3月のアルミ概況および4月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い 3300-3900ドル →
スクラップ +10~ +20円(前月最終価格より) ↑
為替 118-125円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半はウクライナとロシアの停戦協議の先行き不透明やロシアへの経済制裁が強化される中、同国からの供給引き締まりが引き続き警戒されたなどのプラス材料もあったが、LMEニッケルの急騰(10万ドル)からの取引停止騒動や中国の深セン市が感染拡大でロックダウン(都市封鎖)を実施したことを嫌気しDOWN
3月13日時点で3399ドル(セツル)と月初価格から51ドルDOWNの前半締めとなった。
後半はロシアとウクライナの停戦合意期待の高まりと、ロシアによる 兵力縮小の発表などのマイナス材料あったがウクライナへの軍事侵攻を受けてロシアに対する経済制裁が科されているが、これに伴う供給引き締まりに対する警戒感の強まりなどを好感しUP
3月末日 現在、後半スタート価格から589.5ドルUPの3508ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
116.28 → 123.39(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると2月の自動車生産台数は前年比-1.6%の65万6195台
輸出は前年同月比8.4%減の29万320台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると3月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-14.8%の32万7293台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
2月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比6.3%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比6.4%の増加となった。
新設住宅着工戸数は 64,614 戸。
・前年同月比 6.3%増, 12か月連続の増加。
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
輸出
財務省貿易統計
新地金 -33.8%の119t
2次合金 -58.8%の1268t
スクラップ +24.8%の2万5246t
アルミ缶 -38% 5971t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -9.8%10万1062t
二次合金 -8.8%の8万3540t
スクラップ -4.7%の452t
合金スクラップ +33.8%の6397t。
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +2.9% 14万8872t 4カ月連続プラス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -11.7% 5万7873t 6カ月連続マイナス
出荷は -10.5% 5万8212t 6か月連続マイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると2月の自動車生産台数は前年比-1.6%の65万6195台
輸出は前年同月比8.4%減の29万320台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると3月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-14.8%の32万7293台
内 乗用車 -13.6%
貨物 -21.7%
バス -34.9%
【住宅着工戸数】
2月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比6.3%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比6.4%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 64,614 戸。
・前年同月比 6.3%増, 12か月連続の増加。
○新設住宅着工床面積は 5,282千㎡。
・前年同月比 4.7%増, 11か月連続の増加。
○季節調整済年率換算値では 872千戸。
・前月比 6.4%増, 4か月ぶりの増加。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +2.9% 14万8872t 4カ月連続プラス
板 類 9万4450t +5.1% 4か月連続プラス
押出類 5万4422t -0.7% 2か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -11.7% 5万7873t 6カ月連続マイナス
出荷は -10.5% 5万8212t 6か月連続マイナス
【輸出】
新地金 -33.8%の119t
2次合金 -58.8%の1268t
スクラップ +24.8%の2万5246t
アルミ缶 -38% 5971t
【輸入】
新地金 -9.8%10万1062t
二次合金 -8.8%の8万3540t
スクラップ -4.7%の452t
合金スクラップ +33.8%の6397t。
【見通し】
【自動車】
2月の自動車生産が-1.6%。1月国内販売台数が前年比-14.9%
5カ月連続生産、販売共に大幅減少! 露ウクライナ情勢や半導体以外の中国からの部品供給の遅れからとの事増加はしばらく見込めず 減少幅に注視
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +2.9% 14万8872t 4カ月連続プラス
コロナによる巣篭り需要で今後もプラスが続くかの動向に注視
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -11.7% 5万7873t 6カ月連続マイナス
出荷は -10.5% 5万8212t 6か月連続マイナス
昨年から引き続く半導体など部材不足による自動車の減産に伴って国内のアルミ二次合金需要も減退している。生産のマイナスは6か月連続。
・アルミ輸出は自動車生産の減少や円安を受けてスクラップが増加
・アルミ輸入は自動車生産減の中 バックオーダー向けの生産から合金スクラップが増加
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は露ウ情勢の停戦期待=アルミの供給緩和観測を受けてLME価格が4000-3500ドルと下落したが自動車生産から売りにくく さりとて入荷も少なそう。
需要面に関しては露ウ情勢や上海のロックダウンによるサプライチェーン問題から自動車向けスクラップはやや売りずらそう。上物に関しては巣篭り需要からの住宅、家電etcが堅調なことから引き続き引き締り気味
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
① ロシア ウクライナ情勢
② コロナ感染拡大の動向
① に関しては
露の思惑とは裏腹にウクライナ侵攻の終わりが見えないことから一部報道によれば戦費等々の問題も含めて露が5月中に一方的に勝利宣言をする可能性が高いとのこと。
その他 NATOと露の問題(エネルギー危機や経済制裁解除)なども含めて4月中には5月の停戦に向けた交渉が進展するのではないか(二転三転するだろうが)
② に関しては
上海でコロナ感染拡大を受けて3月28日からロックダウンを続けてきたが治まるどころか感染者数が倍の8226人になった事から5日までの期間を延長することに決まったことから
少なくとも4月中はロックダウンによる経済停滞は避けられないのではないか
これらを踏まえた3月のアルミ価格は 3300―3900ドル(セツル)との予想。
ドル円値は118円~125円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては +10~20円程度と予想している。
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