ステンレス鋼材国内市場近況2024 #2 Ni系はLME相場に準じて続落 需要回復は5月以降?

年明け、2024年1月のステンレス鋼材市況は、Ni系が指標LMEニッケル相場の下落に準じて下落。ステンレス最大手の日鉄ステンレスは12日に1月店売り契約分でNi系鋼材はキロ20円下げ(厚板含む)、Cr系はキロ5円下げ、とした。アロイリンクに合致した下げ幅。
市中実勢では、304系冷延コイルがキロ当たり560〜580円、430系冷延コイルは370円前後で横ばいが続いている。
(LMEニッケル相場の推移 $/ton)
(LMEニッケル相場は1年前の半値まで下がっている)
(国内304系冷延コイル価格と430系冷延コイル価格の推移 ¥/kg コイルセンター売値)
(304系コイルは昨年から一貫して下がり続けているが、430系は変わらず)
一方の輸入材のほうでは、やはり国内材レス100円が続いており、460〜480円。しかしこれは韓国のポスコ、現代の価格であり、中国品はすでに400円を切っているものもある、という。ポスコは欧米からの受注が多いこともあり「やや強気」の売り腰だという。台湾のYUSCOも安値攻勢で400円割れ。
Ni系の需要面は、まだ弱い。半導体製造装置向けで一部動きが出てきているが低調。今年の半導体製造装置向けは23年比1割増、とも業界内では予測されているが「去年のこともあるのであまり期待しないようにしている」(ステンレスコイルセンター関係者)とのこと。
Cr系は自動車、厨房向けがけん引役だが、自動車についてはダイハツショックの影響はCr系いついてはさほど大きくはないとみられるが、厨房向けはいまだ動き鈍い状況。Cr系はNi系ほど輸入材が入っていないことと、さほど国産品と値差がないこともあり製品市況は安定している。Cr系は韓国ポスコと中国のTISCOからがメインだが、極端な安値はない模様。
(IRUNIVERSE/MIRU)
関連記事
- 2025/09/08 元鉄鋼マンのつぶやき#126 「24:00時 離陸」
- 2025/09/08 LME Weekly 2025年9月1日-5日 Znのぞいて揃って下落 上海株安を受けたCu軟調に連れて
- 2025/09/07 アジア・欧州・中国のステンレス価格(9/5)
- 2025/09/05 レアメタル系スクラップ市場近況2025#9 ニッケル系アイテムは軒並み横ばい
- 2025/09/04 海外企業の6月期決算①弱含み、関税や輸出規制に翻弄 リオやグレンコア売り上げ伸びず
- 2025/09/04 中国政府の環境規制から酸化Mo、フェロMo続伸
- 2025/09/04 ブラジル、英アングロのニッケル事業売却を調査へ 中国企業への売却に危機感か
- 2025/09/04 日本製鉄:USW 会長、クリフス社及び同社 CEO に対する訴訟の終結について
- 2025/09/03 中国のタングステン精鉱供給業者、市場に強気姿勢
- 2025/09/03 ニッケル輸出入Report #191ニッケル粉フレーク輸入 2025年輸入回復