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コロナ後のアクリル板のゆくえ~大量廃棄問題を克服できるか~

2021.06.28 08:45 FREE

 

 店舗やレストラン、役所の受付など、あらゆるところに飛沫感染防止を目的としたアクリル板が設置されている。この驚異的な特需はすなわち、感染終息後に、膨大な廃棄物をもたらすことも意味している。

 

 すでに環境省もその課題について動き始めていることが、6月23日に大阪で開催された、第1回関西マテリアルリサイクル展の取材でわかった。

 

→(関連記事)関西サステナブルマテリアル展開幕 脱炭素、資源循環をキーワードに多彩な最新素材が結集

 

 取材に応じていただいたのは、緑川化成工業株式会社(東京都台東区)の担当者。「リアライト®」という国内初の再生アクリルプレートを取り扱っている。

 

 

図

(出典:緑川化成工業(株))

 

 

 再生アクリル70%利用により、グリーン購入法に適合し、エコマーク認定も受けている。また、再生素材であっても、一般アクリルと同等の物性をもつため、あらゆるアクリル部材の用途に使用できるという。

 

 原料の7割を再生アクリルにすることによって、一般のバージン材由来アクリルに対し、製造時の二酸化炭素排出量を62%も削減しているとのこと。展示ブースで確認したが、非常に透明度も高く、バージンアクリルと遜色のない品だった。

 

 この高い品質を保持するカギは、再生原料だ。リアライトの元となる素材は、提携企業から排出されるアクリル成型品廃材。製造工程で排出される均質の端材だけを用いるため、リサイクルでの劣化が少ないという。

 

 

図

(出典:緑川化成工業(株))

 

 

 このような再生アクリルを取り扱う同社に、環境省から問合せが来ているとのこと。新型コロナウイルス対策で急増したアクリルパーテーションがゆくゆく廃棄になるそのときに、同社を通じて再生できないか、ということであろう。

 

 「透明なアクリル板には大きく二種類があります。ひとたび製品になってしまうと、我々でも見分けがつかない。異なる素材を混ぜてしまうと、このような再生アクリルにはできないんです。」と担当者。アクリル樹脂の再生と一口に言っても、そこには大きなハードルがあることがわかる。

 

 ガラスと見紛うほどの透明性を誇るこのアクリルの多くは、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)から出来ているが、純粋なPMMAだけでは、ほとんどの用途に最適化されていないため、最終製品として販売されるときには、その特性にあわせて他のモノマーや添加剤、充填剤を追加している。

 

 では、いま世の中に出回ってしまった膨大なアクリルパーテーションは、もはやアクリルとしての再生はできないのか。

 

 一つのヒントになりそうな技術があるのでここで紹介したい。

 

 三井化学分析センターのポリマーの分析技術だ。同社は、三井化学グループの関係会社として、主に高分子材料や関連製品の構造解析と物性の評価・解析を幅広く行う国内最大の分析会社。製品寿命や、製品の安全性など高次の分析技術を用いて試験・評価している。

 

 

図

(出典:(株)三井化学分析センター)

 

 

 緑川化成工業が出展していた第1回サステナブルマテリアル展と同時開催された第9回高機能プラスチック展に出展していた同社に取材した。

 

 

写真

 

 

 大量廃棄が懸念されるアクリルパーテーションについて、素材特定に同社の分析が使えるかとの問いに対し、担当者は

 「当社は製品側(動脈側)の分析を主に行ってきていますが、最近は廃棄プラスチック等の分析ができないかというお問合せもいただくようになっています。アクリルパーテーションについては、ものを見てみないことには即答できませんが、可能性はあると思います。」

とのことだった。

 

 条件的には、廃棄物の状態と量が重要になりそうだ。プラスチック片になった後では分析が難しいが、同じ種類のアクリルパーテーションが、ある程度まとまった単位で存在していれば、分析は可能だろうとのこと。

 

 過去は廃棄物に対するポリマーの分析に需要はなかったかもしれない。しかし、二酸化炭素排出削減を強く求められる社会では、その再生にこそ、こうした技術の応用が必要になってくるだろうと思われる。

 

 再生アクリルを作る会社、ポリマーを分析できる会社。

 

 廊下を隔てたすぐ近くにブースを出していた二つのソリューションは、組み合わせることによって新たなイノベーションとなりえるのではないだろうか。

 

 

(小田一枝)

 

 

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