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2023年8月(速報) 鉄鋼生産概況(銑鉄及び粗鋼生産 詳細)

 2023年9月22日、一般社団法人日本鉄鋼連盟が8月(速報)の鉄鋼生産概況を発表した。

 

 2023年8月(速報)の粗鋼生産量は714.6万トン、前月7月実績(738.3万トン)比3.2 %減、前年同月(735.9万トン)比でも2.9 %減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少の見通しとなった。8月の1日当たり粗鋼生産量では23.1万トンとなり、7月の同23.8万トン比3.2 %減となる。

 

 鋼材需要は主力の自動車向けが回復基調に入っているものの、建設関連の伸び悩みもあって全般に力強さを欠き、輸出不振も反映して鉄鋼メーカーの生産活動は、低位で推移している。

 普通鋼熱間圧延鋼材の2023年7月分の販売高は379万2,594トン、月末在庫高は270万2,365トン。

 特殊鋼熱間圧延鋼材の2023年7月分の販売高は95万5,000トン、月末在庫高は66万7,535トンであった。

 

 表1に全国鉄鋼生産高 2023年8月(速報)及び2023年7月実績(確定)を示す。

 

表1 全国鉄鋼生産高 2023年8月(速報)2023年7月実績(確定)

7月実績(確定)は、前月速報値を修正(黄色マーカー部

 

○ 銑鉄生産は 538.1万トンと前月比1.9 %減、前年同月比0.7 %減となり、前年同月比では3か月ぶりの減少。

○ 粗鋼生産は714.6万トンと前月比3.2 %減、前年同月比2.9 %減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少となった。8月の1日当たり粗鋼生産は23.1万トンで、7月の同23.8万トン比3.2 %減。

○ 炉別生産では、転炉鋼が550.8万トンと前月比1.9 %減、前年同月比1.2 %減、電炉鋼が163.8万トンと前月比7.4 %減、前年同月比8.1 %減となり、前年同月比では転炉鋼は3か月ぶりの減少、電炉鋼は13か月連続の減少。

○ 鋼種別生産では、普通鋼が557.8万トンと前月比1.1 %減、前年同月比0.5 %減、特殊鋼が156.8万トンと前月比10.0 %減、前年同月比10.6 %減となり、前年同月比では普通鋼は20カ月連続の減少、特殊鋼は2か月ぶりの減少。

○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は629.4万トンと前月比5.3 %減、前年同月比2.3%減となり、前年同月比では3か月ぶりの減少。

○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は502.3万トンと前月比4.6 %減、前年同月比0.3 %減となり、前年同月比では3か月ぶりの減少。

○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は127.1万トンと前月比8.2 %減、前年同月比9.2 %減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少。

 

<銑鉄生産高>

 

 図1に、1925年~2023年8月(速報)までの銑鉄及び粗鋼生産推移(昭和1年~令和4年度は月換算)を示す。

 

図1 銑鉄及び粗鋼生産推移 2023年8月(速報)まで[昭和1年~令和4年度(確定)は月換算]

 

 銑鉄(青色 折れ線)の月生産量は、2021年度では5月のみ600万トン台を上回ったが、その後は600万トンを下回る減少傾向を示し、2022年度は520万トンを前後しながら推移した。2023年は、微増傾向にある。

 

 2023年1~3月期の銑鉄生産量は、1,567万トンと前年同期(1,675万トン)比6.4 %減となった。月換算522.3万トン。

 

 2023年4~6月期の銑鉄生産量は1,591.7万トンと前年同期(1,628.2万トン)比2.2 %減となった。月換算530.6万トン。

 

 2023暦年上期(1~6月期累計)の銑鉄生産量は3,158.7万トンと前年同期(3,303万トン)比4.4 %減となった。月換算526.5万トン。

 

<2023年8月 銑鉄生産高 (速報)>

○ 銑鉄生産は 538.1万トンと前月(548.4万トン)比1.9 %減、2022年8月(541.8万トン)比でも0.7 %減となり、前年同月比では3か月ぶりの減少の見通し。

 

 2022暦年の銑鉄生産量の月平均は534.6万トン、2022年度の月平均は525.6万トンであり、8月(速報)は、これらを上回る見通し。

 

<2023年7月 銑鉄生産高 (実績)>

○ 銑鉄生産は 548.4万トンと6月(524.9万トン)比4.5 %増、2022年7月(526.8万トン)比4.1 %増となり、前年同月比では2か月連続の増加となった

 

<粗鋼生産高>

 

 2022年度粗鋼生産量実績:炉別では、転炉鋼が6,432.6万トン[前年(7,115.2万トン)比9.6 %減]、電炉鋼が2,351.1万トン[同年(2,448.5万トン)比4.0 %減]となり、前年度比では、転炉鋼、電炉鋼ともに2年ぶりの減少となった。粗鋼合計(8,783.7万トン)に占める電炉比は26.8 %と前年の25.6 %から1.2ポイント上昇した。

 

 2023年1~3月期の粗鋼生産高は、2,162.3万トンと前年同期(2,301万トン)比6.0 %減となった。

 

 2023年4~6月期の粗鋼生産高は、2,221.4万トンと前年同期(2,298.4万トン)比3.4 %減となった。

 

 2023暦年上期(1~6月期)の粗鋼生産高は、4,383.7万トンと前年同期(4,600万トン)比4.7 %減となった。

 

<2023年8月 粗鋼生産高 (速報)>

○ 粗鋼生産 は714.6万トンと前月(738.3万トン)比3.2 %減、前年同月(735.9万トン)比2.9 %減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少の見通し。

8月の1日当たり粗鋼生産は23.1万トンで、7月の同23.8万トン比3.2 %減の見通し。

 2022暦年の粗鋼生産高の月平均は743.6万トン、2022年度では732万トンであり、8月(速報)では、暦年及び年度月平均を下回る見通し。

 

<2023年7月 粗鋼生産高 (実績)>

○ 粗鋼生産 は738.3万トンと前月(732.9万トン)比0.7 %増、前年同月(732.1万トン)比でも0.8 %増となり、前年同月比では19か月ぶりの増加となった。

7月の1日当たり粗鋼生産は23.8万トンで、6月の同24.4万トン比2.5 %減であった。

 

《炉別粗鋼生産高》

 2023年1~3月期の転炉鋼生産高は、1,601万トンと前年同期(1,708万トン)比6.3 %減となった。電炉鋼生産高は、561万トンと前年同期(594万トン)比5.6 %減となった。

 

 2023年4~6月期の転炉鋼生産高は、1,619.8万トンと前年同期(1,669.7万トン)比3.0 %減となった。電炉鋼生産高は、601.5万トンと前年同期(628.8万トン)比4.3 %減となった。

 

 2023年1~6月期の転炉鋼生産高は、3,221万トンと前年同期(3,377万トン)比4.6 %減となった。電炉鋼生産高は、1,162.7万トンと前年同期(1,222万トン)比4.9 %減となった。

 

<2023年8月 炉別生産高 (速報)>

○ 炉別生産 では、転炉鋼が550.8万トンと前月(561.4万トン)比1.9 %減、前年同月(557.7万トン)比1.2 %減、電炉鋼が163.8万トンと前月(176.9万トン)比7.4 %減、前年同月(178.3万トン)比8.1 % 減と、前年同月比では転炉鋼は3か月ぶりの減少、建築向けが多い電炉鋼は伸び悩み13か月連続の減少の見通しとなった。

 

 2022暦年の転炉鋼生産高の月平均は、545万トン、電炉鋼生産高の月平均は198.6万トン。2022年度では、転炉鋼が536.1万トン、電炉鋼が196万トンとなり、8月(速報)では、転炉鋼はいずれも上回るが、電炉鋼は、いずれも下回る見通し。

 

<2023年7月 炉別生産高 (実績)>

○ 炉別生産 では、7月は、転炉鋼が561.4万トンと6月(532.1万トン)比5.5 %増、前年同月(535.0万トン)比4.9 %増、電炉鋼が176.9万トンと前月(200.8万トン)比11.9%減、前年同月(197.1万トン)比10.2 %減と、前年同月比では転炉鋼は2か月連続の増加、建築向けが多い電炉鋼は伸び悩み12か月連続のとなった。

 

 図2には、平成17年度からの銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(平成17年~令和4年度実績は月換算)を示す。

 

図2 銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(平成17年度~令和4年度実績は月換算)
 

 図2に示すように、電炉比(濃青 折れ線 右軸)は、2022年1月は25.0 %を下回ったが、6月に28.8%と最高値を示した。夏季定修の8月は24 %台に減少したものの、その後は約28 %台を推移した。1月13日にJFE-Sの第6高炉が火入れにより稼働を再開し、2月以降は約2 %減となり、8月(速報)では、電炉の夏季定修もあり、電炉比は22.9 %に落ち込む見通しとなった。

 

 表2に比較データ 粗鋼炉別構成比を示す。7月(実績)では、夏季定修もあり電炉比が減少し24 %となった。

 

表2 粗鋼炉別構成比推移

 

<鋼種別粗鋼生産高>

 2023年1~3月期の普通鋼合計は、1,692万トンと前年同期(1,665万トン)比1.6 %増となった。特殊鋼生産高は、470.3万トンと前年同期(476.3万トン)比1.3 %減となった。

 

 2023年4~6月期の普通鋼合計は、1,734万トンと前年同期(1,782.4万トン)比2.7 %減。特殊鋼合計は、487.4万トンと前年同期(516万トン)比5.5 %減となった。

 

 2023年1~6月期の普通鋼合計は、3,426万トンと前年同期(3,545.5万トン)比3.4 %減。特殊鋼合計は、957.7万トンと前年同期(1,054.1万トン)比9.1 %減となった。

 

 図3に2019年1月からの、銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の月別推移を示す。

 

図3 銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の生産高推移 月別実績(2023年8月は速報)

 

<鋼種別生産 2023年8月(速報)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が557.8万トンと前月(564.0万トン)比1.1 %減、前年同月(560.6万トン)比0.5 %減、特殊鋼が156.8万トンと前月(174.3万トン)比10.0 %減、前年同月(175.4万トン)比10.6 %減と、前年同月比では普通鋼は20か月連続の減少、特殊鋼は2か月ぶりの減少の見通しとなった。

 

 2022暦年の普通鋼の月平均は573.5万トン、特殊鋼が170.2万トン。2022年度では、普通鋼の月平均が567.4万トン、特殊鋼が164.5万トン。8月(速報)では、普通鋼、特殊鋼ともに暦年及び年度月平均を下回る見通し。

 

<鋼種別生産 2023年7月(実績)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が564.0万トンと前月(568.3万トン)比0.8 %減、前年同月(564.4万トン)比0.1 %減、特殊鋼が174.3万トンと前月(164.6万トン)比5.9 %増、前年同月(167.7万トン)比3.9 %増と、前年同月比では普通鋼は19か月連続の減少、特殊鋼は18か月ぶりの増加となった。

 

 表3に比較データ 粗鋼生産高月換算値を示す。

 

表3 比較データ <2018年度~2023年度7月確定 粗鋼生産量:月換算>

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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