為替 1ドル=170円も視野に 歴史的な円安に歯止めかからず
2024/05/01 09:28

(ここ3年の為替円ドル(TTS)相場の推移)
すでに34年ぶりという歴史的な円安水準に入っている為替円ドル。4月30日の米ニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=157円台後半まで下落した。米国の物価高(インフレ)の強さにつながる経済指標の発表を受け、米長期金利が上昇。ドルを買い円を売る動きが広がった。円相場は160円台まで下落した後に154円台まで戻っていたが、再び円安が進んでいる。
日本時間の4月29日に34年ぶりに160円台まで下落した円相場は、その後に急騰して154円台半ばまで円高に振れた。政府と日本銀行が急速な円安の進行を止めるため、為替介入に踏み切った可能性が指摘されている。
だが、30日朝に米労働省が発表した賃金や福利厚生など従業員を雇う際のコストを示す指数が、予想を上回って上昇。インフレ抑制に時間がかかるとの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、日米の金利差を意識した円安ドル高が進んだ。
こうした米の経済状況から円はもはや170円まで進むのではないか?という予想も出始めている。
結局、日銀の市場介入も「焼け石に水」ということが一晩で明らかになった訳で、円安進行を食い止める即効薬はない。米国がドル高を「歓迎」している今の状況から反転するにはしばらく時間を要しそうだ。
(IRUNIVERSE/MIRU)
関連記事
- 2025/07/08 米国、8月1日から輸入関税 日本25%、ミャンマーとラオスは40% ・税率一覧
- 2025/07/04 7月の世界経済 「運命の9日」で一変か 野村・高島氏 関税延長なら経済にプラス
- 2025/06/27 日本冶金工業、新たに岡田啓芳氏を特別委員会委員に選任へ
- 2025/06/27 東邦亜鉛 プライム市場上場維持基準適合に向けた計画策定へ
- 2025/06/27 エンビプロHD スタンダード市場への市場区分変更を申請
- 2025/06/24 ショートスクイーズからLME銅現物暴騰、国内銅建値40円引き上げの1,510円に
- 2025/06/23 LME Weekly 2025年6月16日-20日 ドル高、中東情勢緊迫化でCu Ni下落、Alは続伸
- 2025/06/16 中国経済、5月は不動産が一段と悪化 物価も下落でデフレ様相濃く、貿易も振るわず
- 2025/06/16 LME Weekly 2025年6月9日-13日 米中貿易交渉の進展期待も中東情勢緊迫化でCu Ni下落、Al続伸
- 2025/06/09 LME Weekly 2025年6月2日-6日 Cu Alはドル安や米中貿易協議再開期待で反発、Ni続落