ANA 本邦初 航空機地上支援器材の代替燃料にリニューアブル ディーゼル利用
ANAは、2024年5月9日より日本国内で初めて、航空機の運航を支える航空機地上支援器材※1(GSE)の代替燃料として期待されるリニューアブルディーゼル※2(RD)の利用に関わる実証を、羽田空港で開始した。
ANAグループは、中期環境目標として、2030年までに航空機の運航以外で発生するCO2を2019年度比で33%削減することを目指している。現在、GSEの燃料は軽油(ディーゼル)が主で、使用する全てのGSEを電動化することは難しいという課題がある。その中で、RDは既存の車両や給油施設をそのまま活用することが可能な「ドロップイン」燃料であり、軽油の代替燃料としてCO2削減に有効と期待される。
昨年9月、ANAは、伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:吉田 朋史)等と共に東京都の「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」※3に採択されており、今回の利用実証は、その一環で行うもの。2025年3月末までの事業期間を通じて、RDの安定供給・利用上の課題、制度上の課題を検証し、空港におけるオペレーションの脱炭素化の選択肢として将来の本格導入に向けた準備を進めていく。
* ※1 航空機地上支援器材:GSE(Ground Support Equipment)
* 航空機牽引車やパッセンジャーステップ車、航空機の貨物室へコンテナを搭降載するハイリフトローダー車等、航空機の運航に不可欠な特殊車両の総称。大きなエネルギーが必要であり、現在は軽油を燃料とする車両が多い。
* ※2 リニューアブルディーゼル:RD (Renewable Diesel)
* 食料と競合しない廃食油や廃動植物油等を原料として生産される次世代バイオ燃料で、性状は石油由来の軽油と同等。
* 現在、日本国内において、RDは「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」、および「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」上は、バイオ起源の燃料であるためCO2排出の報告対象外。製造から消費までの環境負荷を評価するライフサイクルアセスメントでのCO2排出量は、軽油対比で70-90%削減できるとされている。
* RDはSAF(Sustainable Aviation Fuel)製造工程で一定数量製造される連産品で、RD普及はSAFのサプライチェーン強化にも繋がる。
* ※3 東京都バイオ燃料活用における事業化促進支援事業 採択について:https://www.anahd.co.jp/group/pr/202309/20230905-2.html
(IR universe rr)
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