環境省のスクラップヤード環境対策技術検討会の第3回会合が15日開かれ、改正廃棄物処理法下における新たな規律付けの枠組み作りに向けて、14の関係事業者団体から集中ヒアリングを実施した。審議の中で浮かび上がった大きなテーマは、事業者団体非加盟のアウトサイダーの規律付けのあり方と併せ、事業者団体会員にも共通する、適正な原料調達ルートの道筋をどう確立し担保していくのか、その2点だった。年度内をめどに策定を急ぐ政省令やガイドラインの肉付け作業が同日のヒアリング結果を踏まえ、第4回以降の検討会で進むことになる。

許可制を大きな柱とする改正廃棄物処理法は、「環境対策等のコスト負担を回避する不適正ヤードにより、資源循環の関連業界における競争条件が歪められていることから、新たな制度では、不適正ヤードを是正・排除し、公正な競争環境を確保する」ことを最大の目的としている。
同日の事業者団体からのヒアリングは、その経緯を踏まえて、①「使用済金属・プラスチック物品」の保管・再生の実態、② 業界として実施している環境保全対策や他法令への対応状況、そして③完成品の製造工程」、「再生原料」の考え方――の3点を中心に進められた。

一連のヒアリングでは、各事業者団体単位で、ヤードの適正運用を巡り一定の枠組み作り、環境整備が進んでいる実態が確認された。ただ、当然のことながら、その枠組みは会員を対象にしたもので、非会員であるアウトサイダーも含めた業界レベルの規律付けという視点でみると限界も見えた。
関連して委員の質問が集中したのが、アルミ合金関連で出た「サテライトヤード(アルミ二次合金製造工場に隣接、あるいは近接したヤード)」問題だった。同ヤードを「完成品の製造工程」としてどう位置付けるのか、その対象の有無次第では規律付けの対象範囲が大きく変わる可能性があり、業界関係者自身からも懸念の声が出ていた。

銅、鉛、亜鉛などの非鉄製錬関連では、完成品の定義について、公的な機関や第三者機関による認証の案が日本鉱業協会から提示された。また完成品の製造工程の定義についても「完成品を市場に供給するために、原料の受入、前処理、製錬・精製、品質確認及び出荷までが、受入基準、品質基準及びトレーサビリティの下で一体的に管理される工程」と示された。

質問では、三重県から(鉛純度99%以上の)ブリオンの品質の評価基準やそれ、または鉛合金、どこから製品に含むのかについて挙がった。全国鉛錫加工団体協議会は「(品質基準については)特にない。また、製品の線引きについてはできていない」とした。

鉄リサイクル鉱業協会からは、法規制による適正業者への悪影響を抑えるため「(不適正事業者をピンポイントで対象にするために):登記事項証明書、法人税消費税納税証明書などの書類審査の導入を推奨する。そうすれば、(壁の高さなどの)外形基準だけを満たして事業を行う(違法操業疑惑がある)一部の海外業者の撲滅にもつながるし、行政は、実地調査前に不適正事業者を判断できる」との意見が出た。

もう一つの焦点になったのが「許可制の対象外扱いになるヤード」に納入される原材料のトレーサビリティー問題をどう担保するのかである。不適正に運用されているスクラップヤード経由原料を結果的に受け入れることになってしまえば、改正法の目的から逸れ、規律付けの枠組みに落とし穴を作りかねないからだ。議論が続く中で「商社経由の仕入れ」に、その解決を求める関係業界の意識も垣間見えた。それで規律付けの枠組みが担保できるのか、新たな課題として浮かび上がってきた。
根っこにあるのはやはり、改正法で許可を要しない者と定められている「完成品の製造における工程の一部として行われる再生を行う者」や、その定義を今後詰める「再生原料」の保管をどう位置付け、サプライチェーンにどこまで規制の網をかけるのか。その具体的な道筋を巡る行政と事業者サイドの思惑の違いだ
新たな厳しい規制の網がかかることを懸念する事業者と、改正廃棄物処理法の立法趣旨を活かしたい行政との間で、同日もすれ違いが目立った。