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東洋インキLiBバッテリー正極・導電助材CNTの機能と存在感

 2月12日の日経新聞の一面に東洋インキSCホールディング㈱(東洋インキ)がLiBバッテリーの正極材の導電助材製造を急拡大するという記事が掲載された。既に中国広東省と米国でLiB正極材に導電助材としてカーボンナノテューブ(CNT)が使用されバッテリー容量を一割程度向上させる効果があると同社は主張している。

 

 

 カーボンナノテューブCNTはその特異な性状で開発されて注目されたてから相当の時間を経過したが、CNTは均質に混錬する生産現場で飛散して人体へ吸入した場合の肺などの安全性など、作業現場での影響などの懸念があった。

 

 しかし東洋インキは既に中国広州省でCNTの生産を開始していた。同時に米国でもCNTを生産していた事が判明した。

 

 

 また2月11日の朝日新聞の週末版beのトップ記事にホンダ・レーシングのチーフエンジニアの福島忠広氏が新型バッテリーでフォームミュラー1のレースで1980年代以来の世界一を2021年に奪還したとの記事が掲載されていた。

 

 その記事の中にCNTをバッテリーで使用してバッテリー効率を著しく向上した事が、F1世界一に繋がったと書かれていた。

 

 東京インキのCNT拡大の話に戻すと、同社は中国のCNT生産量を2026年までに2020年比で何と10倍まで拡大すると、日経新聞は伝えた。更に米国でも現在の生産量を2027年までに4倍に増やす事や、米国ケンタッキー州で第二工場の建設も発表している。

 

 インキの原料には従来黒鉛は黒色材料として使用されてきたと思われる。黒鉛は鉛筆の材料として知られている。黒色材料にはカーボンブラックなども使用されており、東洋インキはCNTの原料製造に関するノウハウを蓄積してきたと思われる。

 

 バッテリーの容積当たりの電気容量が10%増加する意味は、世界中のバッテリー生産の効率を10%改善する事を意味する。バッテリーメタルの不足を懸念されている世界の資源産業の負担が10%改善される意義は、計り知れない経済社会への効果となると思われる。その意味で東洋インキが10倍のCNT生産拡大を行うと言う記事の意味は深い。

 

 2024年1月1日より東洋インキは、新たな時代へ対応する事業を目指してartience 株式会社 (読み方:アーティエンス)へ商号変更すると発表している。

 Artとscienceを組み合わせた造語だと説明している。インキ製造会社がLiB分野へ大きく事業を展開すると社会へその企業理念の変更を伝えようとしているかも知れない。

 

 

(IRUNIVERSE Katagiri)

 

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