6月のアルミ概況および7月の見通し橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い1900-2200ドル ↓
スクラップ 0円(前月最終価格より) 据え置き
為替 140-145円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半は連邦政府の債務上限を停止する法案を可決したこと、ニューヨーク連銀の5月の消費者調査における1年先の期待インフレ率は4.1%と、約2年ぶりの低水準だったなどのプラス材料もあったが、カナダ銀行(中央銀行)が利上げを再開すると発表し、米国でも金融引き締めの長期化が意識されたことを嫌気しDOWN。
6月15日時点で2200ドル(セツル)と月初価格か55ドルDOWNの前半締めとなった。
後半は5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)年率換算で前月比12.2%増の76万3000戸、5月のCPIも4月に比べて鈍化すると予想などのプラス材料もあったが英イングランド銀行(中央銀行)が政策金利を0.5%引き上げたこと、ノルウェーとスイスの中銀も利上げを決めたことを嫌気しDOWN。
月末日 後半スタート価格119ドルDOWNの2105.5ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
140.19 → 145.99(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+49%の59万532台
輸出は前年同月比+49.7%の28万614台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+31.5%の25万9794台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家は減少したが、貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比3.5%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比11.8%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 69,561 戸。
・前年同月比 3.5%増, 4か月ぶりの増加。
○新設住宅着工床面積は 5,487千㎡。
・前年同月比 1.4%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 862千戸。
・前月比 11.8%増, 先月の減少から再びの増加。
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 +91.3%の241t
二次合金 -74.5%の438t
スクラップ +16.6%の3万1012 t
アルミ缶 -15.7% 5616t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -23.1% 9万6032t
二次合金 -4.9%の8万5535t
スクラップ +60%の966t
合金スクラップ +15.6%の9513t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -9.5% 13万8613t 14カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.4% 5万5406t 6カ月ぶりプラス
出荷は +6.4% 5万5680t 6か月ぶりプラス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+49%の59万532台
輸出は前年同月比+49.7%の28万614台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+31.5%の25万9794台
内 乗用車 +33.6%
貨物 +17.7%
バス +127.5%
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家は減少したが、貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比3.5%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比11.8%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 69,561 戸。
・前年同月比 3.5%増, 4か月ぶりの増加。
○新設住宅着工床面積は 5,487千㎡。
・前年同月比 1.4%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 862千戸。
・前月比 11.8%増, 先月の減少から再びの増加。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -9.5% 13万8613t 14カ月連続マイナス
板 類 8万8488t --13.4% 13か月連続マイナス
押出類 5万125t -1.7% 17か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.4% 5万5406t 6カ月ぶりプラス
出荷は +6.4% 5万5680t 6か月連続マイナス
●アルミ
【輸出】
新地金 +91.3%の241t
二次合金 -74.5%の438t
スクラップ +16.6%の3万1012 t
アルミ缶 -15.7% 5616t
【輸入】
新地金 -23.1% 9万6032t
二次合金 -4.9%の8万5535t
スクラップ +60%の966t
合金スクラップ +15.6%の9513t
【見通し】
【自動車】
5月の自動車生産が+49%。6月国内販売台数が前年比+31.5%
5か月連続 生産,販売 共に回復の兆しあり今後に期待
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -9.5% 13万8613t 14カ月連続マイナス。エアコン需要の低迷からから来月も期待薄
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.4% 5万5406t 6カ月ぶりプラス
出荷は +6.4% 5万5680t 6か月ぶりプラス
日本の自動車生産販売は堅調だが爆発的な需要があることもなく低位安定が続くのでは?
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続き欧米の金融引き締め策からLME価格が2255-2105ドルと下落傾向だった。自動車生産は回復基調にあるが今月もまだ入荷も少なそう。
需要面に関して日本の自動車生産販売は堅調だが爆発的な需要があることもなく低位安定が続くのでは?来月以降はそろそろ需給回復の兆しがあるかも。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米FRB利上げ停止後の金融政策
2、中国景気回復の動向
1に関しては
英国 カナダ ECBが利上げを継続してること、米経済指標や失業率を見る限り利上げ停止の材料は見当たらない。
2に関して
米中摩擦や中国経済指標の低迷、不動産市況の低迷から早期回復はないとの見解
これらを踏まえた6月のアルミ価格は 1900―2200ドル(セツル)との予想。
ドル円値は140円~145円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては 据置程度と予想している。
関連記事
- 2024/05/09 2024年3月アルミ再生塊輸入統計分析 2カ月連続8万トン台に後退 2020年10月以来の低水準 累計前年超え
- 2024/05/09 2024年3月 アルミスクラップ輸出統計分析 大幅に2カ月連続増加 単価は過去最高更新
- 2024/05/08 4月のアルミ概況および5月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
- 2024/05/07 千葉県、ヤード条例施行から1ヶ月経過した現状は?――事業者からは賛否の声
- 2024/05/07 コンテナ運賃動向(2024年4月)、5月に入り一気に上昇
- 2024/05/07 日中コンテナ荷動き(2024年2月)―輸出減でも輸入増
- 2024/05/03 新旧民間航空機の受注納入について(24年3月)
- 2024/05/03 民間航空機受注納入統計(24年3月)
- 2024/05/02 カザフスタン、金属スクラップ輸出禁止を延長 7年前から実施、地元企業保護目指す
- 2024/05/02 中国政府 再生資源業界の発展のために税制面での支援策を実施