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住友重機械工業株式会社 スラリー気泡塔反応機を用いた燃料合成に成功

造船・各種製造装置や精密機械などメカトロニクス分野に携わる機械メーカーの住友重機械工業株式会社が、フィッシャー・トロプシュ法(FT法)と触媒を用いた燃料合成に成功したとのプレスリリースを発表した。
以下はその内容と様子を表した写真である。
 
 
 
SBCRによるFT合成燃料生成に成功
 
 住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下村真司、以下「当社」)は、SBCR(Surry Bubble Column Reactor:スラリー気泡塔反応器)を用いて、自社のFT(Fischer Tropsch)触媒での燃料合成(FT合成※1)に成功しました。2023年10月12日に公表した「二酸化炭素を20%混合した合成ガスからのFT合成燃料生成に成功」と本研究で、より脱炭素化社会に貢献できるよう実用化検討を進めます。
 
 今回、SBCRを用いて合成ガスを自社開発の触媒に接触させ、合成ガスからジェット燃料や軽油に相当する燃料の合成に成功しました。SBCRは液状の生成油中に合成ガスを通気し触媒を分散させるため、FT反応熱の除去に優れ、反応温度を一定に保ちやすい特徴があり、連鎖成長を促進しやすくなります。
 
 本研究では実用化に向けて、SBCRでのFT合成を検証しました。今後は触媒の最適化検討と共に、SBCRでCO2を含む合成ガスからのFT合成燃料製造技術の実用化検討を進めます。
 
 FT合成は、一酸化炭素(CO)と水素(H2)の合成ガスから液体燃料(液状炭化水素)を合成する反応で、当社では、CO2の有効活用の観点から、CO2と水素を原料にし、逆シフト反応器(CO2から一酸化炭素(CO)を作る反応器)とFT反応器の2段で灯油・SAF(Sustainable Aviation Fuel 持続可能な航空燃料)・軽油などの合成燃料製造を目指しています。パラフィン分が多いFT合成燃料は、変性しにくい特性がある他、サルファフリー・アロマフリーであり、排気ガスのSOXや煤が発生しにくい燃料となります。
 
 
 
生成した FT燃料(左)と市販灯油(左)の燃焼の違い
 
              ((左)はアロマフリーのため市販灯油(右)に比べ煤が発生しにくくなります)
 
 
 
 また、既存内燃機関や燃料インフラをそのまま活用できるため、エンドユーザーにおける追加の設備投資が不要となり、脱炭素化対応のための導入コストを最低限に抑えることが可能です。
 
 当社では、当社のガス化炉から生成した合成ガスあるいは、当社のバイオマス発電設備より回収した、いわゆるグリーンCO2と水素を原料とした燃料合成を目指し開発を進めています。
 
 なお、本開発は群馬県立産業技術センターの協力を得て実施しています。
 
 
 (※1)FT(Fischer Tropsch)合成は、一酸化炭素(CO)と水素(H2)の合成ガスから液体燃料(液状炭化水素)を合成する反応で、1920年代にフィッシャー・トロプシュによって確立されました。CO2を原料としたプロセスはメタン・メタノール・DME合成など共に、「カーボンリサイクル(CO2の再資源化)」の有望技術として期待されています。
 
 
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
 
 

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