トヨタ、コロナによる国境閉鎖の影響で、英国とフランス工場の生産停止

英国紙The Guardian が伝えたところによると、トヨタ社は、予定されていたクリスマス休暇より早く同社の英国とフランス工場での生産をストップした。
これは、英国で新型コロナの変異種が見つかったことに伴い、国境の閉鎖措置が取られ、貨物輸送に混乱が生じたことによるもの。
フランスは、48時間におよぶ英国からの貨物輸送禁止措置を発表、ドーバー海峡付近では貨物トラックが大渋滞し、立ち往生する事態となった。そのため、トヨタの工場では、部品の配送に大きな影響が出て生産を維持することが難しくなった。
この時期、欧州のトヨタ社工場は、通常24日のクリスマスイブから1月4日までクリスマス休暇として工場の稼働をストップするが、英国の北ウェールズのDeeside とダービー州のBurnaston にある工場では、今年は予定を早めクリスマス前から稼働を停止した。Burnastonの工場ではカローラを製造、この二件の工場はおよそ3000人の雇用者を抱える。
トヨタ社のフランス工場でも、同様の理由で、クリスマス休暇予定より2日早く稼働を停止した。同社の担当者は、「従業員や提携先輸送会社など、事業関係者の安全を確保するための措置だった」としている。
先頃、英国で感染力が非常に強い新型コロナの変異種が発見されたことは、欧州内で一時的なパニックを引き起こし、デンマーク、ドイツ、イタリア、ベルギー、アイルランド、オーストリアなど欧州各国に加え、トルコ、カナダを含む世界50か国以上が英国からの航空機の乗り入れを中止している。
春先の欧州のハードロックダウン措置の影響で、各自動車メーカーは生産の停止を余儀なくされ業界は大きな打撃を受けたが、トヨタ社は今回再び予定外の生産停止で年を終えることとなった。
欧州では、英国離脱をめぐるEUと英国の話し合いが長期に渡って暗礁に乗り上げていたが、先行きの不透明さから、英国内の企業は、離脱への移行期間が切れる前にできるだけ多くの在庫を確保しようと輸入量を増やした。そのため、英国に着く陸海空からの輸入貨物量が大幅に増加、既に配送に大きな遅れが生じていた。そこへ時を同じくして、コロナ異変種による国境閉鎖のパニックが重なり、事態はさらに悪化することとなった。
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(Y.SCHANZ)
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