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キヤノンマーケティングジャパン株式会社:デジタルなコンテンツ提示の最適解

2023年7月29日から30日の2日間にかけて、東京都千代田区のベルサール秋葉原にてVR法人HIKKY主催の「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」が開催された。
今回の記事ではVR映像にも対応する新製品を引っ提げてブースを展示している、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の取り組みについて記載していく事とする。

 

 

映像出力機器の市場規模と今後の展開


 日本における技術水準を図る産業はいくつも存在する。
アニメーション、3D映像制作技術、造船を始めとした重厚長大産業、ソフトウェア開発など枚挙に暇がない。
そんな中で高い技術力を持っていると評価されるものの一つが「カメラ」である。


 日本国内におけるカメラ需要は元より高いものであったが、昨今では高い技術力を活かした高解像度、高精細な映像を実現するCMOSセンサーを開発・搭載したり取り回しと精度に優れたレンズの開発と技術の進展の枚挙に暇がない。
映画における映像制作においても日本のカメラやレンズが用いられる例もあり、その技術力は衰える事なくトップを走り続けている。
そしてハードウェアが円熟するに至って現れ始めたプロダクトが「VR対応の全周囲撮影・立体映像」というものである。


 これはYoutubeにおける360度映像などが現在公開されているものの、その本質は全周囲撮影を行えるカメラを用いて映像を撮影し、スマートフォンを差し込む様な立体視向けゴーグルを用いて映像を再生するというものである。
映像処理はもちろんの事、機器に関してもそこまで大掛かりな物が必要ないという事もあって参入障壁は年々低くなっている。
しかしこの映像に関しては、あくまで2Dの映像として特に処理をされないまま撮影された物を引き伸ばしているに過ぎない。
その為解像度によっては粗がある他、立体感という点においては完成度の低い物となっている。


 これに対してキヤノンマーケティングジャパン株式会社は、全く新しい機器を以てこの市場の開拓を行おうとしている。


次世代の映像表現を提供するハードウェア


 キヤノンマーケティングジャパン株式会社は東京都港区に本社を置く企業である。
日本国内において顧客に合わせたITソリューション提供やキヤノン製品のマーケティング活動を行っている。
そんな同社は先日VRソーシャル・ネットワーキング・サービス「VRChat」で開かれた「バーチャルマーケット2023 Summer」と今回の「バーチャルマーケット2023 リアルinアキバ」にてブースを出展している。

 

 

 同社のバーチャルマーケット上のブースでは、自社の製品の高解像度モデルを見る事が出来る他にウォールアートなどが展示されている。
そしてそこのコンテンツとして注目株となっているのが、VRレンズ「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」を用いた立体視映像である。
これはVRレンズという名前の通り、カメラに搭載する専用のレンズであり双眼鏡の様な見た目をしている。
その解像度は8kと非常に高く、180度の視野角を備えた立体視対応の映像撮影が可能というスペックを持つ。


 この製品がどれだけ画期的かというと、そもそもVR向け映像を専用に撮影出来るハードウェアからのアプローチが行われてこなかったという背景が存在する。
立体視可能な動画といっても既存のカメラで撮影された映像を、左右の視差を後天的に付与する形で構成されている。
しかし現場における立体感と後から付与された立体感は全く別物であり、このレンズを用いる事で「リアリティのある」映像が作れるのである。
価格は執筆当時で29万円前後とお高いものではあるが、市販も行われている辺り市場投入を積極的に行いたい同社の姿勢が見て取れる。

 

 

 そして今回、バーチャルマーケットの会場で同社がコンテンツを公開したのは「立体視可能なVRHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用して会場に訪れるユーザーが多いから」という事情がある。
同社の提供するコンテンツは当然立体視に対応するデバイスが無くてはいけないが、そのコンテンツを問題なく享受出来るデバイスで出入りするユーザーが多い会場でコンテンツを公開するのは渡りに船という状況だ。
リアル会場でも立体視映像コンテンツを視聴できる様にヘッドマウントディスプレイが用意されていたが、こういったコンテンツに常日頃から触れられるVRChatユーザーはもちろんの事多くの参加者が足を留めていた。
より多くのユーザーがコンテンツに触れられる事が大事だと担当者は語っていた。


 新しい製品を最適な環境で提供しようとするキヤノンマーケティングジャパン株式会社。同社の攻めの姿勢はコンテンツを提供する事業者向けハードウェアメーカーとしてのあり方を如実に示しているのかもしれない。

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

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