DOWAホールディングスは25日、DOWAメタルテックの100%出資会社であるDOWAパワーデバイス(長野県塩尻市)が、青色半導体レーザーを用いたマルチビーム積層造形法により、放熱用絶縁基板である銅-窒化アルミニウム接合基板(Cu-AlN)の実用化技術を確立し、サンプル出荷を開始すると発表した。大阪大学接合科学研究所や島津製作所との共同開発。
同技術は、青色半導体レーザーを用いたマルチビーム積層造形法により、任意形状の銅回路とセラミックスを、絶縁不良の原因となる銀を用いずに接合できる技術。これにより、従来の活性金属ろう付け(AMB)基板と比べて、ヒートサイクル耐久性を3倍以上向上させるとともに、高い絶縁信頼性と細線パターン形成を両立し、パワーモジュールの高性能化に貢献する。
任意形状の銅回路とセラミックスについて、強固な接合と低残留応力化を両立した銀フリー接合を実現。これにより、銀マイグレーションの懸念を解消するとともに、DOWAのAMB基板と比べてヒートサイクル耐久性を3倍以上向上させた。
さらに、青色半導体レーザーを用いたマルチビーム積層造形法による3D造形技術を活用することで、従来は難しかった細線パターンの銅回路形成も可能になった。高密度配線や小型化が求められる用途に適用しやすく、IGBTをはじめとするパワー半導体に加え、光通信、衛星通信、AIサーバー、データセンター、医療用レーザーなど、幅広い分野での活用を見込んでいる。
製品サンプルの出荷は、DOWAパワーデバイスの親会社であるDOWAメタルテックサーマルデバイス事業部を通じて行う予定。今後は、顧客評価を進めるとともに、量産化に向けた取り組みを推進し、パワー半導体向け放熱用絶縁基板としての採用拡大を目指す方針だ。
(IRuniverse K.Kuribara)