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鉛と亜鉛の輸送、シンガポールで滞留か LME向け、需給バランス悪化で増える在庫

 ロンドン金属取引所(LME)での取引向けに世界各地から輸送される金属の、経由地での滞留が深刻化している模様だ。ブルームバーグ通信は3月27日、「シンガポール港での鉛の総在庫が2013年以来の多さになった」と伝えた。一部の金属で供給バランスが崩れる中、余剰となった製品が経由地で足止めを迫られる事態が発生している。

 

■LME鉛の在庫、前年の10倍に 価格も低迷

 報道によると、シンガポール港での鉛の備蓄量は3月20日に6万4000トン増えた。そのうち多くが米シティグループによる発注だったという。シンガポール港では亜鉛の在庫も増えており、同港の金属全体の在庫量は2014年以来の高水準に達しているとも伝わった。

 鉛も亜鉛も、数年間にわたり価格は低迷している。LME鉛価格は3月27日に現物で$1968/tonと前年の同時点比で10%安、LME亜鉛価格現物は$2366/tonと同22%安い。

 

過去3年間のLME鉛価格の推移($/ton)

 

過去3年間のLME亜鉛価格の推移($/ton)

 

 供給過剰も明白だ。LME鉛在庫は3月に26万トンで前年同期の10倍、亜鉛も26万トンで、6.5倍の高水準に達した。過去5年間と引き比べても、明らかに在庫が膨らんでいる。

 

過去5年間のLME鉛在庫の推移

 

過去5年間のLME亜鉛在庫の推移

 

■賃料の高いシンガポール港に滞留

 背景には、需給バランスの悪化がある。鉛の使途は8割超が自動車向けだが、半導体不足やコロナ禍、世界的な製造業不振などが続く中で需要が弱まった。亜鉛も事情は似て、製造業の不振が供給過剰につながっている。

 シンガポールは賃料の高い港の1つで従来は倉庫としては不人気な港だった。しかし、現在はそこに滞留させねばならないほど製品が余っているというわけだ。ブルームバーグによると、シンガポールの港の在庫は現在、LMEの世界の鉛在庫の70%以上、LMEの亜鉛在庫の83%を占めているという。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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