スマートフォン製造台数回復へ 前年割れ食い止められる
調査会社TrendForceは2023年12月7日、同年第3四半期(7〜9月)のスマートフォン世界製造台数が前期比13%増、前年同期比6.4%増の3億800万台で、8四半期続いた前年割れに終止符が打たれたことを明らかにした。
23年第3四半期のスマホ製造台数についてTrendForceは、スマホ市場の伝統的な最盛期にあたり、米アップル(Apple)のiPhone 15シリーズをはじめ、各社の旗艦モデル新製品が相次ぎ登場した他、末端市場の販売ルートも在庫積み上げを再開したことで、スマホ各社が比較的積極的な生産計画を実施したと評している。
一方、23年第4四半期(10〜12月)のスマホ製造見通しについては、年末商戦の到来や、通年の生産台数目標を達成するためブランド各社が引き続き積極的な生産計画を進める見込みだとし、これらを背景に、前期比5~10%増の成長が続くと予想。
ただ、23年通年では前年比約3%減の11億6000万台で、マイナス成長を予想。
23年第3四半期のブランド別製造台数では、6010万台で首位だった韓国サムスン電子(Samsung Electronics)について、製造台数を前期から11.5%伸ばしたが、世界経済の減速による影響で、比較的保守的な生産計画を採用していると指摘。23年通年の製造台数は米アップル(Apple)より僅か500万台多い水準にとどまるとした。
4950万台で2位のアップルについては、製造台数を前期から11.5%伸ばしたが、iPhone 15シリーズの標準モデル2機種に搭載するCMOSイメージセンサー(CIS)の歩留まりが当初低迷したことや、中国Huawei(ファーウェイ=華為)の市場復帰による影響で、シェアは前年同期から1.5ポイント減少したと指摘。ただ、23年通年の製造台数は前年から横ばいを見込んだ。3~6位はいずれも中国系だった。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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