JX金属 完全子会社JX金属ファウンドリーを統合
JX金属株式会社(社長:村山誠一)は、2023年4月1日を期日として、同社の完全子会社であるJX金属ファウンドリー株式会社(社長:渡部喜克、以下「JXF社」)を吸収合併することを決定した。
JXF社は茨城県内に所在する同社の磯原工場および日立事業所銅箔製造部の製造工程等受託請負業を営んでいる。両工場で生産されるスパッタリングターゲットや圧延銅箔などの先端素材は、今後もより一層の需要拡大が見込まれる。同社ではこれに対応すべく、茨城県日立市で2つの工場の新設を進めているほか、茨城県ひたちなか市内での大規模新工場の建設を開始している(※1)。
合併により、同社とJXF社の製造ノウハウを一体化するとともに、先端素材の製造現場を支える人材の育成・強化を推進する。これにより高品質な製品の長期的・安定的な生産・供給を実現し、需要の拡大に応えていく。
(※1)詳細は2021年12月 8日プレスリリース「半導体用スパッタリングターゲットと圧延銅箔の更なる能力増強を決定―茨城県日立市内に2つの工場を新設―」および2022年3月16日プレスリリース「茨城県ひたちなか市に新工場建設のための大規模用地を取得―先端素材分野を中心とした新たな主要拠点へ―」を参照。
同社フォーカス事業におけるポートフォリオ見直し
(フラットパネルディスプレイ用スパッタリングターゲットの製造・販売終了)
JX金属株式会社(社長:村山誠一)は、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」で成長戦略のコアと位置付けるフォーカス事業※1の強化の一環で、フラットパネルディスプレイ用スパッタリングターゲットの汎用製品の製造・販売を終了することとした。
同社では1985年に主に大型のフラットパネルディスプレイの透明導電膜形成材料として用いられるITO※2スパッタリングターゲットの磯原工場での生産を開始した。以後30年以上にわたり、フォーカス事業の主力製品のひとつとして、国内外多くの顧客に同製品を供給していたが、近年は需給環境の構造的な悪化が継続していた。このような中、半導体分野などのより付加価値の高い製品を多数抱える同社フォーカス事業全体の競争力を更に強化するためには、今般のポートフォリオ見直しが最適であるとの判断に至った。
製造を終了する製品についてはユーザーに個別に説明の上、2024年9月末を目途に販売を終了する予定。なお汎用製品の製造・販売は終了するが、今後は、長年の事業活動を通じ培った技術を活用し、品質による差別化が可能な高付加価値製品の開発により注力をしていく。
※1技術による差別化によりグローバル競争で優位に立てる事業群。スパッタリングターゲットや化合物半導体ウエハーなどを取り扱う薄膜材料事業、圧延銅箔や高機能銅合金条を取り扱う機能材料事業、タンタルやニオブの粉末・酸化物・塩化物を取り扱うタンタル・ニオブ事業などからなる。
※2Indium Tin Oxide(酸化インジウムスズ)の略。薄膜化すると透明で電気を通す特徴がある。
(IR universe rr)
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