エンビプロHD 2023年6月期 第2四半期決算短信公表
2023年6月期 第2四半期決算に関する定性的情報
経営成績に関する説明
2023年6月期 第2四半期連結累計期間における同グループの事業領域では、中国の景気減速に加えて、欧州のエネルギー危機やサプライチェーン混乱の長期化等により世界の粗鋼生産量は前年同期を下回った。このような状況において、鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、同期首から下落傾向で推移した。8月後半からは荷動きの悪さによる需給の引き締まりや、急激な円安の進展により価格は上昇。その後は様々な要因により上昇と下降を繰り返す展開が続いており、同第2四半期連結会計期間末では1トン当たり49,000円となった。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の鉄スクラップ平均価格は47,315円と、前年同期の52,266円を下回った。
一方、リチウムイオン電池の主原料であるコバルト、ニッケル、銅の平均価格については、需給の引き締まりや、円安の影響により、いずれも前年同期を上回った。
このような環境の中で、2023年6月期 第2四半期連結累計期間においては「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、「サーキュラーエコノミーの具体的事例の実現」を戦略コンセプトに事業を推進した。加えて、今後の成長を根底から支えるための企業理念共有レベルの向上、攻めの姿勢を貫くための環境整備や安全管理、及び人的資本への積極的投資等による内部体制強化の取り組みを進めてきた。以上の結果、売上高は23,582百万円(前年同期比13.4%減)、営業利益は870百万円(前年同期比41.8%減)、経常利益は1,014百万円(前年同期比42.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は709百万円(前年同期比44.1%減)となった。
業績予想及び配当予想修正
同社は、2022 年8月 10 日に公表した 2023 年6月期(2022 年7月1日~2023 年6月 30 日)の業績予想及び配当予想を修正することとした。
(2)修正の理由
中国の景気減速に加えて、欧州のエネルギー危機やサプライチェーン混乱の長期化等により、依然として先行きが不透明な状況が継続している。一方で、世界的な脱炭素の動きを背景に金属スクラップ等のリサイクル原料を活用することへの評価が高まっている。
このような環境下において、前回予想の前提条件を資源価格は概ね上回って推移している。しかしながら、足元では製造業等に回復の兆しはあるものの、廃自動車等の金属スクラップの発生量は依然として少なく、また、海外の景気減速懸念による金属スクラップの輸出の弱さから取扱量は減少する見込み。これらのことから、売上高については前回予想を下回る見込み。
営業利益につきましては、取扱量の減少に加え、想定を上回るエネルギー価格等の高騰により、前回予想を下回る見込み。経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前述に加え、同第2四半期会計期間後半の急激な円高による為替差損の発生等により、前回予想を下回る見込み。
(注)上記業績予想数値は、本資料発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後の様々な要因によって予想数値と異なる可能性がある。
(2)修正の理由
同社は、株主に対する利益還元を重要課題の一つとして認識し、業績に応じた利益配分、経営基盤強化のための内部留保等を総合的に勘案しながら、長期的な視野に立ち、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを基本方針としています。業績連動利益配分の指標として連結配当性向 20~30%を目標として実施してまいります。また上記の連結配当性向に基づく配当金が年間5円を下回る場合にも、年間5円の安定配当を目指す所存です。
この方針のもと、2023 年6月期の1株当たりの期末配当金については、2022 年8月 10日に公表した株式1株当たり 20 円より 6 円減配し、株式1株当たり 14 円を予定している。また、本件については、2023 年9月開催予定の定時株主総会に付議予定となる。
日東化工株式会社(証券コード 5104)に対する公開買付けの開始
株式会社エンビプロ・ホールディングス(以下「公開買付者」)は、本日、日東化工株式会社(株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」)スタンダード市場、コード番号:5104、以下「対象者」)の普通株式(以下「対象者株式」)を金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を含む。以下「法」)による公開買付け(以下「本公開買付け」)により取得することを決議した。
(IR universe rr)
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