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テセック(6337) 23/3期決算説明会・有報開示メモ   ポジティブ継続

23/3期16.4増収30.9%税引利益増で22年ぶり最高純益、24/3期減益予想も円安で増額へ

株価円(6/10)2676円   時価総額155億円     発行済株5778千株

PER(DO24/3期予:9.4X)PBR(1.16X) 配当(DO予)100円  配当利回り:3.7%

 

要約

・23/3期16.4増収22.0%営利増、30.9%税引利益増で22年ぶり純益最高更新

・24/3期5.2%増収ながら円高、MIX悪化で25%営利減予想も15円円安推移で利益増額へ、

・25./3期はパワー半導体向け伸長で収益上伸、中計営利予想の上振れ期待

 

23/3期16.4増収22.0%営利増、30.9%税引利益増で22年ぶり純益最高更新

 

  半導体用ハンドラ、アナログ半導体やパワー半導体用テスタを主力とする半導体製造装置メーカー。ディスクリート用テスタではトップクラス。23/3期決算は売上高87.43億円(10/25増額修正予想比2.57億円未達、16.4%増)、営業利益21.33億円(同2.37億円未達、22.0%増)、経常利益25.13億円(同3.17億円未達、21.7%増)、税引利益22.55億円(同0.15億円未達、30.9増)となった。増額修正予想に対して未達成だったものの、純益では01/3期の18.23億円を22年ぶりに上回り過去最高純益更新となった。

 

 製品別ではハンドラが売上高46.60億円(17.1%増)、受注41.72億円(29.3%減)、受注残28.53億円(14.6%減)に。売上では海外大手半導体IDM(最大ユーザーはアナログ半導体最大手のTI向け、次いでインフィニオン12.26億円)向けに拡大、マレーシア向けが28.58億円(2.1倍)、米州10.02億円(10.01億円増)。一方中国はサプライチェーン混乱などで4.57億円(65.8%減)、欧州向けは一巡で0.88億円(8.84億円減)に。受注は大口注文の一巡から四半期推移で減少も、受注残高は依然高水準を維持。機種としてはQFN、CSPなどのリードレスデバイスをダイシング後、そのままウェハリング上でテストする主力のフィルムフレームテストハンドラ(MAPハンドラ)が好調。

 

 

 テスタ部門は売上高26.20億円(23.4%増)、受注32.02億円(0.3%減)、受注残28.29億円(25.9%増)に。大半を占めるパワーデバイス用テスタが部材不足で生産が追いつかない状況で、国内パワー半導体メーカー向けが10.25億円(15.4%減)に止まる。中国も同様に部材不足影響で5.16億円(7.5%減)も、米州向けは5.88億円(5.03億円増)とハンドラとのセット販売が大きく寄与し大幅増に。受注の0.3%減は、部材不足影響による一部失注も影響、実際に引合いは旺盛な状況が続いている。

 

 

 パーツは売上高14.62億円(3.8%増)、受注12.10億円(28.8%減)と、22/3期のハンドラの既存顧客の改造用チェンジキットの大量受注の売上が寄与、受注は大型受注の反動減で大幅減となった。

 

 

 利益面では営業利益で3.85億円増となっているが、為替が110.6円から133.6円と円安に推移、輸出比率80%を占める同社は円安メリットが大きく為替効果で10.35億円の寄与、一方、原材料価格高騰影響、MIX悪化で2.52億円、人件費、研究開発費増などの固定費増3.98億円の減益効果があったとした。この状況で、増収効果はハンドラの減退をテスタの伸びでカバーした形で増収効果は相殺されたとみられる。

 

24/3期5.2%増収ながら円高、MIX悪化で25%営利減予想も15円円安推移で利益増額へ、

 

 24/3期会社予想は売上高92億円(5.2%増)ながら、営利16億円(25%減)、経常利益16.4億円(34.8%減)、税引利益11.3億円(19.9%減)予想とした。なお為替前提は1$=125円、1円の円安で営業利益は0.4億円のプラス効果とのことで、24/3期は為替が3.40億円営業利益のマイナス要因となる前提。現状、受注残が60.42億円と豊富にあり、ここに来て部材不足の影響も緩和されり状況で、24/3期は受注残高の消化が進み増収を確保するとした上で、円高想定で減益予想としている。

 

 部門別ではハンドラ50億円(7.3%増)、テスタ28億円(6.9%増)、パーツ14億円(4.2%減)予想。但し、輸出比率がほぼ100%のハンドラは為替前提で15円(12%)円安に推移、売上で6億円程度は上振れとなる見通し。同社ハンドラは先端半導体向けが少ない。現状、リードレス化の進展でMAPシリーズ、新規に加速度センサー、ジャイロセンサー等MEMSデバイスのファイナルテスト用のテストハンドラーも寄与、TIなどの設備投資状況が堅調で数量的にも増加を確保する見通し。またテスタは国内40%と為替影響が多少落ちるものの2億円程度嵩上げが見込める。加えて国内パワー半導体メーカーの設備増設が加速、計画の上乗せが相次いでおり、前期一部失注したとみられるものの、今期は増額が期待される。パーツは85%輸出で1.5億円程度上回るとみられる。

 

 利益面では受注残の消化が進み増収効果で2.4億円のプラスを見込むものの、為替影響で3.4億円、固定費増3億円、部材高、MIX悪化1.33億円の減益影響を加味し5.33億円の営業利益減を想定している。但し、為替は円安方向となっており2.6億円程度のプラス効果、(前提比6億円の利益増額効果)が見込まれ、増収効果もテスタ部門で加わるとみられ会社予想を上回る売上、中計25/3期100億円予想を1年前倒しで達成が見込まれる。営業利益についてはMIX悪化があり中計に達しないものの、微増益を確保、経常利益も為替差益の減少が縮まると見られ減益幅が大幅縮小しよう。なお税引利益は適正税率化で減益幅は縮まるものの30%減程度に止まろう。

 

25/3期はパワー半導体向け伸長で収益上伸、中計営利予想の上振れ期待

 

 25/3期は半導体生産の全体的な回復からハンドラの拡大、稼働率アップによるパーツの増加が見込まれる、またパワー半導体の設備投資拡大加速でテスタ部門の収益拡大が期待される。具体的には3/13に三菱電機が5年間で1300億円投資予定を2600億円に増額、富士電機も6/1に5年間で1900億円を2065億円に165億円増額しSiCパワー半導体を22年度基点に23年度4倍、26年度に50倍を計画。東芝も石川工場で1000億円投資を計画、これに加え4月に太子町でも新棟建設を決めた。またはロームは2025年度までに福岡で1600億を投じ新工場建設、生産能力を6倍にする計画中で、6月に独ヴィテスコテクノロジーズに対しEV向けSiC利用のインバータを2024年~2030年に1300億円供給するパートナーシップ契約を締結するなど、こぞって増産計画の増額が示された。またデンソーも5月に台湾UMC日本拠点の三重工場で300mmウエハを利用した車載IGBT半導体増産を図る計画をアナウンスした。このような国内パワー半導体設備投資が巨額に継続的に行われるため、テスタ事業の拡大が継続しよう。ハンドラもリードレス化の進展、センサデバイス向けなどの拡大で需要拡大維持が見込まれ、IPD(インテリジェントパワーデバイス:保護回路を内蔵したパワー半導体スイッチ)や多数個同時測定を可能とするパラレルテスタも投入見通しで、こちらも多用化で売上拡大を維持しよう。為替前提が現状の推移として、25/3期は数量効果による増収効果が寄与、25/3期中計営利目標25億円を上回ってこよう。

 

 株価は24/3期会社予想EPS202.4円に対しPER13.2倍はスタンダード機械PER14.9倍に対し割安感はさほどない。しかし為替が想定以上に円安に振れており、増額修正が見込まれる他、半導体関連でも好調続くパワー半導体関連でも有り、来期収益上伸期待から、ポジティブ継続と考える。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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