低下) 
•    その他:16% → 21%(上昇) 
■総括
5月はタイ向けが39%まで拡大し最大の仕向け先となり、韓国向けも27%へ上昇した。一方、ベトナム、台湾、インドネシア向けは大幅に縮小し、「その他」向けも2割超を占めた。輸出構成はタイ・韓国への集中が一段と強まる一方、その他向けも高水準を維持し、仕向け先の変動が極めて大きい展開となった。(グラフ―2)。


 

■金額面
2026年5月単月は50億23百万円と、前月比79%と減少したものの、前年同月比では126%と前年を上回った。1-5月累計は266億39百万円となり、前年同期比150%と引き続き高水準を維持している。
■主な動き
•    タイ向け:25億30百万円(前月比109%)、累計102億84百万円(前年比343%) 
•    韓国向け:8億36百万円(同126%)、累計39億59百万円(同152%) 
•    その他向け:7億04百万円(同95%)、累計25億52百万円(同451%) 
•    中国向け:3億38百万円(同45%)、累計24億33百万円(同229%) 
■総括
5月はタイ向けが引き続き最大の牽引役となり、韓国向けも増加した一方、中国やベトナム向けは減少した。累計ではタイを中心に韓国、その他地域が全体を押し上げており、金額面でも輸出先の多極化が一段と進んでいる。(表―2、グラフ―3)。



 

■FOB単価推移
全体平均は、4月78円/kgから5月92円/kgへ大幅上昇した。5月は円高が進行したものの、タイ向けや中国向けなど高単価市場の比率が高まり、加重平均ベースでは単価が押し上げられた。
主な動きでは、タイ向けが112円→119円、中国向けが136円→145円、台湾向けが49円→119円、ベトナム向けが53円→86円と上昇した。一方、マレーシア向けは165円→163円と横ばい圏だった。
■総括
5月は円高環境にもかかわらず、高単価市場への輸出構成比上昇により全体平均は大きく上昇した。特にタイ向けが数量・金額の両面で市場を牽引し、中国向けも高単価を維持したことから、価格面では依然として底堅い推移が続いている。(グラフ―4)。



工業雑品(輸出シッパー買値ベース)(JPY/Kg)1年

 

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 (   )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績  (   )内は前月実績

 

(ヘビー屑輸出分析)
■数量動向
5月単月は34万9,692トンと、前月比91%でやや減少。前年同月比でも96%と前年を下回った。1-5月累計は166万1,173トンとなり、前年同期比88%と減少基調が続いている。
■主要動向
•    ベトナム向け:17万5,293トン(前月比104%)、累計84万681トン(前年比84%) 
•    バングラデシュ向け:12万1,688トン(同75%)、累計48万8,253トン(同150%) 
•    韓国向け:1万6,684トン(同118%)、累計15万6,704トン(同83%) 
■総括
5月はベトナム向けが再び増加し最大市場を維持した一方、バングラデシュ向けは前月から反落した。累計ではベトナム・バングラデシュの二極構造に大きな変化はなく、東アジア向け低迷を南アジア・ASEAN向け需要が補う構図が続いている。(表―3、グラフ―5)。
 


 
 


■数量構成比
5月はベトナム向けが44%→50%へ再上昇し、最大仕向け先の地位を維持した。一方、バングラデシュ向けは42%→35%へ低下したものの、引き続き高い構成比を占めた。韓国は4%→5%とやや上昇し、中国・台湾・マレーシア向けはいずれも低水準で推移した。
■主要三か国の構成
ベトナム・バングラデシュ・韓国の合計比率は90%のまま横ばい。ベトナム(50%)とバングラデシュ(35%)の二極構造が引き続き市場の中心となっている。
■総括
5月はベトナム向けが再び過半近くを占め、バングラデシュ向けはやや調整したものの高水準を維持した。東アジア向けは依然低迷しており、ヘビー屑輸出はベトナム・バングラデシュを軸とする南アジア・ASEAN依存の構図が続いている。(グラフ―6)。

 
 

■金額動向
5月単月は192億11百万円と、前月比100%でほぼ横ばいとなった。前年同月比では119%と前年を上回り、ベトナム向けが前月比114%と増加する一方、バングラデシュ向けは同82%とやや減少した。
■累計動向
1-5月累計は823億88百万円で前年同期比98%。ベトナム向け413億53百万円(前年比92%)、バングラデシュ向け246億62百万円(同164%)が引き続き金額面の中核となっている。
■総括
5月はベトナム向けが再び増加し、バングラデシュ向けは調整したものの高水準を維持した。金額面でもベトナム・バングラデシュの二極構造に変化はなく、東アジア向けの低迷が累計ベースでは引き続き全体の重しとなっている。(表―4、グラフ―7)。


 

 

■FOB単価動向(4月→5月)
全体平均は50円/kgから55円/kgへ上昇した。5月は円高が進行したものの、ベトナム向けが50円→55円、バングラデシュ向けが51円→55円、マレーシア向けが68円→73円へ上昇し、円建てFOBは堅調に推移した。
主要輸出先では、中国向けが86円→54円と反落した一方、韓国向けは48円→50円、台湾向けは48円→51円と小幅上昇した。
■総括
5月は円高環境にもかかわらず、主要仕向け地の単価上昇を背景に全体平均は55円/kgまで上昇した。ベトナム、バングラデシュ向けが引き続き価格形成を主導しており、南アジア・ASEAN向け市場の底堅さが改めて示された。(グラフ―8)。

国際価格も強含みの推移となってきている。



鉄スクラップ(HMS 1&2 (80:20), cfr Vietnam) 1年

 鉄スクラップ(HMS 1&2 (75:25 mix) import,cfr delivered Turkish port)

 バングラデシュ鉄スクラップ(HMS 1&2 80:20 deep-sea origin,cfr)

 

主要税関数量・FOB(JPY/Kg)実績 (   )内は前月実績

 主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績  (   )内は前月実績)

 

■今後の展望(ヘビー屑輸出)
足元のヘビー屑輸出市場は、春先までの上昇局面から下落局面へ転じつつある。世界的な鋼材需要の低迷や中国製鋼材・ビレットの流入を背景に、ベトナム向け輸出価格は軟化し、関東鉄源テンダー価格や東京製鐵の購入価格も引き下げへ転換した。
一方、6月以降は円安基調が再び強まっており、日本産スクラップの輸出採算を一定程度下支えする要因となっている。ただし、国内では電炉各社の夏季減産や実需低迷から供給余剰感が強まり、円安だけで相場を押し上げる状況にはない。
今後は、ベトナム・バングラデシュ向け需要の持続性に加え、関東鉄源テンダー価格、東京製鐵の購買動向、為替の推移が最大の焦点となる。総じて当面は円安が下支えとなる一方、世界的な需要不足を背景に弱含みで推移する可能性が高い。価格反転には海外実需の回復が不可欠な局面を迎えている。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

 

青山 雫

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