JX金属、タツタ電線株式に対する公開買付けを開始予定
JX金属株式会社(代表取締役社長:村山 誠一)は、本日開催の当社取締役会において、完全子会社化を目的として、タツタ電線株式会社(代表取締役社長:山田宏也、以下「タツタ電線」)の普通株式を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得することを決議した。各国競争法上のクリアランス取得等の所定の条件が充足され次第、本件公開買付けを開始する予定だが、スケジュールの詳細については決定次第速やかに告知するという。
同社は、2019年に公表した「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身を基本方針として掲げており、先端素材分野を中心とした成長戦略のコアとなる「フォーカス事業」のさらなる発展と、組織基盤を支えるための「ベース事業」の両立により、国際競争の中にあっても持続的成長と高収益体質を実現し、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に貢献するべく、積極的に取り組んでいる。
一方でタツタ電線は、祖業である電線・ケーブル分野における国内市場の停滞、同分野における価格競争等を背景に、事業ポートフォリオ変革が急務との認識の下、機能性フィルム等の電子材料事業を強化している。また「2025長期ビジョン」では、電線・電子材料関連のフロンティアを開拓し、独創的な先端部品・素材を供給するニッチトップのサプライヤーとなることを目指すとしており、市場拡大が期待される領域への投資をはじめとした各種取り組みを積極的に推進している。
こうした両社のビジョンおよび取り組みは、方向性を同じくする。
既に同社は、2018年に当時のJXTGホールディングス株式会社(現ENEOSホールディングス株式会社)が保有していたタツタ電線株式32.41%を取得し、以降主に先端素材分野における新規事業創出に向けて技術面を中心とした連携を行ってきたが、この先両社がさらなるシナジーを創出していくためには、直接的な資本関係をより強化することが望ましいという判断に至った。同件公開買付け及びその後予定しているスクイーズアウト手続(以下「本件取引」)でタツタ電線を当社の100%子会社とすることにより、両社の経営資源の効率的活用、重要技術における更なる連携、タツタ電線の電子材料分野における事業競争力の更なる強化、タツタ電線の電線・ケーブル事業および同社金属・リサイクル事業の事業基盤の強化などが可能となり、両社のさらなる成長、ビジョンの実現につながるものと考えられる。
なお、本件取引に際し、当社は、タツタ電線に対し、雇用やサプライチェーンの維持に関する方針を表明している。
(出典:JX金属)
(IR universe rr)
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