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ダイセキ(9793) 24/2H1説明会メモ 増額修正でややネガティブからニュートラルに変更

24/2期はダイセキ好調、環境ソリューション再増額で12.6%増収11.7%営利増に予想増額

株価4040円(10/3) 時価総額2035億円  発行済株51,000千株

PER(24/2期DO予26.3X)PBR(2.49X)配当(24/2予)60円  配当利回り:1.5%

 

要約

・24/2H1は単独シェア向上、環境ソリューション増額で26.0%増収24.1%営利増と最高益

・24/2期は上期上振れ受け増額修正し12.6%増収11.7%営利増予想で最高益更新予想

・新中計の26/2期売上高690億円、営利147億円予想はソリューション増額で見直し期待

 

24/2H1は単独シェア向上、環境ソリューション増額で26.0%増収24.1%営利増と最高益

 

 ダイセキグループは、廃油・廃液・汚泥リサイクル分野、汚染土壌・石膏ボードリサイクル分野、鉛リサイクル分野、石油タンク清掃分野など地球環境保全やモノづくりに関わるリサイクル事業を行う総合産業廃棄物処理企業。10/2に24/2H1決算が開示され、10/3に決算説明会が実施された。24/2H1は、売上高357.66億円(期初計画比35.66億円増額、26.0%増)、営業利益77.52億円(同11.02億円増額、24.1%減)と、単独の好調、グループ会社のダイセキ環境ソリューションの大幅収益拡大から増額着地し、上期累計で過去最高売上、利益を達成した。

 

 ダイセキ単体収益は、売上高183.76億円(期初計画比3.24億円未達、5.7%増)、営業利益53.36億円(同0.14億円未達、2.1%増)と、計画比若干未達も、売上高、営利とも23/2Hを上回り過去最高を記録した。売上面では鉱工業生産が半導体産業などの回復の遅れ等で一進一退が続き、リサイクル品の再生重油や補助燃料の出荷量が伸び悩んだ。但しシェアップなどでカバー、廃液入荷が4%増となり売上が増加した。事業所別では関東(9.6%増)、関西(6.3%増)、九州(8.1%増)、名古屋(5.6%増)など何れも堅調な伸びを示した。利益面では償却費負担増(前期53億円投資、償却費は4割程度増加と推定)などがあり総利益率が1.6ポイント悪化し32.4%となったものの実質的に収益率は維持されている。

 

 この他、廃バッテリー再生事業のダイセキMCRは、売上高18.87億円(同0.75億円増額、4.1%増)、営利4.12億円(同2.41億円増額、9.7%減)と、平均LME相場が計画の2150ドル/tを下回ったが計画比円安で販売価格が上昇、利益が計画比大きく膨らんだ。一方、システム機工は売上高18.82億円(同0.3億円未達、11.0%増)、営利2.23億円(同1.39億円未達、2.6倍)と天候不順でタンククリーニング工事が期ずれし計画比大幅未達に。

 

 今回、増額着地となった最大要因はダイセキ環境ソリューションで、売上高136.32億円(期初計画比37.97億円増額、6/30環境ソリューション増額修正比24.02億円増額、85.2%増)、営利17.41億円(同8.96億円増額、同4.50億円増額、3.82倍)となったことが大きく寄与している。これは土壌案件の大型案件が上期に集中、杉本商事の買収効果も寄与している。

 

24/2期は上期上振れ受け増額修正し12.6%増収11.7%営利増予想で最高益更新予想

 

 24/2期、上期の収益上振れを受けて通期予想を増額、売上高660億円(期初計画比40億円増額、12.6%増)、営業利益142億円(同11億円増額、11.7%増)、経常利益143億円(同11億円増額、9.4%増)、税引利益88億円(同4億円増額、1.5%増)予想と、全ての項目で過去最高更新を見込む予想とした。

 

 会社別ではダイセキ環境ソリューションの増額が大半で、これだけで売上高47.08億円、営利9.60億円増額を占める。あとは調整項目で、ダイセキ環境ソリューション以外計画変更していない。

 

 現状、ダイセキ環境ソリューションは再増額が見込まれるが、ダイセキは上期の進捗率がほぼ50%と計画通りで、ダイセキMCRのプラス、システム機工の未達が相殺されている状況。通期修正予想については環境ソリューションの再増額、円安効果でMCRが増額、システム機工は天候不順影響が緩和で下期は計画通りと見られ、全体として多少の増額修正が見込まれる。

 

新中計の26/2期売上高690億円、営利147億円予想はソリューション増額で見直し期待

 

 同社は26/2期に売上高690億円、営利147億円を目標として掲げた。昨年の見通しでは25/2期に売上高690億円、営利163億円としていた点では、25/2期比較で売上高は651億円(39億円減額)、営業利益137億円(26億円減額)している。前回予想に対し25/2期で売上40億円、営業利益17.5億円減額は、売上面でほぼ環境ソリューションの減額となっている。また利益面では成長鈍化に加え、コストアップ要因が有り、見通しを下げている。しかし今回、環境ソリューションが杉本商事の買収を含め、大幅増額となったことで、新中計での25/2期予想である売上高651億円、営利137億円予想の1年前倒達成予想となり、26/2期営業利益147億円の達成もありえる状況となっている。

 

 現在、世界的なSDGsの高まり、ESG経営の推進、世界的な脱炭素社会構築の動き、リサイクルからさらにサーキュラーエコノミー社会へ向けての進化など、同社にとってビジネスチャンスが増す環境にあり、中計は改めて上方修正されるとみられる。なお長期的にはグループ力を強め、事業所の能力増強、更に新規事業の拡大実行で、31/2期に売上高1500億円、営業利益250億円の長期目標「VISION2030」を掲げており、単体として3事業拠点の拡充、3新事業の確立などを推進、この長計達成に向け、更なる成長を続けるものと期待したい。また今回、VISION2030に向けた新規開発テーマの一つとして、名古屋大学発のベンチャー企業SyncMOF株式会社(2019年6月設立 )とサーキュラーエコノミー型アンモニア回収リサイクルに関する共同開発を進め、新規吸脱着剤であるAmuniteを使用して、排ガス中のアンモニアを吸着・回収することに成功したとアナウンスした。今後さらにAmuniteの形状加工や耐久性の確認を経て、採算性を確立し、同社が回収するアンモニア廃液への適用や、アンモニア廃液、アンモニア排ガスを排出する企業での適用の検討を進めるとした。この案件は当面収益に貢献するものではないが、新たな画期的な取組みも行うことで、サーキュラーエコノミーの代表的企業としての活躍も期待できる。

 

 

 株価は4/5決算発表で最高益更新予想ながら中計を減額した事で一時的に下げたものの、すぐに戻した。その後は6/30のQ1で好調な数字となったこと、7/3に自己株26.5万株買付けで瞬間大きく値を上げ、一旦下落も8/1には年初来高値4870円を付けたが長続きせずその後は弱含みで推移している。今回、Q2で増額修正、また10/3に30万株の自己株取得を実施したものの、当面、自社株買いは終了とのアナウンスも有り、相場環境が悪かったことから無反応で推移している。現在、24/2期修正会社予想EP170.11円に対しPER23.18倍は金融業を除くプライム総合PER16.1倍に対し割高感がある。今後、温暖化対応ビジネスの主力銘柄として最高益更新が続く見通しで、中計見通しも増額の可能性が高い。本格成長拡大は25/2期以降となると見られるが、最高益更新予想でもあり株価はややネガティブから中立に変更する。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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