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中国黒鉛価格の下落により窮地に立たされる豪Syrah Resources社

2019.09.17 10:40

 中国での天然黒鉛(natural flake graphite)価格の大幅な下落の影響を受け、現在、豪州メルボルンを本拠地とする黒鉛企業Syrah Resources社は生産の大幅な削減を余儀なくされている。

 

 同社は9月3日に、第4四半期の生産高を削減する可能性が高いとの声明を出した。同社の発表では、(米中貿易戦争により引き起こされた)中国元(Yuan)の価値の低下、中国での在庫レベルでの懸念が中国のスポット天然黒鉛価格に“突然かつ重大な”下落を及ぼし、これが価格交渉と契約更新に打撃を与えたとしている。さらに、より具体的には、中国での電気自動車(EV)への補助金削減に伴い黒鉛を使用するバッテリーの需要が低下したことが主な理由であるとも述べられている。

 

 この声明を受け、Syrah Resources社の株価(ASX上場)は1株あたり41.5セント(AUD)と、一時期41パーセンもの下落を見せた。これは同社にとって7年来の安値であった。16日現在、株価は多少復活し1株52セント(AUD)であるが、動きは依然として不安定であり、声明前と比べると30パーセントほど下回っている。

 

 同社は削減策として、10月から12月の第4四半期間、Mozambique地区のBalama鉱山における一月あたりの生産量を3分の2減らし、これまでの1万5千トンから5千トンへと修正する見通しを発表した。Mozambique地区のBalama鉱山は同社唯一の天然黒鉛生産地で、参考までに、前年同期の生産高は3万3千トンであった。

 

 同社CEOかつMDのShaun Verner氏は、この削減策を、同社の運用と生産最適化活動の継続を十分に維持するため直ちに取った策であるとした上で、声明の中で以下のように述べた。「この期間中は、製品の差別化を推進するため、製品のグレードと一貫性をさらに高めることに尽力する。難しい決断ではあったが、結果的にはこの行動が、長期的な価値を維持したいという株主たちにとって最善の利益になることを我々は信じている」。

 

 ちなみに黒鉛の価格低下のその他の理由として、豪現地メディアには、マダガスカルからの追加生産、中国の季節的な生産量増加、世界的な不確実性の中にあり抑制された消費者心理などが挙げられている。冒頭で述べた元安と中国でのEVの補助金削減に加え、これらの理由が重なったことで、強い需要成長予測があったにもかかわらず、現状は供給過剰の域に達しているとのことだ。

 

 ただし専門家の多くは、依然として黒鉛の長期的な需要の伸びを予測しており、今後の供給不足も視野に入れている。

 

 さらに同社は先週金曜、13日に、6月末日までの上半期の会計報告を行った。それによると、7,070万ドル(USD)もの資産減損(土地、工場や施設、鉱山など)及び在庫減価償却と合わさった結果、今期の税引後純損失は8,140万ドル(USD)となった。また、6月末日時点での現金残高は6,400万ドル(USD)であったが、9月末日には6,000万ドル(USD)に下がることを予想。6月末日時点でMozambique港に7,000トンもの黒鉛在庫があったことも明らかになり、黒鉛価格低下、そしてそれに因る生産削減は、引き続き現金残高の減少を引き起こすものと予想されている。この会計報告により、この日Syrah社の株価はさらに6パーセントほど下がった。

 

 同社はまた、今週の生産削減策が中国での季節的な生産削減とうまく連動することを望んでおり、それに因る価格上昇を期待しているとのことである。豪金融大手UBS社のアナリストは、もしもこの生産量削減が今後数カ月で黒鉛の価格上昇に繋がらなければ、Syrah社はBalama鉱山での稼働を全停止させる可能性が高いものと推測している。

 

 

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Crnokrak, Ayako

   東京生まれ、英国ロンドンを経て豪州シドニー在住。現在フリーで翻訳・執筆の仕事を引き受けている。もう一つの顔としては、専門は音楽。博士号(音楽)を持つ。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには是非お声がけください→info@iruniverse.co.jp(窓口:川合)

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