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ステンレス鋼材国内市場近況2024 #10 1月及び2023暦年 熱間圧延鋼材鋼種別(第2報)

 2024年3月21日、鉄鋼連盟が2024年1月の特殊鋼熱間圧延鋼材・生産・消費・在庫内訳を発表した。

 

 1月の熱間圧延鋼材Cr系生産量は前年同月(71,119トン)比4.9 %減の67,654トン(前月67,365トン)、Cr-Ni系(304系)は同(57,858トン)比0.2 %増の57,976トン(前月68,410トン)、Cr-Ni-Mo系 は同(21,986トン)比40.0 %減 の13,188トン(前月14,516トン)、その他系は同(13,116トン)比31.6 %増の17,261トン(前月19,073トン)となった。前年同月比ではCr-Niは微増、その他系は二桁増となった。一方、前月比ではCr系のみ、微増した。

 

表1 ステンレス鋼鋼熱間圧延鋼材生産・消費・在庫内訳(鋼種別・形状別)(第1報より)

 

詳細は、下記を参照ください。

ステンレス鋼材国内市場近況2024 #9 2024年1月 特殊鋼熱間圧延鋼材生産・消費・在庫 | MIRU (iru-miru.com)

 

 なお、以降の図表番号は、上記からの連番としている。

 

<鋼種別熱間圧延鋼材>

 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別(Cr系、Cr-Ni系、Cr-Ni-Mo系及びその他系)生産量推移を図2に示す。月率換算を右軸に示す。その他系にはCr-Mo及びCr-Mnが含まれる。

 

折れ線グラフ:月換算(右軸)

図2 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量推移 (経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計)

 

 2023年度1月のステンレス鋼(熱間圧延鋼材)生産量の鋼種別内訳では

 Cr系が67,654トン、前月2023年12月(67,365トン)比で0.4 %増、[23年1月(71,119トン)比4.9 %減、22年同月(80,748トン)比16.2 %減、21年同月(81,273トン)比では16.8 %減]と、前月比では微増となったが、前年同月比、22年同月比及び21年同月比では、ともに減少した。

 1月のCr系生産量は、2022暦年の月換算量7.9万トン、2022年度の月換算7.7万トンを共に下回った。

 Cr-Mo系、Cr-Mn系については実際には生産はあるが、生産企業が1社に絞りこまれることで具体的な生産量は公表されていない。

 

 Cr-Ni系(304系)は57,976トン、前月2023年12月(68,410トン)比で15.3 %減[前年同月(57,858トン)比0.2 %増、22年同月(71,655トン)比では19.1 %減、21年同月(73,848トン)比では21.5 %減]と、前年同月比では微増したが、前月比、22年及び21年同月比では減少した。

 1月のCr-Ni系(304系)生産量は、2022暦年のCr-Ni系(304系)生産月換算量7.6万トン、2022年度の月換算量7.0万トンを共に下回った。

 

 Cr-Ni-Mo系は13,188トン、2023年12月(14,516トン)比で21.1 %増[前年同月(21,986トン)比48.1 %減、22年同月(26,630トン)比50.5 %減、21年同月(22,305トン)比では40.9 %減]と、前月比では増加したが、前年同月比、22年同月比及び21年同月比ではともに減少した。

1月のCr-Ni-Mo系生産量は、2022暦年のCr-Ni-Mo系生産月換算量2.7万トン、2022年度の月換算量2.5万トンを共に下回った。

 

 その他系は17,261トン、2023年12月(19,073トン)比で9.5 %減[前年同月(13,116トン)比31.6 %減、22年同月(25,594トン)比32.6 %減、21年同月(27,139トン)比では36.4 % 減]と、前月比、前年同月、22年同月及び21年同月比、ともに減少した。

 

 1月のその他生産量は、2022暦年のその他生産月換算量2.1万トン、2022年度月換算量2.0万トンを共に下回った。

 

<2018年1月~2024年1月 鋼種別生産量推移>

 図3には、平成30年1月~2024年1までのステンレス鋼熱間圧延鋼材品種別月別生産量の推移を示す。

 

図3 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量 月別推移(経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計) 

 

 2023暦年上半期(1-6月期)のステンレス鋼の鋼種別生産量は、2022暦年上半期に比べて減少傾向を示した。Cr系は11 %減、Cr-Ni系は25.2 %減、Cr-Ni-Mo系は28.1 %減、及びその他系は13.1%減となった。総合計では18.7 %減だった。

 

 2023暦年(1-12月期累計)のステンレス鋼の生産量は、2022暦年(243万9,490トン)比 20.1 %減の194万9,309トンと200万トンを下回った。暦年比では2年連続で減少。

 

 2023暦年の、Cr系生産量は前暦年(95万2,715トン)比14.9 %減の81万817トン、Cr-Ni系は前暦年(90万9,665トン)比21.4 %減の71万4,742トン、Cr-Ni-Mo系は前暦年(32万3,299トン)比37.2 %減の20万2,933トン及びその他系は前暦年(25万3,821トン)比13.0 %減の22万817トンとなった。

 全鋼種、2019暦年以降で最少量となった。

 

 図4に暦年別、図5に四半期別、ステンレス鋼 鋼種別推移を示す。

 

図4 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量 暦年推移(経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計)

 

 

図5 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量 暦年推移(経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計)

 

<2019年2月~2024年1月 鋼種別生産量推移>

 

 図6には、ステンレス鋼 熱間圧延鋼材の生産量と在庫量の推移を示す。

 

図6 ステンレス鋼 熱間圧延鋼材(生産・在庫)(経産省データ、2023年1月より鉄鋼連盟)

 

 各種鋼材の生産量は棒グラフ、在庫量及び生産量の小計は折れ線グラフで示す。生産量の小計は、2021年(令和3年)8月までは緩やかに上昇傾向を示したが、2022年(令和4年)に入ってからは5月、6月、10月、11月は、20万トン台を僅かに下回ったが、20万トン台で推移。2023年に入ってからは16万トン台で推移し、6月は17万トンを超えたが、8月は、16万トンを下回り、9月及び10月は15万トンを下回った。11月は2022年6月以来の17万トン超えとなったが、12月は16万トンを、2024年1月は15万トンを下回った。

 

 一方、小計の在庫量は微増傾向を維持していたが、2023年5月からは13万トンを下回って推移。2023年8月末在庫量は前月から13,124トン減少して11万5,344トンとなった。前年同月(15万6,782トン)比では26.4 %減となった。

 

 9月及び10月は更に、在庫量は減少し、10月は9万6,180トンと前年同月(15万1,554トン)比、36.5 %減となった。11月の在庫量は微増して、10万7,724トンと10万トン台となり、12月に11万トン台、2024年1月も微増した。1月末在庫量は、前年同月末在庫量(15万7,955トン)より28.7 %減少した。

 

 図7に鋼種別生産及び在庫量の推移を示す。

 

図7 Cr系、Cr-Ni系及びCr-Ni-Mo系(熱間圧延鋼材)の生産及び在庫量推移

 

 Cr系の2024年1月末在庫量は前月から644トン増加して3万326トンとなった。前年同月末(5万2,810トン)比では42.6 %減。

 Cr-Ni系の2024年1月末在庫量は前月から1,807トン減少して4万9,890トンとなった。前年同月末(6万6,320トン)比では24.8 %減。

 Cr-Ni-Mo系の2024年1月末在庫量は前月から1,472トン増加して1万9,670トンとなった。前年同月(2万2,984トン)比では31.6 %増。

 2023年5月より、生産量を在庫量が上回って推移している。

 

 その他系の2024年1月末在庫量は前月から540トン減少して1万2,759トンとなった。前年同月(1万5,841トン)比では19.5 %減となる。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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