アサカ理研は30日、2025 年5月に公表した工場増設や新事業の開始について、同日開催の取締役会において、計画内容を変更することを決定したと発表した。投資総額は当初予定から50億円増の約145億円となり、事業開始時期も2029年中に延期となった。
同社グループは持続可能な循環型社会の実現を目指し、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池を再生する事業を実施すべく、郡山市の本社拠点にて実証試験を実施している。同事業はいわき工場内にプラントを建設し、LiB に含まれるリチウム、コバルト、ニッケル、マンガン等のレアメタルを回収・再生し、再び原料として安定的に供給することで"LiB to LiB"(水平リサイクル)のスキーム構築を図るものとして位置付けられている。
しかし、実証試験の過程で、量産プロセスの生産効率や稼働安定性について複数の改善余地を確認。LiB リサイクル市場において、当社が中長期的に優位性を維持していくためには、生産効率の向上や製造コストの低減、稼働安定性の維持は不可欠な要素であると判断。一部工程の仕様見直しと建設中のいわき工場への追加の設備投資を実施する。
加えて、足許の中東情勢、特にホルムズ海峡周辺の地政学リスクの高まりを背景に、原油や石油製品の供給が不安定化しており、これらを原料とする加工品の価格高騰が、その他資材価格や労務費等の建設コストの上昇も相まって、本事業の設備投資額を押し上げる事態となっているという。
また、特別高圧電力を受電してプラントを稼働させる計画の中で、鉄塔の敷設場所や電線の配線経路等、電力系統案の確定に向けた対応を進めてきたが、その過程で電力系統を当初計画案から変更させる必要が生じたという。電力系統の変更に伴い、当社工場内の受電設備設置箇所も変更となり、新規建設 建屋の配置や建屋間の配管等のレイアウト変更が生じ、工期が長期化していると報告した。

(IRuniverse K.Kuribara)