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楽しみながら海洋プラスチックごみをアップサイクルすることによる地域創成

 大手企業を若くして退社独立して、福井県でものづくりのスタートアップ会社で活動している黒田悠生氏の活動を紹介したい。

 海洋ゴミの新たな付加価値を創造し、地域の新しいビジネスを作る活動は応援したい。

 ㈱ソリッドラボは、ストーリー×リサイクルを実現することで海洋プラスチック問題の解決を目指す新しい企業だ。地域社会課題の解決とモノづくりの楽しさを両立させた、新たな循環の仕組みをご紹介する。

 

 2021年末に地元福井のプラスチックの成形メーカーを退職した黒田悠生(代表取締役)が㈱ソリッドラボ(以下、ソリッドラボ)を創業。福井県福井市に本社を置き、子どもをはじめとした地域コミュニティに対して、ものづくりの楽しさや学びを広める、地元密着型の事業を展開している。

 

 ソリッドラボでは、大きく2つの事業を展開しており、1つは海洋プラスチックをはじめとするプラスチックリサイクル事業。もう1つはモノづくり体験やモノづくりを通じた交流の場の提供だ。

 

 海洋プラスチックに関しては、福井県には多くの海洋プラスチックが漂着する。近年、ビーチクリーン活動が普及する中で、海洋ゴミが集められることも増えた。

 しかし、ゴミ問題の解決のためには、ビーチクリーンで集められたごみを適切に処理するところまで実行されなければならない。

 福井県では、こうして集められた海洋プラスチックゴミの処理費用は年間7,000万円にも上る。

 漂着する海洋プラスチックゴミのほとんどは産業廃棄物として埋め立て処理されており、その処理費用は自治体が負担することが多い。しかし、一部の自治体では、十分に予算を確保できず、処理が追い付かないという現状がある。

 

 そこで、ソリッドラボでは、集められた海洋プラスチックゴミを価値あるものとして生まれ変わらせ、埋め立て処分量・費用を削減することで、地域に好循環を生み出そうとしている。

 具体的には、漂着した海洋プラスチックを洗浄し、材質ごとに選別したのち、色ごとにも選別。その後、地元の鉄工所と共に開発した小型粉砕機・射出成形機・金型を用いて、細かく粉砕した後、タイルやビーズ、カラビナ、ホイッスルなどさまざまな製品を成形し、販売している。

 このように、ソリッドラボでは、ビーチクリーン団体が回収した海洋プラスチックゴミを素材として、ソリッドラボで有効活用し製品製造・販売することで、経済合理性を出しつつ、結果的に埋め立て処理量を抑制する方法を目指している。

 

 こうした活動は、直接的なごみ処理コストの低減だけでなく、ビーチクリーン活動の新たな価値提供になると同時に、生活者の意識を変革するきっかけとなる。

 これまではビーチクリーンで回収して終わりだった活動が、「自分が集めたごみが新たな製品に生まれ変わる」というストーリーが新たな楽しさや感動を産む。

 また、こうした活動が「海ごみ=やっかいもの」というマイナスのイメージから「海ごみ=資源」というプラスのイメージに好転し、環境問題を難解なモノではなく、楽しみながら解決するモノへ、思考の転換のキッカケになると考えている。

 

 ソリッドラボで提供するもう1つの事業として、利用者が好きなものを作り、交流できるものづくり工房トンカンテラスを運営している。3Dプリンターやレーザーカッター、木工道具などを使い、モノづくりの楽しさを学べる場を提供している。

 こうした活動を通じて、環境問題に対する理解やモノづくりを楽しむことを老若男女問わず多くの方へ届けるために、県内外のさまざまなイベントにて出張実演や、海ごみ授業などに出向いている。

 その中で、地元行政や、大学、環境団体、地元企業、県外企業などとからも様々な協力をしてもらえるようになった。

 

 「福井の製造業全体を盛り上げる」をミッションとする、ソリッドラボの挑戦は今始まったばかりである。

 

ソリッドラボおよびトンカンテラス問い合わせ先

info@tonkanterrace.com

黒田 050-8883-9252 まで

 

 

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<プロフィール>

増田信次

・サステイナブルマテリアルクリエイター

・SDGsビジネスマスター

・先端材料技術協会常務理事

・全日本科学技術協会客員研究員

・リサイクル炭素繊維、バイオコンポジット専門家

 

●連絡先

masuda@econologybrain.com

●instagram

https://instagram.com/econologybrain

 

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