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Sachi宝水の知らない世界#2〜イズムを守りながら進化する老舗企業 富士興産

2020.10.21 08:17

 IRuniverse棚町代表の関西ツアー同行2日目午前に訪れたのは大手レアメタルスクラップディーラーの富士興産株式会社(本社:大阪市浪速区)。前身である富士商を始めたのが昭和25年。レアメタルリサイクルの始祖ともいえる老舗だ。

 

 大阪市大正区に、ニッケル、コバルト、チタン、タングステンなどを中心としたレアメタルスクラップの加工処理工場を持ち、ニッケル系原料を主力に、国内外に磁石、電池、工具鋼のスクラップおよび製品を販売している。国内ではかつての日新製鋼から現在は日鉄ステンレスなど大手ステンレスメーカーの直納問屋を務め、海外では中国、韓国はじめ東南アジアなど幅広いネットワークを有している。

 

写真 話を伺ったのは昨年9月に代表取締役社長に就任した赤嶺和俊氏。特殊鋼スクラップ、リサイクル業界の草分けであった故・小川金治郎氏のイズムを引き継ぎつつ、新しい風を取り入れているという印象を受けた。

 

 新型コロナウィルス(COVID-19)感染症拡大予防のために時差出勤を取り入れるなど、迅速かつ柔軟な対応を行っている。同社はコロナ禍真っただ中の6月に決算を迎えた。前年対比ではわずかにマイナスではあったが、本来のポテンシャルは高く、着地は良かったと赤嶺社長。一方で7〜9月まではやはり厳しかったと話す。今後についてはどうだろうか。

 

 当然、受け入れ先であるステンレスメーカーの回復がカギとなるだろう。赤嶺社長は「原料サプライヤーも厳しいのが現状。マーケットの空気に左右されるとは思うが」とした上で、毎日入出荷などの実務が行われていることや、既存のパイを確保しつつ海外企業向けの仕入れや輸出を増やすなど、業績を伸ばすための具体的な施策を講じていると話した。

 

 赤嶺社長は以前から「今後は海外向けが伸びていくことになる」という見方を示しており、これまでの取引先に加えて最近では東南アジアや欧米などに新規取引先を積極的に開拓しているという。

 

 また、チタン、コバルト、タングステンなどについては「小口でも取引を行っていきたい」とした。

 

 こうした動きの根底には、時代の流れが次々と変化していく中で多種多様に発生していくレアメタルリサイクルのニーズに対応したいという思いが汲み取れる。

 

 今後増えていくニーズとして、あらためて電池や磁石のリサイクルが挙げられるという。こうしたニーズに応えることのできる技術を持ったレアメタル、レアアース専業企業が重要になっていくのだと実感した。

 

 富士商のスタートから数えると70年。創業者の小川金治郎氏はまさに特殊鋼スクラップ業界のパイオニアといえる存在だった。今年1月にご逝去。残念ながら筆者は、直接お話を伺う機会を得ることはできなくなった。

 

 次々と新しい販売チャンネルを広げ、90歳を超えても元気に出社されていたというその姿を想像し、富士興産の進化のカギはやはり小川金治郎イズムにあるのではないかと感じた。

 

 数年前に自叙伝を出版されたという。

 

 

【これが私の人生 金ちゃんの穿入蛇行90年】

 筆者の「読みたい本リスト」に新しい本が加わった。

 

 さて、そんな富士興産を引き継いだのが赤嶺社長だ。伝統を受け継ぎながら新しい時代に対応していく柔軟さに、「金治郎イズム進化の予感」がする。

 

 「前期は総合すると何点ですか?」との質問に、「私以外の全社員には100点をつけたい」と顔をほころばせた赤嶺社長。「今後も堅実に、粛々と進んで行きたい」———柔らかな雰囲気と、理路整然とお話される姿が印象的だった。

 

 

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写真(筆者プロフィール)

宝水幸代(ほうすいさちよ)

 

2014年、ある日突然思い立って専業主婦からフリーライターの世界へ。

医療、ビジネスから美容、音楽まで幅広いジャンルでの執筆を行う。

イベントMCやピアノ弾き語りなどでも活動中。

趣味は創作コスプレ。

 

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