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2023年4月MMTA国際マイナーメタル会議 in USA 続報

 マイナーメタル関連の非営利団体であるMMTA(Minor Metals Trade Association)は2023年4月24日~26日、米ノースカロライナ州で、定例会議である「2023年MMTA国際マイナーメタル会議(MMTA International Minor Metals Conference 2023)」を開催した。先方より同会議の内容の一部について詳細が送られてきたため、追加で紹介したい。

 

(1)「モリブデンマーケットの最新情報、持続可能な世界に向けて」Chris Gnann,(Vice President, Sales & Marketing, Climax Molybdenum)

 世界でもトップクラスのモリブデン採掘量を誇るクリマックス・モリブデン。主に米国に特化したサプライチェーン(供給網)の中で事業展開している。同社はモリブデンについて、主に銅採掘の副産物として抽出される鉱物だと説明。過去数年間に始まった新しい同鉱山には、地域に応じてアフリカのコバルトや南アのモリブデン、金といった副産物があるとも解説した。

 

 同社によれば、近年のモリブデン業界で起きていることは

1)他のエネルギー並みに需要が拡大しているにも関わらず新興企業が不足している

2)インフレによる採掘コストの拡大

3)中国勢の台頭、特にインドネシアでの鉄鋼企業との合弁を通した進出

4)採掘時の環境問題

などがある。

 

 今後はリチウムと並びクリーンエネルギー普及の上で欠かせない資源の1つになるとみる。特に風力や太陽光発電などに欠かせないとした。

 

今後のモリブデン需要(クリマックス・モリブデン作成、MMTA提供)

 

 

(2)「宇宙空間とマイナーメタル コバルト、スカンジウム、チタニウムの挑戦と展望」Nils Backeberg,(Founder & Director, Project Blue, South Africa)

 航空・宇宙空間のサプライチェーンに関するソリューション事業などを手掛けるプロジェクト・ブルー。同社は今回、宇宙事業における鉱物資源の利用について説明した。

 

航空・宇宙産業での鉱物資源使用(プロジェクト・ブルー賛成、MMTA提供)

 今後はバッテリーやモーターだけでなく、空気洗浄の材料としても鉱物資源の利用が見込まれるという。また、リチウムイオン電池はエネルギー密度から見て最高水準にあり、計量が必要な宇宙空間に適した材料の1つであるとも指摘した。

 

今後の航空・宇宙産業での鉱物資源使用(プロジェクト・ブルー作成、MMTA提供)

 

(3)「現代技術の心臓部としてのクリティカルメタル」 Paul Tancell,(Executive Vice President, Performance Materials, 5N Plus, Canada)

 特殊半導体と高性能材料の大手メーカーであるカナダの5Nプラスは、いくつかの鉱物資源の現状を指摘した。

 

 例えば、主に薄膜太陽光発電設備の材料となるテルルの供給量が増えていると話した。5Nブラスによると、テルルの供給量は米国地質調査所(USGS)の推計である年間700トンよりも、400トン~600トン程度多い。このうち20%が在庫になるとしてもテルルの供給は足りており、他の鉱物資源の不足を補うことになるとした。

 

 また、ゲルマニウムは薄膜太陽光発電設備向けの需要が大きく伸びたと指摘。PETや光ファイバー、赤外線レンズ、宇宙用モスリーなどの材料生産のための触媒としても使われる。生産量(年産約140トン)の大部分を中国が占めるが、日本や米国、カナダなどの西側諸国が重要鉱物に分類しており、政治的意図に使われやすいとも話した。

 

関連記事 2023年4月MMTA国際マイナーメタル会議 in USA 概要 | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IRuniverse Kure)

 

 

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