CDRM 中古スマフォ再生の自動化、AIの画像認識技術も組込み可能
デジタル機器のBPO事業を手掛ける株式会社CDRエコムーブメント(本社:東京都港区、代表取締役会長CEO:近藤憲)は、中古スマートフォンの再生、商品化業務を、ロボットで行う完全自動化装置、AI画像認識技術による自動グレーディングシステムの『C-DreAm(シードリーム)』シリーズを開発し、2023年8月より販売する。
同サービスでは、これまでスマートフォン、PC、サーバーなど多くのIT機器全般の残存するデータの完全な消去、検査、キッティングサービスなど、顧客の要望に合わせた総合的なソリューションを提供してきた。
その中でも特に需要が高まっている中古スマートフォン市場において、顧客への安定したサービスを供給するため、これまでの再生化ノウハウを取り入れたCDRエコムーブメント独自のシステム(C-DreAm)を開発し、データ消去、機能・外観検査、グレーディング工程の完全自動化装置を販売する。
近年、多様化する顧客のニーズの変化に合わせ、様々な機能が備わった高機能スマートフォンが発売されている。その一方で、中古スマートフォン再生化作業では、検査項目が増加、複雑化しており、人手による検査では作業品質にバラつきが発生し、大きな課題となっていた。
『C-DreAm』では、人手による作業をうまく吸収し、今後の新しい検査要求にも柔軟に対応できるよう工夫を重ね、完全自動化に成功した。また、スマートフォンのOSや大きさ、形状が異なる端末でも対応可能とし、顧客のニーズに応じて検査項目のカスタマイズが可能。処理性能は1日22時間稼働で最大880台、外観のグレーディングはAIを組み込んだ当社独自の画像認識技術を採用した。
【各装置の概要】
消去装置
人手の作業と同様に、トレイに並べた端末をC-DreAmに投入、ロボットに取り付けたカメラの画像認識によりトレイの端末との距離を認識、端末を1台ずつ取り出しながら大きさや形状を判断し、iPhone、androidの混流生産を実現している。スマートフォンのコネクタについても形状を自動で認識できるため、将来、端子の形状が変更になっても対応可能。消去は、米国で最高水準の消去レベルをもった、Blancco社のソフトウェア及びApple ConfiguratorによるFactory resetにも対応している。
機能検査
検査専用のアプリケーションをインストールした端末を検査装置に投入し、アプリケーションと装置が通信を行うことで検査を実施。同社基準では25項目に及ぶ検査を自動実行する。画面を指でスクロール、タッチするなど、今までは人手による作業でのみ実行できた指先の動作についてもロボットにて実現しているため、バージョン毎に異なる検査項目にも対応できる。また、検査項目はお客様毎に設定が可能な為、モデル別の検査項目の増減があっても対応できる。
外観検査
目視で確認可能な大きなキズはもちろん、ベテランでも見えづらかった細かいキズ、液晶の奥にあるキズも、高機能カメラにより検出可能。表裏面だけでなく、エッジ部分のキズなども検出し、作業品質のバラつきを排除している。なお、次期バージョンでは4側面、4角の撮像も可能とする為、さらに研究を進めている。また、外観検査にはAIを組み込んだ当社独自の画像認識による自動グレーディングシステムを実現できる。
AI自動グレーディングシステム
AIを組み込んだ当社独自の画像認識よるグレーディングシステムでは、キズや凹みなどをAIにより自動判定し、これまでに難しいとされてきたキズのレベルを自動判定することに成功。判定精度は95%(※)以上に到達している。従来のAIでは、機械学習にキズの撮像データが1万枚以上必要となり、学習時間は2日程度要していたが、今回採用したAIでは100枚程度の撮像データで判定可能なため、学習にかかる時間が大幅に削減されている。 ※同社基準
(IR universe rr)
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