第6次環境基本計画(計画期間2024年‐2030年度)を閣議決定――循環共生型社会実現へ
政府は21日、環境保全の総合的・長期的な施策の大綱になる「第6次環境基本計画(計画期間2024年‐2030年度)」を閣議決定した。第1次計画から30年の節目に策定された同計画の特徴は「現在及び将来の国民一人一人のウェルビーイング/高い生活の質」の実現を環境政策の最上位の目標として掲げた点だ。気候変動、生物多様性の損失、汚染という地球がいま抱える3つの危機に、経済社会システムの変革を進め、環境収容力を守って環境の質を上げることにより、経済社会が成長・発展できる「循環共生型社会」を実現するとの方向性を打ち出している。
計画では、「人類の活動は、地球の環境収容力(プラネタリー・バウンダリー)を 超えつつある」と強い危機感をにじませた上で、目指す持続可能な社会のモデルとして「循環共生型社会」(環境・生命文明社会)を位置づけている。
最上位の目的に「現在及び将来の国民一人一人の生活の質、幸福度、ウェルビーイング、経済厚生の向上」を据えて、「この循環共生型社会を目指すことにより、国民に『希望』をもたらすものとしたい」と強調。「長年続いてきた構造的な問題に対して『変え方を変える』姿勢で、環境政策を起点とし、経済・社会的な課題をカップリングして同時に解決していくことを目指す」との方向を打ち出している。
以下が第6次基本計画の概念図と、第5次基本計画からの見直しポイント、そして3つ目は連携する他計画を示した図になる。今夏までに取り纏められる予定で、リサイクル産業にも密接に関係する「第5次循環型社会形成推進基本計画」も、その対象に入っている。
環境基本計画は、政府全体の環境保全施策を長期的な視点に立って、計画的に進めるため、環境基本法に、その策定が定められている。今回の見直しについては、2023年5月に環境大臣から中央環境審議会に諮問があり、同審議会の総合政策部会で約1年間にわたり審議が行われてきていた。以下は第5次までの基本計画の主要ポイントをまとめた一覧表になる。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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