加ネオ・バッテリーLiBシリコンカソードにナノリアルのCNT技術融合
カナダ・バンクーバーを拠点とするネオ・バッテリー・マテリアル社(NEO Battery Materials Ltd.)はLiBバッテリーの黒鉛に代わる安価なシリコンカソード材料を北米で供給する事を目指して開発を行っている。
ネオ・バッテリー社は2月13日カナダ・オンタリオ州に拠点を有するナノリアル・テクノロジー社(NanoRial Technologies Ltd.)との間で、ネオ・バッテリー社が目指すシリコンカソードの改善に関して非独占的な開発契約を締結したと発表した。
ナノリアル・テクノロジー社はカーボン・ナノ・テューブ(CNT)をリチウムイオン電池へ均質に分散する固有技術を保有し、リチウムイオンバッテリーの電導性の改善やバッテリー容量の増加などに寄与するとしている。この技術をネオ・バッテリー社が開発中のシリコンカソード技術との融合を図る事で、両社は同意した。
ネオ・バッテリー社は、ナノリアル・テクノロジー社との技術開発の提携により、カナダ・オンタリオ州が推進するカナダ次世代製造プロジェクト(NGen Manufacturing Canada)から今回の開発に関して直接投資をカナダ政府のイノベーション・科学・経済開発省the department of Innovation, Science and Economic Development (ISED)を通じて支援を受ける事を目指してしる。
ネオ・バッテリー社の社長兼CEO Spencer Huh氏は、ナノリアル・テクノロジーとの共同技術開発で多くの共同開発が行われている中でも、両社は今年中に成果を挙げられると期待していると語った。ネオ・バッテリー社のシリコンカソードNBMSiDE™とナノリアル・テクノロジー社のCNT技術が統合される事で、世界中のサプライチェーンで求められているカソード性能の要求条件を満たす事を期待している。また成長する北米のバッテリー産業へもLiB用シリコンカソード供給者として働きかけたいとしている。
ナノリアル・テクノロジー社CEOのChitral Angammana博士は、CNT製品の中でCNTが最大の効果を発揮し、問題を解決する産業の一つにCNT製品を提供する事となり、ナノリアル・テクノロジー社はネオ・バッテリー社との共同技術開発が可能となる事に興奮していると語った。ナノリアル・テクノロジー社は現在バッテリー産業の世界中の多国籍企業と関係を保ち、同社のCNT技術でリチウムイオンバッテリーの①電気伝導性、②エネルギー密度、③寿命の改善のに寄与するとしている。
日本でも既にCNTをリチウムイオンバッテリーに採用した情報が、ホンダがFiレース用車へ搭載した事や、東洋インキがCNTの大増産を計画しているニュースもMIRUで掲載している。しかしシリコンカソードにCNT技術を統合しようと開発している情報は斬新なアイデアである。CNT技術が世界のLiBの技術に貢献する事が大いに期待される。
(関連記事)東洋インキLiBバッテリー正極・導電助材CNTの機能と存在感
(IRUNIVERSE Katagiri)
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