三菱マテリアル・VOLTA リチウムイオン電池のリサイクル技術で協業
三菱マテリアル株式会社(本社東京 小野直樹社長)と株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社静岡 佐野富和社長)のグループ会社である株式会社VOLTA(本社静岡 今井健太社長)は12月2日、リチウムイオン電池(LIB)リサイクルの事業化を前提とした、湿式製錬技術の開発に着手した。具体的には、LIBのリサイクル工程で製造されるブラックマスを湿式設備で処理し、リチウム、コバルト、ニッケルなどを回収・精製する。
共同開発では、これまで両社で培ってきた知見と湿式製錬技術を融合することで、LIBの処理から材料供給までを含めた「電池to電池」によるリサイクルシステムの構築を目指す。
代表者コメント
株式会社エンビプロ・ホールディングス 代表取締役社長 佐野富和
「リチウムイオン電池のリサイクル分野は中国や韓国が先行していち早く事業化し、年々その規模を拡大しつつあります。 一方日本ではLIBリサイクルの一次加工にあたるブラックマス製造を担う会社は複数あるものの、次の工程である製錬分野で事業化している会社はまだありません。
三菱マテリアル社との今回の共同開発契約は、LIB to LIBのクローズドループ実現を目的にしており、資源安全保障の観点からも国益にかなう取り組みです。 当社はリサイクル業界で70年余に渡り生業を営んできました。私はこの際、これまで培ってきたリサイクル技術やノウハウを惜しみなく提供して本プロジェクトを必ずや成功裡に導く覚悟です」。
三菱マテリアル株式会社 執行役常務 髙柳喜弘
「当社はこれまでも、銅製錬所におけるシュレッダーダストやE-Scrapの 処理、家電リサイクル工場への出資をはじめとして、各事業分野においてリサイクルを積極的に推進してまいりました。
このたびエンビプロ・ホールディングス社とともに、湿式製錬によるリチウムイオン電池のブラックマスからのレアメタル回収という新たなリサイクルの事業化に向けて共同開発することとなりました。 当社がこれまで培ってきた製錬技術を最大限に活かして本プロジェクトを成功させ、早期の事業化を目指すとともに、リチウムイオン電池材料の安定供給とそのリサイクルシステムの構築に貢献していきます」。
(IRUNIVERSE ISHIKAWA)
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