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工作機械工業会11月受注確報 11月1454億円(64.0%増)と3か月連続1400億円超

11月受注は64.0%増の1454億円と内外ともに堅調で3か月連続で140億円超に

 12/23の15時に日本工作機械工業会の11月工作機械受注確報が開示された。11月受注は前年同月比64.0%増の1454億円と13ヶ月連続増となったとともに3か月連続で1400億円を超えた。11月として2年前比較では78.0%増と9ヶ月連続でコロナ前の2019年の同月比2ケタ増を確保、3年前比較でも10.5%増となり、1585億円(4年前比8.3%減)に次ぐ水準に。販売は1050億円(28.4%増)、受注残は56.3%増の6781億円と7ヶ月連続で増加、コロナ発生前の2019年8月の6778億円を抜いてきた。

 

 

グラフ

 

 

外需は同月比54.8%増の954億円と13ヶ月連続増、11月での950億円超は4年ぶり

 外需は954億円(54.8%増)と13ヶ月連続増、2か月連続950億円超で11月では2017年1042億円以来の数字。主要4業種では同月比全て増加、前月比で一般機械を除きプラス。自動車は同月比3か月連続増で37か月ぶり240億円超と全地域で好調。電機・精密は149.5億円(同月比6.7%増)と勢いは落ち気味も6か月ぶりに140億円超に。航空・造船・輸送機械は60.8億円(2.2倍)と米国の増加で26か月ぶりに60億円を超えた。

 

 外需地域別では主要3地域全てで前年同月比13ヶ月連続増加、前月比ではアジアのみ増加となった。アジアは437.2億円(32.5%増)と17ヶ月連続増、8月以降持ち直し傾向に。中国が265.1億円(11.0%増)と18ヶ月連続増加も伸び率は頭打ち。中国の業種別では一般機械25.2%増、自動車61.0%増も、電気・精密26.4%減と減速、爆買いの反動も。その他はインド2.1倍41.7億円、タイ4.9倍11.0億円、韓国85%増41.7億円、台湾94%増40.9億円などが目立つ。欧州は設備増強とロックダウンの反動増が続き204.6億円(2.0倍)。イタリア53.8億円(3.3倍)は2カ月連続過去最高額更新で初の50億円乗せに。主要4業種で全て同月比増。但し、今後は感染再拡大の動向に注視が必要。北米は293.3億円(74.0%増)と10ヶ月連続増。米国が9カ月連続増で264.3億円(67.6%増)。主要4業種全てで同月比増加、一般機械が97.4億円(2.1倍)と38カ月ぶり95億円超で高水準を 記録、米国は幅広い業種で回復が継続している。

 

 

グラフ

 

 

内需は同月比84.9%増500億円で9ヶ月連続プラス、3カ月連続で500億円突破

 内需は500億円(84.9%増)と9ヶ月連続前年同月比プラス、3カ月連続で500億円突破となった、主要4業種は全て同月比プラス。一般機械は201.2億円(88.2%増)と9ヶ月連続プラス。電気・精密は半導体製造装増向け等が繁忙で80.8億円(2.4倍)と10ヶ月連続増加。自動車は95.3億円(22.0%増)も、他業種と比較し回復が鈍い印象で半導体不足も遠因か。

 

 

グラフ

 

 

10月販売は28.4%増1050億円と9ヶ月連続同月比増、受注残は56.3%増6781億円に

 受注の拡大に伴い、受注残高も増加、コロナ発生前の2019年8月6778億円を超えてきた。月間販売額は1050億円(28.4%増)で、BBレシオは新年度に入って8ヶ月連続で1を超えている。

 

 

グラフ

 

 

工業会の2021年改定受注予想の1兆4500億円を上回る1兆5400億円程度に

 1~11月累計受注額は1兆4022億円(前年同期比74.7%増)と、工業会の改訂2021年暦年受注予想額1兆4500億円予想に対し進捗率は96.7%となっており、2021年は工業会改訂予想の1兆4500億円(60.8%増)を超えて1兆5400億円(70.8%増)程度の受注獲得が期待される。

 

 

2022年は過去最高額受注期待も、工作機械への投資比率上がらずピーク更新は期待薄

 今回、2022年1~3月の受注見通しについて工業会のアンケートではやや勢いが衰えるものの、増加傾向が続く見通しとの結果となった。このため2021年度としては1兆6800億円(70.0%増)が見込まれ、2018年度1兆6891億円を超えて年度として2017年度の1兆7803億円に次ぐ水準への期待が高まった。

 

 2022年暦年では2018年の過去最高受注額1兆8158億円(21年予想比17.9%増)の更新を期待する向きがあるが、環境は楽観できない。ピーク更新中で2022年も10~15%成長が見込まれる半導体製造装置と異なり、足元で世界的なオミクロン感染の広まり、主力ユーザーの自動車産業の設備投資は半導体不足による減産を強いられるなどの動きもあり、短期的に受注拡大が鈍る可能性がある。また自動運転やEV投資など、トヨタがEV向けだけで4兆円の投資を実行するとアナウンスも、これまでトヨタを支えてくれた部品会社に対し、なるだけダメージを回避させるべく最善を尽くすなどの表明があり、機械加工の減退が避けられない中で工作機械への投資減退が懸念されるほか、ソフト開発を含め工作機械以外への投資比率が高まる方向にある。また一般機械向けでもIT、IOT対応投資の比率が増す方向など、工作機械メーカーにとってIT対応など企業間格差が高まる可能性もある。さらに現在の受注の中には先行発注も含まれ、年明けからは多少一巡するとの見方も強い。このため2022年は全体として受注増加率の低下が見込まれ、過去最高受注額には届かないとみられることから、工作機械受注は好材料出尽くし感がある。

 

 

(H.Mirai)

 

 

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