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エマルションフローテクノロジーズ LIBリサイクル実現に向けRSCMの知見持つリーテックと協業

 ㈱エマルションフローテクノロジーズ(ETF 本社茨城県 鈴木裕士社長)とリーテック㈱(本社東京 小森田司社長)は1月11日、リチウムイオン電池(LIB)リサイクルの協業に向けたMoU(基本合意書)を締結した。

 

 EFTは、(国研)日本原子力研究開発機構が開発した互いに交じり合わない液相間における物質分配により目的成分のみを選択的に抽出する溶媒抽出技術「エマルションフロー法」を活用した事業を展開するベンチャー企業として2021年に設立された。

 

 同技術は、従来の溶媒抽出技術であるミキサーセトラーに必要な静置部(セトラー部)を必要としないため、従来技術の10倍以上の生産能力、従来比10分の1以下のダウンサイズを実現した。

 また、連続処理が可能な多段エマルションフローを用いれば、99.99%以上の高純度化が実現し、従来技術のミキサーセトラーと比較して低コストで高効率にレアメタルの高純度精製が可能になるとされている。

 

エマルションフローとミキサーセトラーを使用した溶媒抽出技術の比較

 

  一方、リーテックは、2000年に香港で創業したリサイクルビジネスを主業務するリートングループ (本社米国)の日本法人として2012年に設立。リートングループは、不要となった電子機器を国際基準に沿って、回収、検査、データ消去、修理、再生するリバースサプライチェーンマネージメント(RSCM)サービス事業を世界30以上の拠点で展開する一方で、リーテックは、相模センターや尼崎流通センターなどの6拠点で、電子機器のリサイクル事業を行っている。

 

 その中で近年は、リートングループが保有するブラックマス生産技術を活用してLIBリサイクル事業に参入し、年間数1,000トン規模のクローズドループバッテリーリサイクル施設を米国ダラスに構え、その拠点を欧州にも拡げていた。

 

リバースサプライチェーンマネージメント(RSCM)サービスの概要

 

 

 今回の協業にあたっては、リーテックの持つグローバルネットワークを活用して、情報通信機器や電気自動車から排出される廃LIBを中国や韓国、台灣、マレーシア、ベトナム、インド、ドバイなどのアジア・中東地域から回収して日本で集積。集められた廃LIBを日本国内の設備で乾式処理してブラックマスを生産する。

 その後、EFTのエマルションフロー技術により、コバルトやニッケル、リチウムといったレアメタルを低コストかつ高純度で回収して再資源化し、再びLIBに利用する「水平リサイクル」の実現を目指す。

 

 今後については、2023年3月末までに事業化に向けた実施体制や事業モデル、事業計画などを策定し、2023年度以降に具体的な協業を開始する計画を立てている。

 

(IRUNIVERSE ISHIKAWA)

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