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第5回自動車リサイクルサミット開幕:再生材から中古車輸出まで、業界の重要課題を議論

2026/08/21 21:24 FREE
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第5回自動車リサイクルサミット開幕:再生材から中古車輸出まで、業界の重要課題を議論

8月21日、IRuniverseは航空会館(東京都港区)にて「第5回自動車リサイクルサミット」を開催した。

近年、自動車産業ではカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの対応が加速している。このため、再生材の利用拡大やELV(使用済自動車)の適正処理、違法業者への対応、中古車輸出など、自動車リサイクルを取り巻く課題は年々複雑化している。本サミットには行政、業界団体、自動車メーカー、リサイクル事業者などの関係者が100名ほど来場し、資源循環の高度化に向けた課題や解決策、最新動向に関する講演に熱心に耳を傾けたほか、参加者同士による活発な情報交換も行われた。

本サミットのプログラムは以下の通り。本報では開幕速報として、会場の様子や来場者同士の交流内容、プログラムの合間に紹介された中国最大級の資源循環企業GEM(Green Eco-Manufacture)訪問ツアーの紹介について報告する。

 

講演プログラム

総合司会:熊本大学 外川健一氏

・「自動車リサイクルの現状と今後の展望」
講演者:一般社団法人日本自動車リサイクル機構(JAERA) 専務理事 阿部 知和氏

・「再生プラスチックの市場創造に向けてー2025年度CPs 自動車領域WG最終報告書ー」
講演者:一般社団法人日本自動車工業会 リサイクル・廃棄物部会 部会長 嶋村 高士氏

・「国内資源循環を推進するには何を成すべきか (Car-to-Carリサイクルの未来を拓く)」
講演者:株式会社エコアール 代表取締役社長 石井 浩道氏

・「ヨーロッパで実用化が始まったカーボンファイバーリサイクル事業」
講演者:富士加飾株式会社 代表取締役 杉野 守彦氏

・「CNとCEを両立させる自動車用電炉鋼板の実現について」
講演者:東京製鐵株式会社 グリーンEV鋼板事業推進室プロジェクト上級エキスパート 中西 栄三郎氏

・「最近の自動車リサイクルをめぐる課題と政策動向など」
講演者:経済産業省 製造産業局自動車課 課長補佐(自動車リサイクル担当) 髙倉 寧氏

・「自動車用鋼材とリサイクル
講演者:日本製鉄株式会社 技術総括部 部長代理 礒原 豊司雄氏

・パネルディスカッション
テーマ:「日本の自動車リサイクルの未来を考える」

登壇者に鋭い質問を投げかける弊社CEO棚町

サミットでは欧州でELVを巡る規制強化が進む一方、規制への対応姿勢を巡る日本と欧州の違いについて議論が及んだ。日本がELV規制を誠実に順守しようと対策を重ねるとコスト負担が増大し、結果として国際的な産業競争力の低下につながりかねない。

自動車リサイクルは、従来の「環境対策」という位置付けから、資源確保や経済安全保障を含む「産業戦略」へ、その重要性を増しつつある。自動車リサイクル分野では中国が急速に競争力を高めており、日本が今後も自動車産業で国際社会を牽引していくためには再生材をいかに確保し、国内で循環させる仕組みを構築できるかが鍵になるとの認識が共有された。

自動車リサイクルの推進については、リサイクラーや自動車メーカーだけでなく、板金・製鉄メーカーをはじめとする幅広い関連企業の連携が不可欠となる。また、再生材がバージン材よりも高価なままでは、市場原理の中で利用拡大を図ることは難しい。資源循環を持続可能な産業として成立させるためには、環境面での価値だけでなく価格や供給量、品質を含めた経済合理性の確保が求められる。再生材を競争力のある形で国内循環させる仕組みを構築できるかが、今後の日本の自動車産業の競争力を左右する重要な論点となりそうだ。

本サミットの個々の発表内容の詳細については、次報以降で詳細に報告する。

 

中国最大級の資源循環企業GEM(Green Eco-Manufacture)訪問ツアーの紹介

李妍蓉氏がIRuniverseと共同で主催する中国最大級の資源循環企業GEM(Green Eco-Manufacture)訪問ツアー、およびGEMの概要について紹介。

プログラムの合間には、GEM Japanの李妍蓉氏よりIRuniverseと共同で主催する中国最大級の資源循環企業GEM(Green Eco-Manufacture)訪問ツアーの紹介がなされた。本ツアーは9月8日〜12日に開催予定で、湖北省の武漢市および荊門市にあるGEMグループの主要拠点を訪れ、日本では見ることのできない最先端の資源循環システムを視察する予定である。

GEM(格林美)は中国を代表する都市鉱山・資源循環企業で、国内外16拠点で事業を展開しており、純資産は31億米ドル超、売上高・時価総額は60億米ドル超、従業員数は1万人を超える。GEMはニッケル、コバルト、タングステンをはじめ30種類以上の重要金属を再生し、中国の民間環境企業を代表する存在として資源循環分野で世界を牽引している。

今回の訪問ツアーでは、GEMが構築する資源回収から再資源化、材料製造までの循環システムを現地で視察する。主なテーマは、EV・使用済み車両の解体とリチウムイオン電池の回収、ブラックマスからのニッケル・コバルト回収、正極材料・前駆体の製造、タングステン・超硬合金の回収・再生であり、中国における循環経済政策やESG経営、資源安全保障と企業戦略についても理解を深める。本ツアーでは単なる工場見学にとどまらず、世界最大級のEV市場を背景に発展する中国の資源循環の最前線に触れ、今後の原料調達や共同事業、技術交流、人的ネットワークの構築につなげる実務的な視察を目指す。

李氏は本ツアーについて「日中で循環事業提携を進める機会であり、机上だけでは進められない協働を促進できる」とし、資源循環社会の実現を強く呼びかけて参加を促した。

関連記事:【参加企業募集】中国・GEM 武漢視察ツアー開催決定 ~EVバッテリーリサイクル・都市鉱山・重要鉱物サプライチェーンの最前線へ~

本サミットではGEM視察ツアーについての宣伝も行い、来場者の関心を惹いた。

 

プログラム終了後の懇親会では、JAERAの専務理事である阿部 知和氏が乾杯の挨拶を務めた。懇親会では業界の垣根を越えた熱い議論や商談が繰り広げられ、自動車リサイクルの課題や重要性を改めて浮き彫りにするとともに関係者の連携を一層後押しする場となった。

懇親会の乾杯の挨拶を務めたJAERAの専務理事、阿部 知和氏。

 

 

(IRuniverse Midori Fushimi)

Midori Fushimi

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