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BatterySummit2023 at Hilton TOKYO 講演会速報(吉野彰氏 甘利明氏ご挨拶)

 1月30日と1月31日の2日間、東京都新宿区のホテルであるヒルトン東京にてIRuniverse株式会社主催による「BatterySummit2023 at Hilton TOKYO」が開催された。
今回の記事では開会の挨拶とスピーチについて紹介する。

 

 1月30日のレセプションもたけなわに、1月31日の開会の挨拶では最初に主催者であるIRuniverse株式会社代表取締役の棚町が挨拶を行った。
去年以上に多くの国々から参加者が来る事を喜びながら、1月30日が講演される吉野 彰氏の誕生日であり、そして31日が同じく講演されるマクセルの片山 秀昭氏の誕生日であった事も一同に改めて伝えた。バッテリーサミットを1月末に開催しているのは、基本的に吉野先生のバースデーに合わせていることも明かした。
 今日のイベントがバッテリー界隈に関わる参加者の発展に関わる様祈念し、挨拶を終えた。

 


ご挨拶 旭化成株式会社 名誉フェロー 吉野 彰氏

 

 来賓の挨拶の最初は旭化成株式会社 名誉フェローの吉野 彰氏が務める事となった。
2019年にノーベル賞を受賞した際に、何故リチウムイオン電池が対象となったのかの理由を軸に説明が行われた。
理由の1つ目はこのモバイルIT社会の実現に対してリチウムイオン電池が大きく貢献をしたからであるとの事であり、2つ目はこれから訪れるサスティナブルな社会実現の足がかりとなるからであるとの事である。

 サスティナブルな社会を実現する為のリチウムイオン電池の役割だが、直近では車のEV化がその成果として現れている。しかし決してこれだけがサスティナブルな社会という物の鍵でもなければ、新しい社会を築く面白さではない。
全世界で排出されるCO2の内、自動車から排出されるCO2は総排出量の14%に過ぎない。それ以上に大きな消費量を占めるのが発電所であり、その総排出量は35%である。
 リチウムイオン電池が本当の意味でサスティナブルな社会に貢献するとしたら、自動車を電動化して発電所から出てくるCO2を減らす要素を実現させなくてはならないのである。

 

 自動車のEV化が発電所のCO2を減らす理由として、電力需給ピークの変化の話を取り上げた。
 過去には昼間に電力の消費ピークがあり、夜に余る状況であった。だが現在ではそれが逆転している状況である。
 それは太陽光発電の普及の影響によるものであり、以前政府が節電要請を出した時間帯は太陽光発電の効力が落ちる日没の時間帯が懸念材料となる為通達したのである。それだけ太陽光発電の影響が出てきているのだ。

 その為昼間に余る電気を有効利用しなければならないとなれば、今後蓄電池が必要となる状況である。しかし再生可能エネルギーに対するコストが現状ギリギリの状況である為、建設費用に対する助成は行えないというデッドロックに陥っている。
 そうなれば既存のインフラで有効に電力を活用しなければならない。
 そこで電気自動車に搭載されたバッテリーが、過剰に供給される電力に対する蓄電池としての機能を果たす事になる。
 電気自動車が年間100万台を販売する時代になれば、リチウムイオン電池がサスティナブルな社会を築く礎になるという。

 

 そして現在GX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)が話題となっているが、吉野氏はそこに3つ目の「MX(モビリティトランスフォーメーション)」が必要となると語る。
 2050年頃にサスティナブルな社会を実現させるにあたって、先述の3種をミックスさせて議論する必要があると締めくくり挨拶を終えられた。


ご挨拶 衆議院議員 甘利 明氏 自由民主党「未来社会を創出する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟」 会長

 

 二人目の来賓の挨拶は衆議院議員 自由民主党「未来社会を創出する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟」 会長の甘利 明氏が務められた。

 日本では「あきら」という名前は聡明な人間が多いというジョークで場を和ませた後、日本の2つのお家芸について説明を行った。

 

 お家芸とされる1つ目の要素は「モノ作り」である。
Rapidus株式会社がIBMと提携をした出来事や、これから今後世界のトップレベルの大学を国内に集わせる「和製シリコンバレー」の様な政策を行うにあたっての精神的な起爆剤として、日本のモノ作りに対するハイレベルさは十全な魅力を持つとの事だ。

 

 もう一つのお家芸は「技術で勝って、ビジネスで負ける」という負の要素であるという。
リチウムイオン電池の発明が行われたものの、日本は現在先頭集団ではなく列後となってしまっている。
 その為技術で勝ち、なおかつビジネスで勝つ事を地震の役割としている。
DX社会はGX社会でもあるが、この社会を支える2つの大きな柱が半導体と進化したバッテリーである。
 半導体もバッテリーも政府はかなり本腰を入れている。

 

 令和4年度の12月に成立した補正予算では、研究開発や設備投資補助として3300億円を計上している。
 更に鉱山開発等の補助として1700億円を追加し、総額は5000億円となっている。

 

 日本の技術の優位性はバッテリーの性能にあるとも語る。
 バッテリーの性能は大電力を瞬時に溜め、かつ決められた出力で長時間出していくのが利用とされる。
 しかしその特性上、瞬時に入れれば大量に抜けてしまう。これを瞬時に入れたものを長時間安定的に出し続ける、このパワーデバイス(電力制御を行う電力用半導体素子)周辺の半導体技術が必要となる。
 バッテリーと半導体技術はパートナーを組んで歩む必要がある。

 

 日本の二次電池事情は、リチウムイオン電池開発後に一気に全固体電池に進もうとした。しかしその性能が高まるにつれ、リチウムイオン電池が社会で利用される期間が思ったよりも長く続いてしまった。
 そのためリチウムイオン電池の品質でしっかりと地固めをしてから、次の技術である全固体電池へ投資していく必要があると語る。

 

 リチウムイオン電池の品質については日本は非常に高い品質を誇っている。
 その証左としてリチウムイオン電池の発火による自動車事故は国内で起きていないとの事であり、逆に海外ではリチウムイオン電池の発火による事故は発生している。
 世界ナンバーワンの安全を誇る日本のリチウムイオン電池の技術の高さが伺えるし、企業は相当な自信を持って製品を提供している。

 

 その先にある技術として挙げられたのが、空気中の酸素を活用する空気電池である。その空気電池の開発に至るまでのタイムラインをいかに組んでいくのかが政治家の仕事だという。
 とはいえ空気電池が発明されても、飛行機は長距離を飛ぶ事は現状困難である。こちらに対しては環境負荷が少ない燃料などのアプローチから攻めていく必要がある。

 

 電力の需給バランスや、DX化による高い電力需要を抑える為に低電力消費の半導体開発に着手するといった整合性をとる事で、DXやGXを軸とする新しい社会が実現される。
 政治家として技術のバランスを取る責任を旨に歩んでいきたいと語り、挨拶を終えた。

 

 以上が来賓2名の挨拶となる。


甘利 明氏(左)吉野 彰氏(右) 記念撮影

 

 

 

(IRuniverse ICHIMURA)

 

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