米大統領選への再選を目指すトランプ前大統領が1月31日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収について「私が大統領選で勝てば即座に阻止する。絶対にだ」と述べた。トランプ氏は大統領時代に鉄鋼に高関税をかけて米国業界を保護した経緯があり、「もしトラ」なら取引がとん挫する可能性も出てきた。

　米ブルームバーグ通信など米メディアが1月31日、ワシントンで開かれたチームスター組合との会談後に、トランプ氏が記者に語った内容として伝えた。トランプ氏は「いま、USスチールは日本に買収されようとしている。ひどい話だ。私は国内に雇用を取り戻す」と語ったという。

　トランプ氏の支持基盤はUSスチールの本社があるペンシルベニア州など、製造業が盛んな州のブルーカラー労働者たちだ。彼らは雇用に対する不安が強く、ペンシルベニア州選出の民主党の上院議員でさえ、バイデン政権に日本製鉄によるUSスチール買収を阻止するよう求めている。

　トランプ氏は、国家安全保障上の懸念を理由に、「鉄鋼輸入に25%、アルミニウムに10%の輸入税を課し、国内生産を増やす必要がある」とも語ったという。

(IR Universe Kure)

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